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〜富士通 BIBLO Lifebook MF8/X を復活させる〜


いつものようにDO−夢のWEBサイトを巡回していたところ、たまたま断続セールをやっており、こんなブツを見つけました。

クロックが600MHzもあればWEB巡回やメール程度の用途であればまったくストレス無く動きそうな感じです。メモリも128MBあれば、WindowsMe程度なら十分ですしね。液晶も12インチながらXGAなので実用性も高そうです。ACアダプタなんかは、富士通の16Vタイプなので、PS2PCなどで使っているやつと同じで、家にいくつかストックしてます。

ただし、HDD欠品で、なおかつフレキ無し、マザー側のコネクタも破損という問題を抱えているのがネックです。今時HDDの無いノートPCなんて使い物になりゃしませんからね。一般人の方にとってはゴミみたいなもんでしょう

この機種には、いわゆる「MF Rage 小基板」と言われるマザーボードが入っているのですが、こいつのIDEインターフェイスについては、noridaさんの「壊してます」ピンアサイン等が掲載されてます。それによると、IDEは0.5mmピッチ50pコネクタ。自前で結線するにはそれなりに高度な配線技術が要求されます。私は以前に同型マザーのIDE結線を経験済みでしたので、これなら復活可能だろうと考え、速攻でDO−夢店舗へ行き、捕獲して参りました。

まぁ、復活に失敗しても液晶、メモリ、ミニPCIカード等はパーツ取りにできますし、このお値段なら損はしないでしょう。


ということで、捕獲してきたブツ。1世代前のMFシリーズと違って、筐体のカラーがメタリックブルーで、トラックパッドのところにスクロールボタンが付いており、チョッピリ進化してます。

筐体サイズはモバイル用途にするにはちと大きい感じ。それもそのはず、この機種には光学ドライブが内蔵できるように作られているんです。

残念ながら、この機体には光学ドライブ入ってませんでしたけど。

トップカバー

トップカバーはそれなりにキズが目立ちますが、お値段考えたら全然気になりませんね。気になるようなら、軽く研磨して塗装しなおせば良いだけのことです(LIFEBOOKのロゴは消えちゃうけど)。

能書き

DO−夢検品スタッフによる注意書き。

まぁ、いろいろ書いてありますが、すべて了解済みで購入です。最近、ジャンク品の安さに惹かれて手を出してしまい、クレーマー化する一般人の方が増えているそうですが、自力でなんとかできない方は買わないように!

ちなみにここには記載されていませんが、バッテリは完全に死亡してました。認識はするものの充電が出来ません。セル交換してまで使い込むつもりはないので、そのうち中身だけ抜き取っておこうと思います。

型番は「FMV-6600MF8/X」ですが、オプションの仕様によってさらに細かい分類があるようです。この機体は、「FMV-8MF8XL6」というのがソレ。富士通のサイトからドライバを検索する際に必要になったりします。

キーボード

キーは一応フルサイズですが、右端の使用頻度の低そうなキーは横幅が狭められてます。「/」「:」あたりはURL入力で良く使うので、ピッチが異なると使いにくいんですがねぇ。個人的には全部のキーが小さくなっても良いので、等幅にして欲しいところです。

ちなみに打鍵した感触は、かなりヘコヘコです。ストロークが浅いのはノートだから仕方ないとしても、パンタグラフが入っていないためか、キーの安定性が甘すぎです。

トラックパッドは、ドライバ入れたらキチンとスクロールできました。電源スイッチ左側の5個のマルチファンクションキーみたいなのはドライバが見つからないので、とりあえず使えなかったり。まぁ、特に用途も思いつかないので、どうでもいいことですが。

かすれ

検品の能書き通り、キーボードにかすれあり。まぁ、この程度なら実用上は差し支えないでしょう。変換キーはともかく、右Ctrlキーなんてあんまり使わなさそうですが…。

側面インターフェイス

一応モバイルノートの位置づけなのか、そこそこ薄型です。標準で装備されているPCカードスロットは1基だけ。その上に見えるスリットは吸気口。音声入出力端子には一応光デジタル出力も付いてます。モデム、EtherNetも標準装備。USBは側面と背面で合計2つ。

