にがゲーム機

セガBBS発言権剥奪されちゃった記念!

〜何故ドリキャスは壊れるのか/その傾向と対策〜

総集編


 SEGA Dreamcast

 セガBBSというのをご存じでしょうか。セガが開いている公式の掲示板ですが、話題ごとに板が分かれており、その中に「教えてBBS」という質疑応答用の掲示板があります。ここでは不思議とDC本体の話題は禁止されているのです。しかし、公式BBSには本体の話題を扱う場所が他に用意されているわけではないので、しばしば本体の故障で困っている人の書き込みがあります。ある意味当然かと思いますが。

私はそんな折りに、「何故本体が壊れるのか」とか、「どうすれば直るのか」といった内容のレスをゲリラ的に返していたのですが、一応禁止されている話題ということで度々削除されていました。まぁ、削除については元々禁止されている話題なのでとやかく言うつもりは有りませんが、消されているのが主に私の発言のみなんですわ。スレッドごとゴッソリ消すのならまぁ分かりますが、どうも消されているのが私の発言ばっかりだったような気がしました。まぁ、簡単に言うと「目を付けられていた」というわけです。

そして、そんな書き込みを繰り返していたため、ついに発言そのものが出来ないようにブラックリストに載ってしまったようです。9/4に発言しようとしたところ、私のIDが使えなくなっていました…。ま、これもある意味自業自得なのでとやかく言うつもりはありませんがね。

しかし、消されるばっかりで黙っている私ではないんですねぇ。腹いせにこうやって1記事でDC故障のほぼ全てが分かるページを作っちゃいました。某メーカーサイトと違って、私のサイトではDC本体の話題大歓迎ですから好きなように書かせていただきますので悪しからずご理解頂きたいと思います。

ちなみに、この記事は関連メーカー等を誹謗中傷するつもりのものではありません。事実を淡々と記し、個人的な考察を加えているだけですので誤解の無きようお願いいたします。

「俺を怒らせたこと、後悔させてやるぜ! 今すぐ、今、すぐにだ!」

DC最大の弱点

私の経験上、DCの故障で最も多く、そして厄介なのがモーターの劣化による内部ショートです。DCにはスピンドルモーターとピックアップ用のシークモーターの2つが使われています。残念ながらこのどちらも構造的に丈夫な物ではありません。

DCは最大12倍速読み込みが可能なGD−ROMという仕様になっています。12倍速でディスクが回転するというのは実はかなりの速度です。等速CD−ROMは214rpmですから、12倍速ならば単純計算で2568rpm(秒間42回転!)ということになりますが、この12倍速というのが回転数ではなくてデータ転送速度で表しているのだとすると、GD-ROMは倍密ですから回転数としては6倍速なのかも知れません。このあたり、詳しい方教えてください。

まぁ、いずれにせよ、ハード屋としては6倍速での回転に耐えられるように設計しないとならないわけです。現在では高速回転のCD−ROMドライブには、ブラシレスDDモーターが採用されるの一般的です。私の手持ちの最大8倍速読み込みのCD−RドライブではスピンドルモーターにブラしレスDDモーターが採用されていました。しかし、DCのスピンドルモーターはブラシモーター。構造はこれから解説しますが、消耗に弱い造りなのです。シーク用モーターも同様にブラシモーターです。

これらのモーターが劣化すると、モーター内部でショートが起こり、著しく電力を奪われるためにゲーム途中でリセットがかかったりすることがあります。これはモーター劣化の初期症状です。中期になるとゲームが起動したりしなくなったりし、さらに末期になると過電流によりモータードライバICから発煙して絶命します。初期症状が現れた時には早急に対策を打っておいた方が良いと考えます。

スピンドルモーター

スピンドルモーターは、ディスクを回転させるための大きい方のモーターです。DCはゲーム機ですから、プレイ中はほとんどの時間このモーターは回り続けることになります。従って、DCの中で最も耐久性が要求される重要な部品と言えましょう。

スピンドルモーターが劣化すると、両極間の抵抗値が不安定になります。両極にテスターを当てて軽くモーターを手で回してみましょう。回転中はモーターから起電力が生じるので抵抗値は不安定になります。

