SONY PLAYSTATION
近所のリサイクルショップで捕獲。値段は3500円と動作保証無しのジャンクにしては高額でしたが、ヤケに汚くて、なんだか助けて欲しがっているようなオーラを出していたので捕獲してしまいました。3500円という値段は動けばお得ですが、動かなければかなり損な金額。買った店は通常一通りの動作確認してから売る店なので、値段から考えて、おそらく読みとりが甘くて完動とは言えない状態なのではないかと思われました。
SCPH-1000
今回捕獲したのは「SCPH-1000」。いわゆる初期型です。プレステとしては一番最初に発売されたモデルで当時は39800円の高級品でした。よって背面端子も豪華。その後のモデルで省かれた映像端子2種、音声L+R、おまけに何に使うのだかよく分からないDC出力まで装備しています。
よくよく考えると、39800円という値段はPS2と同じですねぇ。逆に言うと、初代プレステも新発売当時はそれだけすごいハードウエアだったんですねぇ。
それはさておき、早速動作確認してみました。電源を入れるとソニーロゴが出てCDが回って……ジージーとピックアップが動く音が続いています。どうやらしばらく考え込んでいるようです。根気よく待っていると思い出した頃にプレステロゴが出てゲームが始まりました。症状から察するに、やはりピックアップがヘタレのようです。初期型なのでまぁ予想はしていましたが。
とりあえず分解。うーん、汚ねェ…。外観も汚いが中身も負けず劣らず汚いです。特に右側。なにやら錆びが浮かんでいます。
メイン基板を外すとシールド版が激しく腐食していました。通気口からにじみ出ていた汚れはここに由来するようです。
腐食と周辺の汚れ方から察するにこの機体は一度浸水したものとおもわれます。それにしてもこれだけ浸水してよく基板が生きていたものだ…。
全バラして洗浄 てなわけで、完全にバラして洗浄することに。基板の汚れは案外軽微だったので雑巾で拭くだけ。外装は完全にバラして風呂場洗浄しました。細かいところはアルコールを浸した綿棒でこまめにふき取ります。
ちなみにこの機体はタバコありの環境に置かれていたらしく、細部に至るまでヤニが付着していました。これだからタバコはイヤなんです。ヤニは乾拭きや塗れ雑巾程度ではこびりついて落ちません。喫煙者の方々はよくこんなものを自分の肺に吸い込む気になれますなァ。信じられませんよ。というわけで、ヤニはアルコールで洗浄。これで綺麗になります。肺はアルコール洗浄できませんが、機械はできますのでまだ救いがあります。
洗浄が終わって綺麗になりました。写真ではイマイチわかりにくいかも知れませんが、実際かなり綺麗になっています。シールド版はあまりに腐食していたので破棄。あんなに錆びているモノを本体に収納しては錆びが基板に移ったりしてロクなことがないのです。「腐ったミカンは周りのミカンを腐らせる。お前は腐ったミカンだ!」というやつです。熱血先生は腐ったミカンをも更正させる事が出来るのかも知れませんが、そんなの無理です。普通は捨てます(笑)。シールド版が無いと、ノイズ対策にやや不安は残りますが、とりあえず無くても問題ないでしょう。
ピックアップの洗浄 最後に読みとり不良の原因であろうピックアップを綺麗にします。
タバコありの環境だっただけに、おそらく内部までヤニで汚れているものと思われます。こういう場合、レンズ表面だけ拭き取ってもダメです。バラしてレンズの裏側も拭きます。
まずは取り出して2本のネジを外して表のカバーを取り、モーターを手で回してピックアップを最外周へ移動。白いスライドギヤを矢印の方向へずらして外します。
するとこうなるので矢印のネジを外して、レンズカバーを外します。 中からピックアップレンズ全体が出てきました。 レンズを持ち上げつつ、中に「イソプロピルアルコール(イソプロパノール)」を軽く浸した綿棒を突っ込んでレンズの裏と中にある鏡のようなものを洗浄します。ピックアップを上下させるためのコイルがあるので切らないように注意。
洗浄が終わったらアルコールが乾ききる前に乾いた綿棒で乾拭きします。
ちなみにエタノールは使わない方が良いらしいです。レンズは樹脂製で、エタノールを使うと変性して表面に微細クラック(ひび割れ)を起こす原因になるからだそうで。
ちなみにギヤやレールがすり減っている場合はこれだけでは蘇らないことがありますが、今回の機体はさほどすり減っていませんでした。そんなに使用頻度は高くなかったようです。レールがすり減るとピックアップがガタガタしてフォーカスが合わなくなり、本体を裏返さないと読みとれなくなったりします。
ロゴマークの復旧 この機体にはなぜかロゴマークが有りません。前のオーナーが記念に外したのでしょうか。まったく格好悪いったらありゃしないです。仕方ないのでロゴマークを作ります。モノホンのプレステをスキャナーに乗っけてロゴマークを取り込み、CD−Rラベル用のフィルム紙(の余白)へ印刷しました(うまく余白を使うために左上を削っています)。フィルム紙は高価ですが、かなり仕上がりが綺麗なのでオススメです。
修復完了! ようやく修復完了です。動作させましたが、大体OKのようです。たま〜に読み取りにもたつくこともありますが、明らかに当初より頻度は少ないです。普通に使えるレベルでしょう。
どうですか、このロゴは。一見して複製だとは分からないと思います(えっへん)。ちなみに蓋のオープンボタンの「OPEN」の文字が消えていますがこれはあまり気にならないのでそのままです。ヘタに修復しようとすると余計目立ちそうだし。
総評 というわけで、3500円の予算でそこそこまっとうに動くPSがゲットできました。まぁ値段と苦労の割には大したことないですが、死にかけた機体を救うことができたので良しとします。
実はこれで我が家のプレステは3台目です。一台でも持てあましているというのに…。どうもジャンクを見かけると捕獲してしまうクセが付いてしまっていけません。
と思っていたら、タイミング良くプレステを欲しがっていた後輩のT君に実費(3500円)で引き取られることになりました。ドナドナドーナードーナー……。
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