ちなみに型番によってはS端子を装備しているものもあるようです。マザーボード(ていうか、グラフィックチップ)自体にその機能があるようなので、内部から信号を取り出せば簡単に改造できそうです。

背面

背面端子はシンプルです。メインスイッチと、USB1基、アナログRGBとACアダプタ入力の他に、IrDAポートが付いてます。

メインスイッチの下に開いているスリットが排気口。この中にファンがあり、回り出すと轟音を発します。ものすごく五月蠅いです。

モバイルマルチベイ

MFシリーズの特徴である「モバイルマルチベイ」ですが、この機体にはPCカードスロットアダプタ(PCMCIA TypeIII x1)が刺さってました。これを光学ドライブに差し替えることも可能ですが、単体で購入しようとすると結構高いんですよね。ヤフオクでもCD−ROMドライブが8000円くらいが相場のようで。

モバイルマルチベイの中にはコネクタが2つあり、一方がPCカード、もう一つがATAPIみたいです。ATAPIといっても、残念ながら専用コネクタなので、テキトーなスリムCD-ROMドライブを買ってきても刺さりません。マウンタに付いている変換コネクタが必要です。ピンアサインなどはHage88さんのサイトに載ってますが、自前で結線するのは容易ではなさそうです。

ちなみにモバイルマルチベイ対応デバイスにはデジカメなんかもあるようですが、たぶん内部ではPCMCIAで繋がっているのだろうと思います。

PCカードスロットアダプタ

こんなのが入ってました。単にマザーボードから信号を取り出してPCカードスロットにコネクタ変換するだけのものです。

内部は↓みたいな特殊コネクタで繋がってます。

ミニPCI、メモリスロット

DO−夢のジャンクノートのいいところは、拡張パーツがそのまんま入っていることが多いことですね。

この機体ではメモリとミニPCIカードがそのまんま入ってました。

メモリは144p SO-DIMM PC100 CL2の128MBでした。これだけでも3000円程度の価値はあります。

入っていたミニPCIカードは、インテルチップの載ったモデム・LANのコンボカードでした。

その気になれば無線LANカードに差し替えて無線化することも可能ではあります。アンテナをどうにかしないとならないけど。

ポートリプリケータ

この機体に付属していたものではありませんが、以前にMF基板を弄るために購入していたポートリプリケータ(コネクタボックス)が役に立ちました。FDDも繋がるので、HDDが無くてもとりあえずFDからOSを起動することができます。

ちなみにMFシリーズ用コネクタボックスにはLANコネクタが付いているバージョンと無いバージョンがあります。これは付いてる方。その他に引き出せるインターフェイスは、PS/2キーボード、マウス、アナログRGB、シリアル、パラレル、USB、ACアダプタ入力です。AC、USB、LAN、RGBは本体にも出ているコネクタと並列で繋がっているだけなので排他利用です。

電源投入

とりあえず電源を入れてBIOSに入ってみました。CPUクロックもメモリ容量も正常に認識してます。

LCDについては、TFT液晶とはいえ旧世代のTN方式なので、発色や視野角はそれなりです。最近のLCDと比べるとどうしても見劣りしてしまいますね。液晶自体はバラしてないので型番分かりませんが、コネクタの信号配列を見た感じではLVDS 1ch 6bitのようです。

DOS起動

テストとして、FDからDOSを起動してみました。普通に動きます。HDDさえ繋がれば普通に使えるWindowsマシンになりそうです。

ということで、動作チェックは問題なし。いよいよIDE結線に取りかかることにします。


怒涛のIDE結線(1列目)

まずは2mmピッチの44pのピンヘッダコネクタ(千石電商で購入)を用意し、筐体に入れた状態をシミュレートして、コネクタとマザーの位置を決定しました。マザーを取り出してこんな感じに紙を貼り付けて、そこにコネクタを両面テープで張り付けて動かないように固定したら後はひたすら結線表に従って配線です。