重要なのは停止時の抵抗値です。これが一定であればOK。軸の止まった位置により抵抗値が上がったり下がったりするようならば劣化の初期。抵抗値が0になるポイントがあるようなら完全に内部ショートしており、末期です。

ということで、末期のモーターをバラしてみます。モーター自体はGD−ROMユニットに接着されているので取り外すのが若干面倒です。

モーター内部にアプローチするためには、全てのツメを写真のようにニッパーで起こしてやります。

十分にツメを起こして机などで軽く軸を叩くと蓋のようなものが取れます。この蓋のような構造物に「ブラシ」が付いています。劣化の原因はこのブラシです。本体の方にはローターが入っており、ブラシと接触する部分に「コミテーター」というものが付いています。モーター回転中は常にこのブラシとコミテーターがかなりの速度で接触しているわけです。

一方、ブラシレスモーターは構造的に摩耗部はありませんので高速回転でも劣化が少ないのが特徴です。常時ドライブが高速で回転し続けるデバイスにおいて、どちらのモーターを採用すべきかは明らかでしょう。ただ、多少の製造コストアップは避けられなくなりますけど。しかし、ゲームソフトも売るメーカーとして、本体が壊れにくいというのはソフトを売るための絶対条件だと思うのですが、いかがでしょう。本体の故障をきっかけにDCをやめる人も意外と多いようです。壊れなければまだソフトを買ってくれたかもしれないのに。販売戦略的に見ても壊れやすい本体というのは不利なような気がします。

摩耗したブラシ(末期)

劣化したブラシを拡大してみます。ブラシは左右にハの字方に配列されています。そして各々が3本のヒゲ状の構造になっています。

この写真では右側のブラシの一番下のヒゲが内側にグニャリと曲がっているのが確認できます。決して取り出した後に曲げたものではなく、劣化により内部でこのように変化したものです。変形により、ブラシが本来接触するように想定されていたコミテーターの位置からズレてしまい、内部でショートしていたのです。

アングルを変えて観察すると、左側のヒゲも一番下のものが完全に欠損しています。著しい摩耗により、ちぎれてしまったと考えられます。

ヒゲは3本ずつありますので、折れたヒゲを外側に弾いて無効にしてやることで、一応モーターの再生は可能です。が、これだけ摩耗が進んでいるモーターですから、再生したとしても一時しのぎに過ぎないでしょう。

代用品と移植

DCのスピンドルモーターはメーカーが表記されておらず、どこのメーカーで作られているものか不明です(ご存じの方、情報お願いします)。モータ業界ではマブチモーターが有名ですが、同じような規格のモーターはマブチ製のラインナップにはありません。

代用品を探すために、とりあえずセガサターンとPS(従来型)をバラしてスピンドルモーターを取り出してみました。

左側のRF-310Tというのがサターン用、右側のRF-300PAというのがプレステ用です。サターン用は軸が長すぎて適用不可、プレステのものは軸がやや短いもののネジ位置も同じで形状的には適合しそうです。

ということで試験的PS(従来機)のスピンドルモーターを移植してみました。元々付いていたモーターよりも背が低く、固定性が悪いですが、微調整して台に対して垂直に軸が立つように固定します。私は隙間に紙を挟めて調整しました。軸受けの押し込む深さも注意が必要です。元々の軸より短いので。

ちなみにPSは2倍速ドライブですから、このモーターでDCを常用するのは危険だと思います。これはあくまでも実験です。

結果ですが、バッチリDCゲームが動作しました。きちんと位置さえ調整できていれば、ムービーを再生させても、音飛び等全く生じません。厳密には規格や特性の違うモーターですが、モーターコントロールICがある程度の違いは吸収してしまうようです。

常用するのであれば、もっと耐久性の高いモーターへ移植する必要があるでしょう。

モーター劣化の辿る末路

ちなみに末期のモーターで無理矢理使い続けるとどうなるか、その辿る末路はモータードライバICの焼損です。BとFの字が焼けこげているのが分かるでしょうか?

