「プロアクションリプレイ」って知ってますか? プレステやサターンの拡張端子に接続し、裏コードを入力することでゲームを最強でプレイしたり最初からアイテムフル装備にしたり、何があっても絶対死なないように改造したりすることが出来るなかなかナイスなアイテムです。「仕事が忙しいけれど、ゲームのおいしいところだけはしっかり楽しみたい」という多忙かつワガママなビジネスマンや、「やりたいゲームがたくさんあっていくら遊んでもキリがないぜ!」っていう朝から晩までゲームばっかりやってる人には最適でしょう。あと、「すぐ死んだりしてまるでゲームにならないクソゲー」をいじって楽しむというちょっと曲がった使い方もイイ感じです。 |
まぁ、詳しいことを知りたければ「プロアクションリプレイ」または「PAR」でサーチ掛けてくださいな。「プロアクションリプレイ」だとYahoo!で一件しかヒットしませんけど。
さて、このPARですが、日本ではカラットという代理店が取り仕切っています。しかし、香港や台湾といったアジアではこれの亜流が数多く作られていて、代表的なのでは「GOLD FINGER」や、「アクショNリプレイ」とか。どうでもいいけど「アクショN」って何よ「アクショN」って(笑)。これら亜流(っていうかハッキリ言ってパチモンなんですが)は、当然ライセンスを受けている訳ではないでしょう。まぁ、ハードウエアそのものには著作権がないし、入っているBIOSもフリーのサエラをパクったやつなので、ギリギリセーフなのでしょうか。
今回は亜流プロアクションリプレイのBIOSの書き換えネタです。今回もいろいろと落とし穴があって楽しませて貰いましたよ、ええ。
PARの基本的構造 さて、BIOSを書き換える前にPARの基本的構造を学習しましょう。
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あきばお〜にて99年暮れに購入。2800円くらいだったか。 中央のEEPROMが心臓部。ATMEL社の2Mbitのもの(実はこれがクセモノ)。その他ロジックIC、GAL1つとトランジスタ、抵抗、コンデンサ、PSと繋ぐコネクタ、PCと繋ぐコネクタが載っている。半田付けレベルは相当低く、作りがかなり粗雑。チップの足は片側が浮いているし、部品の足くらいきちんと切れって感じ(赤丸部分)。粗製濫造の印象は否めない。 プロアクションリプレイのプログラムはこのEEPROMに書かれており、PCとリンクボードを介して接続することでBIOSの書き換えが可能。書き換えメカニズムはPC端子にPCリンクボードを繋ぎ、PCからPSに書き換え用のプログラムを転送し、BIOSデータをPSに送信して書き換え。つまり、実際に書き換えの作業をするのはPCではなくてPSです。よって、PCのBIOS書き換えのように、BIOSが自己書き換えするようなもので、うかつに書き換えると元に戻せなくなる可能性もあります。実際一度書き込むと書き換えができなくなるBIOSもあります。あなおそろしや。 |
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コンソールセブンにて99年6月購入。1980円と何故か激安だった。このころは「MOD法案」が施行されておらず、このPARにはMOD機能が載ってたりした(なにげに過去形)。MOD機能ってのはバックアップCDを動かす機能。訳あって現在はMOD機能は封印されている。 作りは上のGOLD FINGERより良く、載っているEEPROMはSST社の2Mbitのもの。ご丁寧にICソケットに載っており、取り替え可能。これはユーザーサポートを考慮してか? なにげにケースがシースルー。意味もなくiMACを意識したか? ちなみに半田付けレベルは合格。 |
とまぁ、メーカーによっていろんな作りをしているわけです。使っているEEPROMの種類によって、フラッシュメモリへの書き込みの手順が異なることがあり、完全な互換性を持っているわけではないですが、基本的な構造はどのPARでも同じようなものだと思います。
BIOSの種類 ま、大まかに分けると、純正のアクションリプレイ、サエラ系統に2分されるでしょうか。サエラは優れたBIOSなので、アジア各国のパクリPARメーカーによって、勝手にカスタマイズされたパチモンが数多く存在します。
純正Action Replay
