にがAV

〜ドリームキャストカラオケ、買っていきなり分解!〜


 SEGA セガカラ for ドリームキャスト

 セガカラオケのドリキャス版である「ドリカラ」。たまたまドリームキャストダイレクトを覗いてみたところ、特価4980円で販売されていたので思わず購入してみました。使いたいっていうよりも中身とか見てみたかったんで(爆)。まぁ、私は元音楽サークル所属な人間なんで、カラオケは嫌いじゃないです。ただ、自宅でやると、ご近所の迷惑になるような気がしますけど。

ちなみに使いたい場合は、30日使用権なら2000円、一泊二日なら800円、当日限りなら500円で購入します。決済方法としてはクレジットカードも使えるようですが、私はクレカを持たない人間ですし(※持てない訳じゃないです)クレジットカード番号をネットに流すというセキュリティ意識が低い行動は嫌いなので、ここは安全なWEBマネーを使用することにしました。一泊二日の800円ではよくわからないうちに期限が切れるので、ここは30日2000円ですかね。WEBマネーはコンビニのサンクスでゲット。全国のサンクスで買えるようです。今見たらジャパンネット銀行の口座引き落としでも買えるらしいです。これは使えるかも。普通のWEBマネーはプリペイドカードになっており、裏側にスクラッチ部分がついていて、そこを削ると暗証番号が出てきます。これをドリカラサーバーに接続して入力すれば使用権の購入が完了。ちなみにドリカラを使うにはイサオネットに登録しないとダメです。私はこのためにドリームパスポート for PCを使ってPCにてイサオのIDを取得しました。IDを取得して維持するだけなら無料です。登録は結構面倒くさかったです。

付属品としてマイクが一本、セガカラ接続ソフトが一枚、そして本体との信号をやりとりするケーブル(これがザコ:後述)と、取り説と曲番入力用の歌本がありました。歌本は簡易的なもので、アーティスト順にしか検索できません。曲名サーチは不能。マイクはDreamcastロゴ入り中国製、インピーダンスは600Ω。


接続方式

ドリカラとの配線は、本体から出た信号を一度ドリカラに入れて、さらにドリカラから信号を出すような形式になっています。

そのため、DC本体とドリカラへ信号橋渡し用のケーブルが付属しているんですが、これがザコなんです。なんと、コンポジットビデオと音声LRしか結線されていません。S信号もVGA信号もソフト自体は対応しているのに、ケーブルがザコなばっかりに使用に制限が発生しています。ドリカラの説明書にはS端子やVGAが使えないことが明記されていますが、単なる接続ケーブルの問題なんですねぇ。

そこで私は、VGAアダプタ(非純正)とAVケーブルx2を使ってVGAでも使えるようにしました。こんな感じにします。

音声:DC本体→VGAアダプタ→ドリカラ→アンプ
映像:DC本体→VGAアダプタ→VGAモニタ、あるいはSモニタ

これでVGAモニタでもドリカラが使えます。それにしても添付のケーブルがザコなばっかりにVGA不能だなんて、マヌケですねぇ…。何考えてるんだ、セガよ。

外観

ちなみにドリカラ本体はこんなスタイルです。右側にある拡張ポートへ差し込む部分はベースと一体になっています。天板の金属プレートの出っ張りが本体に噛み合うようになっており、DC本体を上からあてがって横にスライドさせれば固定完了。

前面にはマイク端子1&2とそれぞれのボリウムツマミがあります。


固定用穴

本体側のこの4カ所と噛み合うようになってました。この穴はそういう目的で付いていたものなんですねぇ…。
側面

して、ネットへの接続ユニットは外付けになっています。ここにDC本体付属のモデムユニット、あるいは別売りのブロードバンドアダプタ(BbA)を差し込むことでドリカラサーバーと接続します。我が家ではBbAで接続しています。
レッテル