DCではROHM社のBA5986FMというドライバICが採用されています。このICはスピンドルモーター、シークモーター、フォーカスコイル、トラッキングコイルをワンチップでコントロールするものです。

モーターの内部ショートにより大電流がこのICに流れると、このICから発煙します。かなりの電流が流れますのでスイッチング電源が保護モードになり電源が入らなくなります。ここまで来るともうダメです。なぜならROHM社のICは一般の人はまず入手できないからです。小売りはやっておらず、代理店を通じて購入する必要がありますが、少数販売してくれる代理店があるかどうかは不明です。1000個で20万円で販売するという代理店はありましたが…(しかも納期激遅)。誰が個人で1000個も買うかっての。

ところが、ある方から極秘裏にチップを分けて貰えることに。残念ながら入手経路を書くことはできません。メール下さってもお答えできませんので悪しからず。

逝かれICを剥がす際に、焦ってパターンを4カ所も剥がしてしまいました(^^;;。でもまぁ、ジャンパ線を使って補修しましたが。

張り替えたところこのDCは復活できました。もちろん、ICを焼いた原因であるモーターは交換済みです。ICが焼けているからと言ってICだけ張り替えてもダメです。ICを殺した真犯人はモーターなのですから。

とはいえ、普通はこのICを手に入れることはできませんから、ICが焼けていた場合は諦めるかメーカー修理に出すしか無いでしょう。原因が分かっているのに残念で仕方ないのですが…。

シークモーター

DCのシークモーターには松下製の「PPN13KA11C」が採用されています。先にも書きましたが、ブラシモーターなので耐久性としては並です。DCでゲームをしていると分かりますが、ジージー五月蠅いのはこのモーターの仕業です。即ち五月蠅いほどに良く回っているモーターであるということです。

どうやらあまりにも良く回るために劣化も早いようです。スピンドルモーター同様にブラシが摩耗して内部ショート、あるいはロックしてしまう例が後を絶ちません。この写真でも、ブラシ摩耗により、ヒゲが内側に折れてしまっているのが確認できます。

このモーターではこの折れたヒゲが引っかかって、モーターがロックしていました。

ちなみにスピンドルモーターのショートと違って、こちらのモーターの劣化の場合にはICの発煙には至らないようです。要求される電流が少ないためかも知れません。

代用品

シーク用モーターも代用品を使うことが可能です。この写真は松下のCD-Rドライブ「CW7502」の分解写真です。シーク用モーターにDCと同一形状のものが採用されています。型番は若干違うようですが、移植したところキチンと動作することが確認できました。やはり微妙な違いはドライバICが吸収してしまうような印象です、

ちなみに余談ですが、このドライブは最大読み込み8倍速ですが、スピンドルモーターにはブラシレスDDモーターが採用されていました。

モーター移植術

このモーターはTORiSAN製のCD−ROMドライブのシーク用モーターとして使われていた物です。マブチモーターで「RF-050SK」という型番ですが、メーカーは違いますが、形状はDCで採用されているモーターとほぼ同一。ネジ穴位置も同じでした。

試験的に移植してみましたが、これまた全く問題なく動作しました。形状が合えば案外使える物が多いのかも知れません。

ただし、電気的に規格外である可能性が高いので、長期間使用する際に信頼面や安全面で問題が生じるかも知れません。

適当なモーターで置換する際には「自己責任」という言葉を肝に銘じてください。仮に規格外なために発火して火事になったとしてもそれは貴方の責任だということです。

軸受けが沈む…

ここから先はおまけみたいなもんですが、一応故障例としてありましたので総集編ってことで書いておきます。この軸受けは上から差し込まれて真ん中に接着剤を流し込まれて固定されているだけです。強く押し込むと接着剤の固定が取れて軸受けが沈むことがあります。そうなるとディスクがユニットと接触してキズだらけになる上に、正常に読みとりができなくなります。