純正なのは良いのですが、かなり使いにくいです。PSの起動ロゴも飛ばせない、文字が小さくて見づらい、英語なのでわかりにくいと、不便極まりなし。日本人なら四の五の言わずに下のサエラを使うべき。
サエラ(Caetla)系
この「サエラ」がオリジナル。起動時にウザいPSの起動ロゴを出さずに高速起動出来るなど、純正アクションリプレイより数段上を行く性能と使い心地。漢字にも対応している。英語版やMODを装備した「パクリもの」が多い。ちなみに「サエラ」はK.comm氏が作成したフリーのBIOS。無断リンクが禁じられているのでこのBIOSが欲しい人はサーチエンジンを駆使して自力で探して下され。
MODリプレイ 広い意味では、PARにMOD(Modify)機能が付いたもの。狭い意味では「MOD Replay」というPARの亜流BIOS。MOD機能の付いたモノは99年9月に施行された「不当競争防止法案」によって売買の禁止がされてしまいました。しかし、売買はできないものの、開発、製作は「技術の向上に繋がる」とのことで認められているようです。「無きゃ作れ!」というのを信条としている私が作らないわけにはいかないでしょう(笑)。
ちなみに、「あきばお〜」で99年年末に売られていたEMS社の「GOLD FINGER」のパッケージにはこう記されています。
な、なにぃ〜!!? なんと、大胆にも「MOD入ってます」だって。既に不当競争防止法案は施行され、MOD機能付きのブツを売買するのは犯罪行為であるにも関わらず! 「正義感あふれる」私(笑)はフンフンと鼻の穴を広げて、こう店員に詰め寄りました(ウソ)。
オレ:「ここにこう書いてあるけど、これって本当ですか?」
店員:「・・・・」(無言で手をバッテンの字に組む)
オレ:(むぅ、なんか意味深な行動だぞ・・・)「入っているんなら10個買いますぜ、旦那ぁ(ウソ)」
店員:「いや、BIOSを書き換えているので・・・」
ということで店員の話では「入っていない」ということでした。たくさん買う(ウソ)と言っても乗って来なかったところを見ると本当にMOD機能が無いのかも知れません。しかし、「正義感あふれる」私(笑)はイマイチ疑念を払拭しえなかったので1つ買って実際に試してみることにしました。
BIOSは巷にあふれるサエラ(Caetla)のパクリの一種。HAPPY PLAY だって。なんかアタマ悪そうなネーミングですが、まぁいいでしょう。 |
さて、問題のMOD機能ですが・・・・。
ガーン(笑)、付いてナーイ! すみません、少しでも疑った私が悪かったです、あきばお〜さん、あなたは悪くないです、確かにアナタは正しい商売をしてました。
しかぁし! そんなことで引き下がる私ではないのであった。「無きゃ作れ」を信条としている私は、ヨドバシカメラ札幌店で見つけたこんなものを購入しました。
コムズリンク互換ボード
「GameLink インターフェースボード」 2980円ナリ パッケージによるとコードサーチ、セーブデータのバックアップ、裏技アダプタのバージョンアップ、ゲーム開発(マジ?)が出来るんだそうな。でもこれ使ってPSのゲーム開発する人っているのかな? ちなみに純正のコムズリンクボードは高いです。6〜7000円くらいします。テキトーに書き換えるだけが目的なら非純正で十分。ただし、落とし穴あり。 |
セット内容はISAバスに挿すリンクボードと、PARと繋ぐリンクケーブル、そしてリンクソフト(PS、SS、GB、64対応)のCD−ROM。マニュアルはCD−ROMに入っているオンラインマニュアルのみ。 ちなみにボードは割と簡単な作りで、GAL1個の他は、普通のロジックIC3つと抵抗とコンデンサのみ。GALのソースさえあれば個人レベルでも作れそうな回路です。しかし、アレだ。今時ISAですよ、ISA。最近では物理的に挿せないPCも多いから、PCIにして欲しいなぁ。USBだとなお嬉しいけど。 ケーブルはD−SUBの25ピン、オスーメスです。これがクセモノ! 長さは1.5m。 |
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全然ダメです。とりあえず附属のリンクソフトを使って例のGOLD FINGERを書き換えようとしたのですが、BIOSの読みとりは可能なのですが、書き込みができません。
そこで、一旦GameBlaster PRO で試してみることにしました。PSに刺さっているPARを差し替えて、電源オン!