ASAHI Electronっていうところが造っているようです。相変わらず「サービスマン以外の方はネジを…」等と抜かしておりますが、高圧部分なんて電源ユニットにしかないのは分かってますし、触れちゃいけないところも知っていますので容赦なく開けます。
トップカバー除去

トップカバーを開けると大きなシールド版がありました。左側にはスイッチング電源ユニットがあります。右側には拡張ポートのコネクタが固定されています。ちなみにこの筐体ですが、以前アイオメガ社と協同開発されていたDC用のZIPドライブの筐体が流用されているという噂です。結局ZIPドライブは世に登場することなく消えていった幻のデバイスですが…。

拡張ポート

コネクタはこんな感じになっていました。2本のフレキでメイン基板と接続します。
その基板

その基板はこんな感じで至ってシンプル。信号の受け渡しとノイズフィルターの役目程度でしょうか。
メイン基板

メイン基板を取り出してみました。おそらくこの基板でやっていることは、マイクからのアナログ信号処理だと思います。DC本体から受け取った音声データとマイク入力から得られたアナログ信号にエフェクトを掛けてミキシングという作業です。他に、DC本体にドリカラユニットが取り付けられているという信号を拡張ポートを介してやりとりしているようです。ドリカラユニットを付けないとソフト起動時に怒られますので本体側ではしっかり認識しているようで。拡張ポートはそのために繋がっているだけだと思います。2つのコネクタの信号はほとんどパラレルみたいですし。

裏側には部品は実装されていませんでした。
処理チップ

たぶんこのIVLというロゴの入ったICがメインの処理チップと思います。サウンドエフェクト等を担当しているのではないかと。DCK (DreamCastKaraoke?)と型番が入っているのを見る感じではカスタムチップでしょうか? エフェクトは結構いろいろ使えて、男女チェンジ機能とか、自動ハモリなんかも使えます。男女チェンジ機能で唄うにはちょっとコツが要りますけど。音声エフェクトに関しては文句無しです。


総評

 というわけで、一通りの分解が終わったので、30日使用権を購入して使ってみました。セガカラには私が好むマイナー曲が少ないのは難点ですが、一応使えます。セガからリリースされているゲームの主題歌でさえ他社のカラオケに負けているのはなんとかならんものでしょうかねぇ。リリース元として恥ずかしくないのか、セガよ。

 伴奏用の音源はDC本体側のXG音源を使用しているようです。音源のクオリティとしては良い方と言えませんし、出せる音色の数にも限りがありますので、曲によってはかなり聞こえが悪いものもありますが、相性の良い曲ならまぁまぁです(打ち込みデータにも依るでしょうけど)。欲を言わせて貰えば、シリアル端子とMIDIインターフェイスを使って外付けの音源が使えるようになっていると嬉しかったですがまぁ、そこまでやらないでしょうねぇ普通は。ちなみにDC用のMIDIインターフェイスは持っていますが、対応ソフトが簡易シーケンスソフトの「おといれ」一個だけです。なんていう寂しいラインナップなんでしょうか。だれかMIDIインターフェイス対応のSMF(標準MIDIファイル)プレーヤーでも作ってくれないかなぁ…なんて思ったり(他力本願)。

あと、本体をバラしてみて感じたのですが、拡張ポート用のコネクタが付いていますので、何か拡張ポートを使ったデバイスを製作する際には、筐体とコネクタが使えるんじゃないかと思いました。広い世の中にはDCにHDDを繋げてLinuxを使おうという剛の者もいるようですし、そんな時にこのドリカラはケースとして使えそうな気がします(笑)。

にしても、30日使い放題で2000円ならオトクかも知れません。まぁ、思いっきり自宅で歌える環境をお持ちの方限定ってことで…。音のエチケットには気を付けましょう。名曲でも嫌いな人には騒音ですってね。


ご意見、ご感想、ご質問はにがBBSまで!

Top pageへ戻る

copyright (C) 2001 Niga.