そんなときには軸受けをすこし持ち上げてやれば解決です。試行錯誤で位置を決めたら再び中心に瞬間接着剤でも流しておけば完璧でしょう。

甘いフェイルセーフ

フェイルセーフ、あるいはフールプルーフという言葉を知っていますか? 誤りを防ぐ、バカ除け、というような意味です。たとえばコネクタ等で逆差しができないように出っ張りや窪みがついていたりするのが「フェイルセーフ」です。この出っ張りのおかげで何も考えないおバカさんでも方向を間違うことなくコネクタを繋ぐことができるわけですが、出っ張りが無い場合はコネクタを逆差ししてデバイスを破壊してしまうかも知れません。

 ところでDCではネジは3種類使われています。黒いネジと、塗装されていないネジの長いの、短いの、で3種類です。問題は長いネジと短いネジを間違って付けてしまうこと。

長いネジは4本あり、いずれもコントローラを接続する基板を取り付けるためのものです。このネジを写真の黄色い穴、即ちGD−ROMユニットを固定する場所で使うとどうなるでしょうか? 

このシールド板の下にはメイン基板があります。即ち長いネジはメイン基板に到達してしまい、基板に穴が空くのです。長いネジも短いネジも、長さが違うだけでネジ山の切り方は同じ。つまり、何も考えないで取り付けてしまうとうっかり長いネジをGDユニット固定に使ってしまうこともあり得るということです。

ちなみにゲームショップなどで非公式の交換用スケルトン仕様のケースなどが売られていることがあり、ケースを交換したユーザーがこのネジの付け方を間違えて基板を破壊する例が後を絶たないそうです。間違える方も間違える方ですが、フェイルセーフでない設計の方にも問題がないとは言い切れません。とはいえ、ネジを間違えて壊したとして、その原因をメーカーに求めることはできませんけど。

まぁ、個人的には「バラすならネジ位置くらい覚えとけ!」って思います。ネジ位置把握するのは分解の基本中の基本ですからね。

初期型コントローラの問題

以前から知られていた不具合ですが、初期型のコントローラのLRトリガは設計不良により壊れやすいことで有名です。

写真上が初期型のトリガ。下が対策済みの交換用トリガ。違いは固定軸のところのスリット。トリガの軸と言えば、それなりに力が掛かる場所です。このスリットのためにここが折れる故障が頻発しました。

その後設計が改められ、この不具合は起こらなくなりましたが。運悪く初期型コントローラでこの故障が起こった場合には、秋葉原のゲームショップで300円台で売られていますので調達して交換すればOKです。

まぁ、こんなのは製造コスト10円くらいなような気がしますけど…。何故370円もするんだろ。流通コスト?

ヒューズ抵抗

故障頻発箇所のヒューズ抵抗です。これが切れるとコントローラが利かなくなり、ビジュアルメモリのアクセスも不能、本体の充電式バックアップ電池が電池切れを起こし、内蔵時計がストップしたりします。

切れる原因は故障したコントローラの使用によるものか、あるいは電力を多く要求するデバイス(ぷるぷるぱっく+VM)等を取り付けたコントローラを後差し(電源投入後に差し込む)した時などに起こりやすいようです。後差しでは差し込んだ瞬間に大きな電力を要求されるからです。故障したコントローラを使用した場合には、本体を買い換えてもまた同じように切れます。

これがそのヒューズ抵抗ですが、見た目はリードタイプの抵抗。しかし抵抗値はかなり低く、動作としてはヒューズそのもの。大電流が流れると内部で断線して回路を遮断します。テスターで抵抗値を計測して抵抗値無限大なら切れてます。交換すれば直るはずですが、残念ながらこのパーツは市販されていません。秋葉原中を探してもおそらく無駄。メーカーもパーツを売る気無し。従って、私はやむなくスズメッキ線でショートして使っています。これでもとりあえず動きます。

それにしても、一度切れるとガワを開けて修理しない限り復帰できないこのような部品を使うのはどうかと思います。自動復帰型のヒューズを使えば、わざわざ修理に出さなくても使えるようになるのに…。


