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〜Panasonic VTR NV-H30L 紹介〜


Panasonic VHS Hi-Fi Video NV-H30L

今回のデッキは比較的新しい作品。松下のNV-H30Lです。最大の特徴が本体内蔵の2.3インチカラーLCDモニター。とはいえ、S-VHSでもないタダのHi-Fi機であり、大した用途は思いつきませんが、この変態性に惹かれて狩ってしまいました。オークションにてほとんど使っていない動作品ってことで本体のみで5000円。使い道もないのに、バカです、自分。

当時(1996年)のカタログから。ちなみに画像クリックで拡大窓が開きます。定価は6万円だったらしいです。Gコード、SQPBにも対応してます。それにしても、このカタログでははめ込み合成のLCD画面が妙に綺麗です。こんなに綺麗に映るのか、と思いきや…。

現実はこんなもん

ぐはぁ…所詮2.3インチのSTN液晶です。この程度の映りです。まぁ、映っているかどうかの内容をチェックできるという程度で、「鑑賞」に堪えるような画面ではありませんな。当時はまだ液晶がそんなに安く無かったですからねぇ。それにしてもSTN液晶は汚いですねぇ…。せめてTFTにしてくれっての。
液晶OFF可能

バックライトは劣化しやすいですし、画面がウザいこともあろうということで、液晶OFFに出来るスイッチが付いています。こういうところは好感が持てます。画面の明るさも一応2段階設定できます。この時代のこのクラスにも関わらずヘッドフォン端子が付いているのは有り難いかも。昔のHi-Fi機では当たり前でしたが、96年の作品あたりですと、ヘッドフォン端子なんて高級機にしか付いてませんから。
背面端子群

ただのHi-Fiデッキですので、背面端子もシンプル。入出力はいずれも1系統のみ。松下デッキにしては少ない方ですが、LCDがある分、出力は1系統で十分という考えでしょうか。
内部の紹介

今回のブツは動作品でしたが、一応内部を紹介します。とりあえずトップカバーを取ってみました。ネジ2本で外れます。中から現れたのはGメカの次世代メカであるところの「Kメカ」です。世代的にはGメカの後なのですが、残念ながら耐久性、信頼性、応答性においてGメカより劣るメカです。とはいえ、アルミダイキャストベースであることはGメカから引き継いでおり、この時代の他社製品よりは良い作りです。

基板の構成もシンプルで、メイン基板がメカの下に一枚あり、電源基板があるのみです。バブル時代と比べるとかなり集積化がされているようで。

ヘッドまわりもGメカの時代とかなり形が変わっています。このアッパードラムはどうやって取り替えるんだろうか…。半田を外すところが見あたらないんですが…。もしかすると上下シリンダ丸ごと交換?

ちなみにこのモデルのヘッドは「スーパーフェライトヘッド」って言うらしいです。廉価モデルなのでかつてのバブルデッキで採用されていたようなアモルファスヘッドではありません。

Kメカを斜め上から覗いています。ヘッドやピンチローラー、ヘッドクリーナーなどはほとんど汚れたり摩耗したりしておらず、ほとんど使われていなかったという情報は本当のようです。ホコリも貯まっておらず、メンテナンスの必要は無しと判断。
LCD制御部
LCDの裏側です。おそらく制御基板と思われる基板からフレキケーブルでLCDモジュールに繋がっています。高圧注意とシルク印刷されている基板はバックライトのインバータ回路でしょう。通電中に高圧部に触ると皮膚が焼けるので要注意です(経験者)。

電源基板

電源はスイッチング電源が一枚と非常にシンプルです。バブルデッキではスイッチング化されていても厳重なシールドケースに収められていましたが、このデッキではまったくシールドされていません。
未実装のパターンが…

メイン基板上にはなにやら未実装のパターンが散見されます。
PAL CONV PACKとか、FM AUDIO PACKとか書いてありました。PALコンバート可能なモデルも出すつもりだったのでしょうか。このデッキはHi-Fiモデルのはずですが、FM AUDIO PACKが未実装というのはちょっと謎。

顔とFL管

FL管もいたってシンプルです。音声レベルメーターなんていうのはもうありません。「右」「左」のランプだけです。ちなみにこの時代の内蔵時計はバックアップ電池があるので電源を長期に抜いていても動き続けるのが特徴です。カタログによると、工場出荷から約5年間は大丈夫という触れ込みのようです。


総評

ということで、一通りご紹介しました。このデッキは購入後使い道も無いのでしばらくジャンク部屋に眠らせていたのですが、今回、実家でビデオのダビングをしたいという要求がありましたので里子に出すことにしました。実家にはHi−Fiデッキしかありませんし、モニターも付いてますので、ダビング用途には最適かと思われます。


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