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〜ジャンクなプレステを復活させるその3〜


 SONY PlayStation

 何台もPS直して、一体何に使うのかと疑問に思われるであろうプレステ記事3回目です。いえ、自分のプレステじゃないです。知人がジャンク5000円ほどで捕獲した5000番台のPSなのですが、どうやらピックアップがほとんど逝っちゃってるらしく、クリーニング+調整ではどうしても安定動作させることが不可能であったため、正常なピックアップを入手して直すということにしておいたのです。

そこでたまにオークションを監視していたのですが、首尾良く送料込み2000円の5500番のジャンクをゲット成功。送料込みという点がポイント高いです。何しろ、オークションで買うと送料だけでも1000円はかかりますからね。実際950円弱の送料が掛かっていました。しかし、なんと普通郵便の定形外で送られてきました。いやぁ、こんな大きなものも定形外で送れるんですねぇ。

写真は補修完了後ですが、黄金軸付いてますね(^^;;;。あまり気にしないように。

SCPH-5000

元々この5000番が事の始まり。リサイクルショップで発見して、「たまに読み込み失敗する」という条件で、「たぶんピックアップの汚れだろう」とタカをくくったのが失敗でした。

どうやら5000番以前の機種はピックアップがヘタれることがよくあるようです。レーザーダイオードの質が悪いのだとかなんとか。この機体もおそらくレーザーそのものがヘタってしまっていたようです。

ニコイチ作戦

 一方、オークションで買った方の5500番のジャンク条件としては、「完全に読み込み不可」ということでした。この程度の情報では、商品が到着して動作検証するまでピックアップが生きているかどうかは判らないです。要するにバクチです。しかし、5500番以降の機種はピックアップの出来が良くなっているため、ヘタレていることは少ないと判断し、賭けてみました。

 動作検証したところ、ゲームCDを入れて電源を入れると、レーザーが出力されて、CDが回転。とりあえずディスクの認識には成功しているようでしたが、データの読みとりが出来ないようでした。この時点ではピックアップの故障か本体の故障かは判りません。まぁ、面倒なんで、今回はいきなり5000番の本体にピックアップユニットを移植して動かした見ました。ニコイチ診断です。すると、完全にゲームが起動したので、ピックアップそのものは正常と見なされました。よって壊れているのは5500番のメイン基板の方のようです。とりあえずチップヒューズを調べてみましたが、これは生きている模様。壊れたのは他の部分のようです。もしかするとVR回せば直ったかも知れませんが、今回は5000番を直すことが目的なのでそれ以上は追求していません。


5500のPU

今回新たに入手した5500番のピックアップです。前に扱った7000番のものと構造は同じ。一応アルミダイキャストですが、レールは相変わらずの樹脂製というマヌケな設計です。で、この機体のピックアップユニットですが、程度極上。グリスもまだ白く、レンズも綺麗。どうやらあまり使われていなかった機体のようです。

本体側の故障機は、このように余り使い込まれずに壊れたものが結構あるので、ジャンクを買う際には、中途半端に動作するもの(使い込まれて調子が悪くなってきたもの)よりも、まったく動かないものを買った方が当たりの場合が多いかも知れません。逆に完全にハズレということもあるでしょうけどね。中途半端に読めたり読めなかったりする物は、ピックアップがヘタれたり、レールが摩耗していたりするものが多いでしょう。こういうのはちょっと直しにくいです。レール摩耗程度ならなんとかならなくもないのですが、レーザーダイオード自体がヘタれるとどうしようもないです。

相違点

5000番以前と5500番以降のPSではピックアップの設計が改められたため、構造が違います。素材がアルミダイキャストになった他に、ギヤの切り方が微妙に違ったり、樹脂パーツの形が違ったりしています。

当初、アルミダイキャストの部分のみを移植しようとしたのですが、ギヤの切り方の相違で問題が生じ、これは不可能と判断しました。そこで、土台の樹脂製部分の違いをカットして解決することにしました。5500番以降ではこの赤丸の部分が出っ張っていますので、5000以前の機種へ移植する場合はここをカットすればOKです。

ちなみにその逆の、5000番のピックアップを5500番に移植するのはケーブルの長さの問題もあり、あまり現実的ではないと思います。所詮5000番以前のピックアップなんて、品質が悪い物が多いのでわざわざ移植する必要も無いとは思いますが。

切り取り
ということでこの部分を切り取って違いを吸収しました。とりあえずこれで本体に載せることができるのですが…。

相違点2

カバーの部分も微妙に違うのでした。5500番以降では出っ張った部分がありますので、このままではトップカバーがつかえてしまいます。

カバーそのものは移植可能なので5000番のカバーを移植して完了。

あそうそう、モーター用のケーブルも長さの関係で移植が必要です。


総評

ということで、5500番の程度の良いピックアップを5000番へ移植し、完全に動く5000番のPSが完成しました。とりあえず問題なく動きました。

今回は安易なニコイチのため、最終費用は高いです。最初にヘタレピックアップの5000番を買ってしまったのが失敗だったのです。やはり買うなら5500番以降が比較的安心ですねぇ。単体復活できないとPSも割高になっちゃいますからね。ピックアップが生きていると明言されているジャンクは3000円くらいしますし、オークションでの入手は故障ポイントが判らないのである程度賭けになってしまいますし。

最終費用は、7000円強。やっぱニコイチは高いです。修復完了したのでほとんど実費のみ依頼主の知人に引き渡しました。まぁ、結局中古買うよりは安かったので、最終的に失敗とは言えないですかね。


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