交換用GD−ROMドライブユニットの存在

これ、なんだと思いますか? 正真正銘のドリキャス用純正部品です。なんと、ドリキャスのGD−ROMドライブユニットなんです。

実はこれ、ホンコンのゲーム屋では普通に売られているのです。開発元である日本では売っていないのに何故ホンコンなら買えるんでしょうか。

気になるお値段ですが、160HK$程度です。日本円にすれば2600円程度です。

中にはこのGD−ROMドライブユニットが一個だけで、特に説明書などはありませんでした。

上から見た感じは綺麗なんですが…。

刻印を見る限り、後期のサムスン製ドライブのようです。写真の写りがわかりにくいですけど、一番下の行にSAMSUNGと刻印されているのが分かるでしょうか。
裏側ですが、これが実に怪しいんです。キズが付いていたり、妙にシールの部分が汚れていたり…。どう見ても普通の新品パーツとは思えない…。
シールの部分ですが、ヤケに煤けています。これ、新品じゃないだろ。

蓋の開閉検知スイッチの部分ですが、妙に汚れています。しばらく使われていた基板と考えて間違いないと思います。

少なくとも基板そのものは中古のようです。

プラスチック部分ですが、ツメが二カ所も折れてやがりました。おいおい、折れたパーツなんて再利用するなよな。

裏側ですが、ケーブルそのものは綺麗です。モーターもなんとなく新しそう…。まぁ分解してみないとわかりませんけど。ギヤは真ん中のギヤだけちょっと黄ばんでいます。どれも新品なら同じ色だと思いますが…。

ちなみにこのページの上から二番目の写真は正真正銘新品のDCのGDユニットの写真です。全てのギアは同じく白です。

ピックアップの裏側にはチェック済みを表すと思われるシールが貼ってありました。01年9月にチェックしたようです。うーん、もしかしてピックアップも再利用なのかも…。

ヤマハドライブとの違い

構造ですが、前期のヤマハ製とは微妙に穴の位置が異なっています。ネジ穴の位置は同じですが、シールド版の出っ張りが填る穴の位置が微妙に違います。とはいえ、電気的には同じみたいなのでそのまんま差し込んでネジで固定すれば前期型のDCでも使えるようです。

この「純正部品」が、メーカーから直接出ているものなのか、はたまた悪質なホンコンのゲーム屋が中古のパーツを適当に寄せ集めて作って純正箱に入れて売っているだけなのかは定かではありません。仮にメーカーから直接出ているものだとすると、ユーザーからの修理を請け負った時に、回収した部品を再利用している可能性も考えれます。まぁ、こういった手段は一般的に他のメーカーでも行われている行為ですし、資源の再利用という観点からはむしろ歓迎すべきとは思います。とはいえ、ツメの折れたパーツまで再利用したり、基板が汚れたまま使ったりするのはどうかと思いますが。

DCのGDユニットって、要するにモーターx2が壊れやすいっていうだけで、その他がダメになることは少ないんです。ICが焼けることもありますが、これはスピンドルモーターの死亡によって起こる二次的なものなので、モーターさえ死ななければオッケーなわけです。従って、回収したGD−ROMユニットのモーターx2だけ付け替えてこのような補修用パーツを作ることは間違った行為ではないと思います。ユーザーとしてはなんとなく気持ちは良くないですけど、値段に反映されるならOKでしょう。2600円程度なら。

と、いろいろ書いていますが、これは単に悪質なショップが勝手に中古パーツを寄せ集めて純正パーツ用の箱に入れて販売しているだけなのかも知れません。関係者からのたれ込みでも無い限り、真相が明らかになることは無いでしょう。

まぁ、いずれにせよ、メーカー純正補修用パーツがこの世に存在していることだけは確かです。そして世界のどこかで流通していることも確かです。また、日本国内で流通していないことも確かです。そこで、メーカーが日本国内向けに補修用パーツを売らない理由について考えてみました。(1)PL法が怖い、(2)クレーマーが怖い、(3)パーツを回収して再利用したい。この3つが思いつきました。真相は分かりませんが、私は結構(3)の理由が大きいのではないかと思っています。

