にがAT

〜ヘタレなLANカードを修理する〜


 BUFFALO 10/100Base LAN Card LPC3-TX-CB

今回は小ネタです。メルコ(BUFFALO)のカードバス対応の10/100baseのLANカードですが、どうもこのタイプのカードには、欠陥があるメディアカプラが添付されているものがあるようです。

症状としては、「メディアカプラを付けた状態でPCに挿すと認識しない」というもの。メディアカプラってのは、カードとLANケーブルを中継する10センチ程度の短いケーブルのことです。(画像左のやつ)

メーカー側でもこの欠陥を認めているようで、公式サイトでアナウンスもされています。原因はメディアカプラ内部のコンデンサのショートということで、特定機種の特定ロットでの不具合ということになっています。

今回、「相性が激しく、ほとんど認識しない」という症状のジャンク品をヤフオクで入手してみました。

カード

カードバス対応なので、差し込み部分にイボイボが付いていますね。このイボイボは押してもへこまないタイプなのでカードバス非対応のPCカードスロットには物理的に刺さらないようになってます。まぁ、今時16ビットバスしか使えないノートPCを使っている人は少数と思われるので問題ないのでしょう。

ちなみに自分としてはカードバス対応のLANカードは、これが初めて入手したものだったりします。100baseでカードバス対応のカードって動作品買うとそれなりのお値段ですが、これは300円でした。直ればお得、直らなくても諦めのつくお値段です。

メディアカプラ

これが問題のメディアカプラ。LINK/ACT,10/100MbpsのインジケータLEDが付いています。この形状のメディアカプラはBUFFALOに限らず他社のカードでも採用されているようです。同様の不具合があるかどうかは分かりませんが。


殻割りしてみた

てなわけで、早速修理に取りかかります。メディアカプラを注意深く殻割りしてみました。特にネジ止めされているわけではないので、プラスチックを止めているツメを折らないように注意です。マイナスドライバーで無理矢理開けようとするとツメが折れるので、ドライバーを使う際には慎重に。ドライバーの先端程度でもテコの力が加わるとかなりの破壊力になります。

で、中身を取り出すと、確かにセラミックコンデンサが一つ載っております。これが問題のコンデンサでしょう。

責任病巣

コンデンサは104の表記なので0.1μFです。

テスターを当ててみたところ内部ショートしているのが確認されました。よく見ると中央にうっすらと黒いスジが見えます。ショートして中で焼けてるのかな?

しかしアレですね。セラミックコンデンサなんてそうそう内部ショートするような部品じゃないのに、よっぽど安物の部品を採用してしまったんでしょうか。

交換後

つーことで、パーツ屋で買った普通の0.1μFのセラミックコンデンサに交換しておきました。あとは殻を元に戻して修理完了です。


総評

 てなわけで動作検証。とりあえず普通に認識して、普通にドライバをインストールできて、普通に通信できました。300円の100base、カードバス対応のLANカードならお買い得でしょう。

実はこのカード、メーカーのアナウンスでは不具合のあるロットのリストから漏れていましたが、リスト以外のロットでも同様の症状が発生するものがあるのかも知れません。まぁ、このカードは新品購入ではないので、前オーナーによってメディアカプラだけ交換されてしまった可能性もあり、なんとも言えませんけども。

実はこういう欠陥はジャンカーにとってはありがたい存在だったりします。簡単な補修で直せるジャンクが安く手に入るわけですからね。逆にメーカーはサポートが大変だったろうと思いますが、これに懲りずに節度を持ったコストダウンに励んでいただきたいものです。価格破壊のご時世、モノ作りの人たちは大変だろうとは思いますけど。

このメディアカプラは他社のカードでも見かけるタイプなので、もし同様の症状を抱えたカードがあれば、カプラ内部のコンデンサを疑ってみる価値はあると思います。


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