0.16mmのポリウレタン線で、まずは外側の一列目から攻略しました。最外側の+5Vのみ、太めの被覆線で繋いでます。ちなみにIDEを結線する際にはワイヤーを等長にしたほうが良いらしいのですが、ATA33程度なら多少長さが違っても、実際は問題ないみたいです。

0.5mmピッチ

ここには元々壊れたコネクタが載っていたのですが、例によってサンハヤトの面実装IC取り外しキットで綺麗に剥がしてます。ここはうっかりパターンを剥がしてしまうと信号を取り出すのが極めて困難です(不可能に近い)。悪いこと言わないから、取り外しキット買っとけ!と言う感じです。

半田付けのコツは、あらかじめフラックスをタップリ使って、パターンに半田がややこんもりするように載せておき、そこに先端を半田メッキしたポリウレタン線を載せて、先細のコテでパターンのはじっこから加熱するという感じです。付いたと思ったら軽く引っ張って取れないかどうかも検証しましょう。

二列目

一列目が終わったら二列目の配線ですが、その前に一列目の絶縁処理をお忘れなく。私は半田付けの終わったパターンの上に両面テープを貼って、さらにメンディングテープでサンドイッチにしました。
絶縁処理

拡大するとこんな感じになってます。一列目の半田むき出しの部分が二列目のワイヤーに接触しないようにしてます。一応ポリウレタン線は皮膜があるのでワイヤー同士が接触しても導通はしないようになってますが、半田付けで加熱した部分の近くは皮膜が溶けたり薄くなっていたりするので、ある程度の絶縁対策は必要です。
配線完了!

二列の配線が終わったら、一列目同様にテープで保護しておきました。

IDEコネクタの部分も、ポリウレタン線の皮膜が弱くなった部分で接触しないようにメンディングテープでサンドイッチしています。

ちなみにこの配線作業の所要時間ですが、休憩入れておよそ3時間かかってます。

取り付け

ということで、マザーを筐体に戻して2.5インチHDDを繋いでみました。あらかじめシミュレーションしてますので、位置関係もバッチリ決まってます。

ちなみにHDDは東芝20Gドライブ(貰い物)を入れてます。破損クラスタがあるのでお蔵入りさせていたものですが、クラッシュしても問題ない用途で使えばOKでしょう。

一応絶縁しておく

大丈夫だとは思いましたが、一応紙挟んでHDDとワイヤーの絶縁処理しておきました。

あとはカバーを被せれば完成。


キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!

無事にHDDを認識し、WindowsMeもインストールできました。

ドライバ関係は富士通のサイトからダウンロードしました。必要なものは法人ユーザー向けのサポートページに揃ってます。マルチファンクションキーみたいなもの以外は全て正常に機能しました。


総評

1万円以下で、そこそこ使えるノートPCが手に入っちゃいました。

当初はDVD-ROMドライブ内蔵させてポータブルDVDプレーヤーもどきとして使えないかなぁと考えていましたが、ちょっと負荷かけるとファンが回りだして轟音を発するので、DVD再生用途には向かないみたいです。試しにPCカード経由でDVDドライブを繋げてムービー再生させたらアッと言う間にファンが回りだし、とても鑑賞に堪える状態ではありませんでした。ファンは温度制御されており、無負荷状態なら静かで良いのですが…。

壊れかけのHDD使ってますので、仕事なんかには使えませんが、ネットサーフ程度なら問題なし。WEB閲覧専用端末として余生を送らせることにしました。

ちなみに、この機種が新品で店頭に並んでいたとして、欲しいかどうか聴かれたら、私は「欲しくない」です。理由はキーボードがヘコヘコで打ちにくいですし、ちょっとした負荷で轟音ファンが回りだし、五月蠅くて常用してられないから。メーカーにはそのあたり工夫して欲しかったですね。


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