GD−ROMユニット故障の時のメーカー修理の費用は5000円程度であると聞いています。この費用は一般的に見て安いと思います。通常、メーカー修理は技術料だけで8000円程度は取るからです。5000円では一般的な修理技術者の人件費にもなりませんし、GD−ROMユニットというお金のかかりそうな部品代と考えても安いです。これが安く上がっている理由としては、ASSY単位での交換しか行わないことによって、国内修理にかかる人件費を最大限節約する(極端な話、ASSY交換なら今日雇ったようなアルバイト君にもできるような仕事ですから)ことと、パーツを回収して海外の安い労働力を使って再利用することではないかと私は推測しています。でないと5000円の費用でペイできる内容じゃないからです。そう推測すると、先ほどの交換用GD−ROMユニットが中古の使い回しであったことの理由が納得できると思います。

まぁ、以上の考察は悪魔でも私の憶測です。真相は分かりません。もし、GDユニット故障でメーカー修理に出した方がおられましたら、差し支えなければ中を空けて、新品パーツのみが使われているかどうか確認して報告して頂ければと思います。


総評

今まで6台の故障DCを修理してきました。サンプル数は少ないですが、故障個所は以下の通りです。6台のうち、モーターの劣化が関係しているのが5台。この頻度を見ても、いかに脆いモーターが使われているかが分かるかと思います。セガはもう家庭用ゲーム機本体を作ることを止めてしまいましたが、安易なコストダウンに走るだけではなく、耐久性についてもうちょっと考えて設計をすればまた違った未来があったのかも知れません。いや、無いか(爆)。

故障の原因

対策
1号機 シークモーター劣化 モーター交換
2号機 スピンドルモーター内部ショート&IC焼損 モーター交換(代用品)、IC張り替え
3号機 シークモーター劣化 モーター交換
4号機 軸受け沈み、ヒューズ抵抗断線 軸受け位置調整、ヒューズパターンショート
5号機 スピンドルモーター内部ショート&IC焼損&ヒューズ抵抗断線、充電式リチウムバッテリ欠損(前オーナーによるもの) モーター分解整備、IC張り替え、パターンショート、リチウム電池(代用品)取り付け
6号機 シークモーター劣化 モーター交換


2002.07.12追記

専用スピンドルモーターを入手!

上述の如く逝かれやすくて厄介なドリキャスのスピンドルモーターですが、製造元から直接購入することに成功しました。

製造元くらいになると、10個や20個といった少数の注文では相手にして貰えないと考え、とりあえずBBSで合計100個分の応募者を募ったところ、16名の有志の賛同が得られたため、注文と相成りました。

当初私が製造元に問い合わせのFAXを送信したのですが、いつまで待っても音沙汰無し。それを見かねてかcookさんが交渉役を買って出てくれました。感謝!

入手するまでには、間違ったサンプルが送られてきたり、既に製造中止のため出せないと先方にシブられたりと、紆余曲折ありましたが、なんとか純正品を100個ゲットすることに成功。

ちなみに1個の単価は300円+消費税でした。100個で31500円。

製造中止が本当だとすると、もう製造元からは買えないかも知れませんねぇ。

型番はCJ901Uとなっています。製造元のカタログによると、JCJ9Bという製品のようです。

このモーター、実に素晴らしいことに、最初からGDユニットに固定する金具と、CD・GDの円板を填めるためのパーツが取り付けられています。おかげでほとんど調整不要でドリキャスに取り付けることができます。

直接GD制御基板に取り付けられるコネクターも付いており、まさに至れり尽くせり、ていうかドリキャス専用パーツそのものですね。

GDユニットをバラして、古いモーターを外しますが、モーター本体が接着剤で固定されているので取り外すのは少し面倒です。

ユニットにはモーターの軸の傾き補正用の金具が付いていますが、交換するモーターのサイズが全く同一なため、敢えて弄る必要はありませんでした。軸受けの深さも適切ですし、特に調整は不要で、まさにポン付けしただけで復活しました。

他に壊れやすいのがシーク用モーターですが、これは代用できるものが多いのでなんとかなるでしょう。


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