つまり、書き込み待機状態で止まっているところに正常に読み書きできるPARを繋げて電源を入れた瞬間、通信が成立してしまったようです。しかも書き込みとして指定していたファイルはたった今吸い出した「HAPPY PLAY」のBIOS。がーん!!泣くに泣けねぇ!!今となっては貴重なMOD機能付きのPARのBIOSをフっ飛ばしてしまったわけです。まぁ、自分としてはPARのMOD機能は使ったことないので、無くても困ることは無いのですが・・・。せめてBIOSをバックアップしてから書き換えられれば良かったのですが、もう失われたBIOSと長い時間をかけてせっせと入力した改造コードたちは永遠に戻ってくることはないのです。嗚呼、合掌。
とりあえず、リンクボードと、GameBlaster PRO は正常で、これらの組み合わせであれば自由にBIOSを読み書きできるようです。HAPPY PLAYが2つあってもしょうがないので、とりあえずこいつは本家の「サエラ」に書き換えてこの日は作戦を終了。
後日改めて、サエラのBIOSをいじってみようと、例の書き変わってしまった元GameBlaster PRO をリンクボードに繋げてデータの送受信を試みました。しかし・・・・。いくらやっても正常に書き込めません。先日はあんなにトラブル無く何度でも書き込めたのに。も、もしや、調子に乗って書き換えているうちにBIOSがおかしくなったのでは!?
ネットで情報を集めると、おかしくなったPARを書き換えるためには以下の方法が使えることが分かりました。
1)正常に読み書きできるPARを挿してPCとの通信を成立させ、BIOS書き込み直前の状態で待機 2)PSの電源を入れたまま書き込めなくなったPARに差し替える 3)書き込み作業を続行し、書き換え完了 |
すなわち、正常なPARを使ってPS本体へ書き込みプログラムを転送し、あとはゴーサインとデータをPCから送信するだけという状態にしてから異常になったPARを差し込んでBIOSを書き換えるという手段のようです。
しかし、GOLD FINGER は相変わらず書き込みに応じませんし、GameBlasterPRO も書き込めないとなるとこの方法は使えなくなってしまいました。
この日はこれ以上どうすることも出来ず、作戦中断。もはや、元GameBlaster PRO もGOLD FINGER もどちらもダメダメじゃん・・・。もうどうしようもないっす。泣きたいっす。リンクボードなんて買わなきゃ良かったかも・・・。
後から分かったのですが、書き換えができなくなったPARを書き換える方法は他にもあります。Ez-O-Ray という書き換えプログラム転送ソフトをCDに焼き、PSで起動させるという方法。具体的なやり方は改造まにあへ行って調べてみましょう。
日々ネットで情報収集にいそしんだ結果(およそ2ヶ月)、あきばお〜のGOLD FINGERは製造元にBIOSデータと書き換えプログラムがあり、使っているEEPROMが特殊ゆえ、この製造元の専用プログラムでしか書き換えられないという情報が得られました。
その他、ゲームテックのリンクボードに添付のケーブルの品質が悪いことが多く、1.5mと長すぎるために通信エラーが頻発することがあるという情報もキャッチ。
ケーブルに関しては、初回使用時はうまく読み書きできたので、ケーブルが犯人だという確信はありません。ですが、念のため、切りつめることにしました。
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全長150cm→50cmになるように切断しました。 |
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まずはワイヤーストリッパーで皮むき。ついで、全てを半田メッキ。このワイヤー、さすがに安物だけあって、被覆が耐熱じゃないです。半田コテでみるみる溶けます。ついでに言うと、このケーブルはシールドされてません。そのせいで周りからノイズを拾って通信できなくなってしまうのでは? |
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セロテープで絶縁しながら一本一本丹念に半田付け。25本もあるもんだから、ビニール線も似たような色が多くて間違えやすいです。同じ色のストライプあり/なしとか。実は途中で2本間違えてて泣きました。気づいた時にセロテープを剥がして直してまた巻いて・・・・。 |
ようやく25本の半田付け終了。所要時間1時間ほど。この手の作業は久々なので結構疲れました。仕上げにセロテープでぐるぐる巻きに。 一応テスターで導通を確認。OKでした。 |
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ジャンク箱に余っていたフェライトコアを接合部に取り付けたら綺麗に仕上がりました。ノイズ対策にもなるし一石二鳥でしょう。 |
結果・・・ ウソのように快適に読み書き出来るようになりました。ほんと、ウソのようです。なにしろ初回使用時は全く問題なく読み書きできていたのですから。一体なにがどうなってケーブルがダメになったのか分かりません。内部で断線するほど曲げたりはしてませんし。まぁ、長すぎる割にシールドされていないことが主な原因なんでしょうけど。ケーブル品質って恐ろしいですねぇ。
Game Blaster PRO は「サエラ(本物)」の書き換えと、新しい改造コードの書き込みを行い、GOLD FINGER はEMS純正のBIOSを専用書き換えソフトで書き込みます。この純正BIOSってのは専用のライティングソフトでのみ可能です。私が書き換えたときのファイルは「psgf211.zip」。メーカーによると、
PS GOLD FINGER V2.11 19/08/99
This program is for PS GOLD FINGER 2M card ver 2.1 (only for ver2.1 or ATMEL 2M FLASH ROM use).
