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〜スーファミコントローラのUSB化改造〜


 任天堂 スーパーファミコン 標準PAD

サンワサプライ USBゲームコントローラ

 先日セガサターンのPADをUSB化改造をしましたが、意外と反響があったので、今回はスーファミのPADをUSB化してみることにしました。形状としてそんなに評判が良いPADではありませんが、スーファミエミュレータなんかで遊ぶときには丁度いいかも知れません。

材料としてハードオフでジャンクなスーファミPADを100円にて購入しました。ハードオフなので相変わらず100円〜300円と値段や状態にばらつきがありましたが、100円の値段が付いているものから黄ばみやキズが少ないものを選択しました。結構手垢で汚れてましたが、洗えば綺麗に落ちそうな感じです。樹脂全体の黄ばみ、キズや摩耗が無ければOKでしょう。

今回のドナー

ICを取られるドナーもハードオフのジャンク箱から発掘しました。サンワサプライの8ボタンUSBPADで、お値段は300円。一見セレクト、スタートボタンがありそうなデザインですが、実はダミーボタンで、接着剤で固定されてました。その代わりにLRボタンがプレステと同様に左右2個ずつ付いています。ボタンの配列は異なっても、数が同じなので、スーファミPADに移植するには最適のドナーと言えましょう。値段も安いし。
USBPAD基板

基板はこんな感じ。安っぽい基板なのはいいとしても、半田付けが非常に低レベルです。キチンとパターンに半田が馴染んでいないピンが何カ所かあり、Rボタンのワイヤーがケースの出っ張りに押しつぶされていた上に、一本取れてました。どこかの国の安い労働力で作られていることが伺えます。使っている内にボタンが利かなくなるトラブルが多発しそうな作りですが、どうせ部品取りなのでどうでもいいことです。

USBコントローラIC

USBのコントローラICは、NT6875-00055という型番のものが載ってました、メーカーが判りませんし、仕様も分かりませんが(調べる気もなし)、この回路をそっくりそのままスーファミPADの基板上で再現すれば良いだけのことです。

ということで、部品を剥がす前に回路図をメモしておきます。同様にスーファミPADのほうも回路図をメモっておきましょう。


スーファミPADの洗浄

基板改造している間に、元のPADを浸け置き洗浄することに。ジャンクPADは前オーナーの手垢でそれなりに汚れてますので、気持ちよく使うために洗浄は必須です。基板とケーブル以外の部品を全部キッチンブリーチを溶かした洗浄液に丸一日浸けておきました。

ちなみに配合は、洗面器の水1杯に対してブリーチをキャップ1杯程度で十分です。プラスチックの黄ばみは取れませんが、それ以外の汚れは綺麗になりますし、除菌、脱臭効果も期待できます。


部品取り

回路図のメモ取りが終わってから、それぞれの基板から移植する部品を剥がしました。要となるICの他に、セラロック、コンデンサ、抵抗も取り、スーファミPADの基板に移植します。

ちなみにUSBPADのICは足を根本からニッパーでパチパチと切断して剥がしてます。切った足はラジオペンチで広げて基板に両面テープで貼り付ければOKです。

どーでもいいですが、スーファミPADの基板に1992とプリントされてますね。もう13年も前の製品なんですね。

部品取りグッズ

スーファミPADのICは面実装タイプなので綺麗に剥がすのは難しいです。元のICが貼り付いていたパターンを利用したいので、できるだけパターンを剥がさないほうが良いのです。

私はサンハヤトの面実装IC取り外しキット(超低融点半田+専用フラックスのセット)で剥がして、フラックスリムーバーで洗浄しました。IC取り外しキットはお値段が高いですが、かなり便利なのでオススメです。

取り外しキットが手に入らない場合は、パターンを損傷させないように気を付けながらICの足をカッター等で切断して外せばOKです。その代わり、外したICは再利用できなくなりますが。

ICの張り替え

ケースと干渉しない位置を検討して、この位置にICを張り付け、ひたすら配線しました。抵抗やコンデンサ、セラロックも必要なので、それぞれケースと干渉しないように注意。
配線

電源のみジュンフロン線を使いましたが、それ以外は全てポリウレタン線です。以前は細いと思っていたジュンフロン線ですが、ポリウレタン線に慣れると太く感じてしまいます。

ボタンの配列は、12345678→ABXYLRSelectStartの順番にしました。この作業は配線数が多いのでそれなりに疲れますね。

裏側

USBPADから取った電解コンデンサ2個はスペースの都合で裏側に取り付けました。穴は適当な位置にドリルで開けてます。

また、USBケーブルは、元々ケーブルのコネクタが付いていた穴に取り付けてます。2m長と無駄に長かったので1mに切りつめて、先端は熱収縮チューブで適当に加工してます。

USBスーファミPAD完成!

先に洗浄しておいたガワをかぶせれば完成です。試しにPCに繋げてみましたところ、バッチリと8ボタンUSBPADとして認識しました。


せっかくなので…(お約束)

で、余ったサンワサプライのPADですが、形状もイマイチだし、方向キーの形状がどうも馴染めないんですが、捨てるのもアレだし、せっかくなのでスーファミPADとして復活させてやることに。

かなり手間掛かるし、使いにくいスーファミPADが一個出来上がるだけなので、普通の方にはお勧めできない改造です。

移植、移植ぅ〜

ICの足のピッチが細かいので、これまたポリウレタン線で配線。電源だけジュンフロン線とビニール被覆線使ってます。元々USBケーブルが刺さっていた穴を再利用。

ちなみにセレクト、スタートキーはL1&R2に割り当てました。

使えました

ということで、スーファミに繋いでみたところ、キチンと機能するようでした。試しに使ってみましたが、予想通りイマイチです。こんなPAD改造するくらいだったら、ハードオフでもう一個100円の純正コントローラ買ったほうがいいです。

総評

てなわけで目的のUSB仕様のスーファミPADと、またもやどーでもいい副産物が1個できちゃいました。総工費400円ですが、掛かった時間、解析&改造(2つぶん)でやっぱり5時間くらい掛かってます。市販のコントローラの値段を考えると、普通の人にはオススメ出来ない改造です。

このPAD、USBで繋がるので、ノートPCでファミコン・スーファミエミュレータを動かす時には重宝しそうです。エミュレータも純正PADで遊んだほうがしっくり来ますのでね。

ちなみにスーファミPADをPCに繋ぐ手段として、今回みたいにチマチマとIC移植するよりは、DirectPadPro仕様で作ってPSXPADをインストールしたほうが簡単でオススメです。コネクタを取り替えるだけで済みます。パラレルポートを持ったPC限定ではありますが。


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