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〜ジャンクなドリキャスを修理する〜


 SEGA Dreamcast(三号機)

上から

一号機

二号機

三号機

 某オクでたまたまジャンクをキーワードにDCの出品をチェックしていたところ偶然発見。なんと、開始価格500円で希望落札価格1000円の超出物! もちろんジャンクの不動品ですが、某オクではジャンク機でも3000円程度で取り引きされているDCなのでお買い得なのは間違いなしです。送料、振り込み手数料などの諸経費を考えても気軽に入手できる金額でしょう。ということで、速攻で1000円にて入札。瞬殺でゲットしました。ちなみに出品されてから10分での落札で、あまりの高速な落札に、出品者の人も驚いていました。

この機体の出品時の情報としては、「購入して一年半」、「突然動かなくなった」、「本体+電源ケーブルのみ」ということでした。ま、壊れ方がどうあれ1000円ならば無条件ゲットですがね。

今回の入手も3000番台ということで初期のリビジョンのようです。同じ3000番台とはいえ、私が入手した1〜3号機はすべて違う工場で作っているようです。今回の工場コードネームは「SEIYO.D」。確かサターンなんかも作っていたところです。

工場が違っても「サービスマン以外の方は云々」などと、相変わらず抜かしてやがります。ハイハイ、分かりましたよ(全然分かってない)。

割と程度良いじゃないっスか!

さて、本体ですが、今回の機体は程度極上。非喫煙者のユーザーに使われていたようです。ホコリの具合から考えても一年半使ったにしては使用頻度は低かった物と思われます。ピックアップも綺麗でした。

さて、早速動作確認しました。CDを入れて電源入れて見ると、ランプ点灯、スピンドルモーター回り、レーザー出力され、レンズが上下し、CDを認識しようと頑張っているようですが、うまく行かない模様。こういうときはピックアップ系統の問題だと思われます。


故障状況の検証

ということで、前回復活を見送った二号機のピックアップとニコイチしてどこが逝かれているのかを検証しました。こういう故障は単体で故障部位を特定するのは難しいからです。まずはピックアップレンズの部分を移植したり、そこについている半固定抵抗を回してみたりしたのですが、症状改善せず。ちなみにドリキャスでは半固定抵抗で調整できるのはこの一カ所だけのようです。

ニコイチ診断&修理

電源を入れたときに、サーボモーターが動かないことがある(動くことのほうが多いが)ということに着目し、テスターでモーター両極の抵抗値を計りながら手で回転させてみました。ゆっくり回してみると、なぜか0Ωになることがあるようで。これってまずくないですか? 0Ωなんてあり得ないような気がします。責任病巣はここかな?と思って、サーボモーターを2号機から移植してみました。

すると、きちんとCDを認識するじゃないですか。どうやら死んでいたのはこれだったようです。

ちなみにスピンドルモーターの抵抗値を計ってみたところ、前回の2号機のものは回している内に0Ωになることがありました。2号機のモーターコントロールICが焼けたのは、たぶんスピンドルモーターの故障が原因だったと思われます。回すとカラカラ妙な音がするので気になってはいたんですよね。

フレキケーブルの取り付け方

ちなみにこのピックアップのフレキを取り付けるときには、このような状態で行う必要があるようです。レールに取り付けてからでは、隙間が狭くてフレキを痛めずに取り付けることが難しいと思います。フレキを付けてからレールにはめ込みましょう。

ちなみに2号機のレンズ部分をテストしてみましたが、問題ありませんでした。やっぱり壊れているのはスピンドルモーター系のみ、のようでした。


総評

 とりあえずテストとして、ブートCDver1.2からDCMP3(mp3プレーヤー)起動させて3時間くらい再生させていますが、問題なく動いているようです。我が工房に唯一存在するDCゲームであるところの「シェンムー」の3Dムービーも問題なく再生できましたのでこれにて修理完了としました。それにしても本体3台目なのにソフト1本かよ>オレ。

 結局3500円で買ったセットのドリキャスよりも今回の1000円で買ったものの方が壊れ方も軽微で程度も良く、そう難しくなく直すことが出来ました。前回の機体と合わせて1セットの完全なドリキャスが手に入ったということになりますが、合計金額4500円+送料x1+振り込み手数料x2=6500円くらい掛かってしまっており、よくよく考えると今は新品が9900円で売られているご時世であり、なんとなく得したような気にならないというかなんというか…。まぁ、中古でもそれなりに高値で取り引きされていることが多いようですし、一応中古で1000円程度のビジュアルメモリも付いているのでワンセットの中古の入手に5500円相当といったところでしょうか。まぁ損はしていないと思うことにします。

 ところでニコイチして余った方のドリキャス(二号機)ですが、結局壊れている部分としては、サーボモーター、スピンドルモーター、モーターコントロールICの3カ所がダメという予想です。いずれも単体での入手は絶望的であることを考えると、無理してパーツを入手して復活させようとしないで保守用部品取り機としておくのが無難かも知れませんねぇ。これらの部品が手に入れば直ることはほぼ確実なんですが…。ちなみにいつも部品を買っているなじみの家電店にパーツ調達を頼んでみたんですが、セガの製品の部品は取り寄せできないとのことでした。メーカーが売ってくれないので仕方ないのです。地球に厳しいぞ>セガ。クソ。

 ところで、いわゆる「ニコイチ」の考え方ですが、私はニコイチして廃棄する機体が出来た時点でそれは敗北と考えています。やっぱり2台は1台でなく2台でしょう。診断のためにニコイチすることはよくやっていますが、単なる部品取りにしたことはほとんどありません。まずは単体修復を試み、どうしてもダメならニコイチ診断、それでも救い切れない場合の最終手段としてニコイチがある、というのが私の考え方です。さらにどうしようもない場合はメーカー依頼ですが。

 関係ないですが、DCのジャンクも弄ったことだし、そろそろPS2あたりのジャンクを弄ってみたいような気がします。どこかに落ちてないですかねぇ…。PS2ってまだ高いし、別にやりたいゲームも無いので新品で買う気に全くなれないんですよ。しかし、ガワ開けただけで「保証期間内外や有償無償かわらず一切の修理お断り」なる非常に素敵なシールが貼ってあるそうで、余計中身を見たいという気持ちが猛烈に高まってきています。是非ともジャンク機をバラしてみたいですね。PS1のPUみたいなザコい設計してやがったら徹底的にこき下ろしてやるから覚悟しておきたまえ>ソ○ー(爆)。あぁその日が楽しみだ(笑)。


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