*** Add mod chip function and all code(jap/use/uk).・・・だそうです。メーカーページにはEEPROMのメーカーによって2種類のBIOSがあるので、自分のPARのEEPROMのメーカーは分解して確認しておく必要があるでしょう。間違ったBIOSを書き込もうとしたらPARが死亡するかもしれませんし。(たぶんそれ以前に書き込むことが出来ないだろうけど)
ちなみに、このアーカイブ「psgf211.zip」を展開すると、
COMPPSX.EXE 13,408
98-04-21 16:30
改造コード書き込みプログラム UP2MAT.EXE 32,160
98-06-19 10:37
BIOS書き込みプログラム FLASHAMT .ROM 4,476
99-08-03 14:38
BIOSフラッシャー(ATMEL専用) AR.ROM 262,144
99-09-01 16:44
BIOS本体 ・・・の4つのファイルが抽出されます。COPMPPSX.EXEはGOLD FINGER に改造コードを書き込むプログラムのようですが、なにやら制限も多いみたいなので今回はパス。問題は下3つのファイルです。UP2MAT.EXE が書き換えプログラムなのでこれを実行するのですが、こいつはUSモードのDOS専用なので、DOS窓なりで「us」を実行してUSフォントの環境でやんないと画面が真っ青になって一見暴走風になります。あと、これらのファイル群は日本語を含むパスに存在するとまずいみたいです。「ファイルが見つかんねーぞ、コラァ!(By英語)」と怒られます。適当に「c:\gf」とかにフォルダを掘って入れておけば良いでしょう。ちなみにUSモードから日本語環境には「jp」で戻せます。USモードであれば、とりあえずDOS窓でもDOSモードでも動くみたいです。また、多少DOS窓を使わないとならないので、DOSプロンプトを使えない人は書き換えを諦めましょう。どうしても書き換えたければDOSを勉強しましょう。
起動に成功すると、メニューが現れて、使っているリンクボードのI/Oが設定できるので、ここをハードウエア的に設定してある値を選択します。PSの電源は切っておき、書き換えの命令をPCに与えると、待機状態になります。そこでおもむろにPSの電源を入れると、プログラムがPSへ転送され、ついでBIOSが転送されて書き換えが終了します。もし、ランタイムエラーが出てUP2MAT.EXEが起動出来ない場合は、あきらめましょう。私は3台のPCで書き換えを試みましたが、なぜか一台でしか成功しませんでした。残り2台はRuntime errorと怒られて書き換えプログラムがまったく動きませんでした。原因は不明。対策も不明。分かる人、教えてください。
さて、書き換えに成功して、PSをリセットすると・・。 おぉ! これぞまさに、GOLDEN FINGER!! さらばHAPPY PLAY ちなみに、AR.ROMがBIOSなので、これを別のBIOSファイルと入れ替えてしまえば別のバージョンのBIOSも書き込めると思いますが、テキトーなBIOSファイルを無闇に書き込むのはやめておいた方が良いでしょう。なぜならATMELのEEPROMの書き換え方法にBIOSが対応していないことが考えられるから。たぶん、書き換えには成功するでしょうが、改造コードの入力ができなくなると思います。怖くて試してないけど。
ちなみに最初から書き換えるつもりでPARを買うのなら、このEMS社のものはハッキリいってお勧めしません。EEPROMが特殊で書き換えが困難だから。今回はこの特殊性ゆえ、書き換えに苦労させられましたからねぇ。新たに買うならカラットから出ている「PAR2攻略ナビLight」あたりを買った方がマシでしょう。お値段も2800円とリーズナブルだし。
ところで、このGOLDEN FINGERですが、肝心のMOD機能は!? ご想像にお任せします(爆)。
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プロアクションリプレイの書き換え総合情報サイト。かなり充実したコンテンツ。お勧め! |
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かなりの数のPARのBIOSが登録されている。かなりヤバめ。書き換えは慎重に・・・。 |
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