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〜ジャンクなPS2を復活させる その2〜


 SONY PlayStation 2 (1.5号機)

前回、初のPS2ネタでの成功に味を占めた私は、さらなる野望に燃えるのでありました。PS2の15000番の基板をゲットしてしまいました。こいつの修理に成功し、動く基板さえ手に握っておけばいつでも心おきなく改造失敗ジャンクに手を出せるからです(フフリ)。基板のみということなので、今回の機体は1.5号機と命名。

SCPH−15000 (基板のみ)

ということで、今回のネタは基板のみの修復です。某オクにて、11611円にて落札(なんて中途半端な値段なんだ…)。この値段が高いか安いかは、修復成功か否かに掛かっている! 是非とも成功させねば! ちなみに最終的に補修を行った部分を赤丸で囲っておきました。

ちなみに前回の10000番台との違いですが、基板の色が違う以外はよく判りません。回路的な違いはなくて単にBIOSが書き変わってるだけかも知れませんが。

破損パターンを確認

1号機にて損傷のあった、DVD−ROMのコネクタ付近のパターンですが、今回の基板では生存している模様です。テスターで導通を確認。

このCXP102061から伸びるパターンですが、今回の機体でも剥離が認められます。前オーナーが必死になって修復した跡があり、一応導通はしているようでしたが、実にペラペラで頼りないのでやり直します。

20W/30Wの半田コテ

ちなみに私は、ジャンク修理に2本の半田コテを使い分けています。20Wと30Wのもの。普段は30Wを常用し、細かい基板のパターンの修復には20Wを使っています。

これら愛用のコテはgoot社のセラミックヒーターのものです。セラミックヒーターは暖まるのも早いし、ニクロムのようなリーク電流の心配も要らず、オススメです。お値段は若干高くなりますが、道具は良いものを揃えるに限りますからね。

そのコテ先。上が30Wで下が20W。

20Wのコテ先は鋭く尖っているのが分かると思います。このくらい細くないとPS2のような精密な基板の修理は難しいのです。表面実装のICを弄るなら一本持っておいて損は無いでしょう。

ただし20Wは熱量も小さいので半田が溶けるのにやや時間がかかります。

修復その1

ということで、20Wのコテを用いて、0.26mmジュンフロン線で剥がれたパターンを修復します。

今回もスルーホールが生きていたので、ICの足からスルーホールまでジャンパ。

ジャンク機修理には必須のチップヒューズのチェック。どうやらこいつが死亡しているようで…。

取り外してショートしても動くのですが、このタイプのチップヒューズは従来型PSでも採用されているので、ジャンクの不動機(SCPH-7000)から移植することに。

従来機には「30」と表記されたチップヒューズは無かったので、代わりに50と表記されたものを移植。数字が若干大きいですが、気にしない、気にしない…。


ひとまず動作確認

ということで、肉眼的に確認できたパターン剥離とチップヒューズの断線を補修したところで一度火を入れて見ました。

普通に電源が入り、ドライブに入っていたゲームは普通に起動。プレイも問題なく、修復完了かと思いきや…。イジェクトボタンを押した瞬間、ものすごい勢いでトレイが排出されてきました。挿入時もものすごい勢いで吸い込まれてしまいます。どうやらまだどこかに故障ポイントが潜んでいるようです。

このトレーが高速で出入りするという故障は改造失敗機ではよくあるもののようで、某オクでもそういった不具合を認めるジャンクが数多く出回っています。はて、この故障はいったいどこに由来する物なのか…。と、考えると、前回の故障機でも同様の不具合を抱えていましたが、破損パターンを修復している内に直ったという経緯がありました。従って、トレイ高速化の故障のカギを握っているのは、1号機で補修した部分のどこかであるはずです。

高速イジェクトの犯人

ということで、さらなる調査を行いました。1時間くらい基板と格闘の末、最終的に分かったことは、こいつらが死亡しているということ。チップコンデンサは動作に影響があるかどうかは不明ですが、角が欠けていましたので、ジャンクなディレクTVチューナー基板からチップ部品を移植。

そして問題の100kΩの抵抗ですが、実はこの基板では見た目では何の異常も認めないのです。しかし、前回故障機でこいつが取れていたことに着目し、一度取り外してテスターを当ててみました。すると抵抗無限大…。どうやらこいつが死亡していたようです。トレイ高速イジェクトの犯人はこいつだ! じっちゃんのナニかけて!

ということで、これもディレクTVチューナー基板からチップ部品を移植。事なきを得ました。


総評

ということで、一号機のガワへ組み込んで動作確認。

トレイもエレガントに出入りするようになりました。このトレイの速度は制御されており、止まる前に減速するようになっています。なかなか賢いですね。

キーボードマニアも問題なく動作。これにて修復完了といたします。

ということで、コスト算定。13000円程度で正常動作するPS2基板(のみ)をゲット…。でもこれってお得なのか損なのかサッパリ分かりませんねぇ…。

実はPS2のジャンクって直せる率高いんじゃなかろうか…。まぁ、それなりに高度な修復技術は必要でしょうが。


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