セガサターン標準PAD
エレコム USBゲームPAD JC-U609BK
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今回の生け贄君はハードオフのジャンク箱から発掘しました。100円ショップ価格が涙を誘います。なぜか100円から300円と値段にバラ付きがあり、高いからといって程度が良いとは限らなかったりして、相変わらずハードオフは謎な値付けです。 捕獲の際にはなるべく程度の良さそうなのをチョイスしてます。回路やケーブルは不要なので、ボタンの押した感じと見た目が良いものを選びました。 |
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ドナーはエレコムのUSBパッド(9ボタン仕様)です。JC-U609BKなる型番で、2005.1月現在は現行商品みたいです。ちなみに定価は2079円だとか(これまた微妙なお値段)。ボタン構成は6ボタン+LR+スタートボタンで、SSのものとまったく同一です。新品480円でお買いあげ。 ウチに来たばっかりに、一度も普通にUSBPADとして使われることなく、臓器提供されてしまいました(涙。 |
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USBパッドを開けて、回路を解析します。IC一個と、セラロック、コンデンサ2個、抵抗2本で構成されてます。パターンを追いかけてどの足がどこのボタンに割り当たっているか調べ、配線図を書き出しました。 |
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処理チップは、CY7C63001A-PC なるチップ。CYPRESSというベンダーの製品で、おそらくプログラマブルなUSB専用の1チップマイコンだと思います。 これら実装されている部品を剥がしてSSコントローラの基板に移植し、同じ回路を再現するわけですが、半田抜き取りが面倒くさかったのでICは足をニッパーでパチパチと切断して取りました。どうせ移植する際に足は短く処理してしまうので問題無しです。 回路はちょっと変わっていて、基本的に各ボタンはLレベルでアクティブになるのですが、なぜかAボタンだけはHレベルでアクティブでした。謎。 |
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SSPADの回路のほうも調べて配線図を書き出しておきます。 処理チップは結構ピッチの細かいICですねぇ。基板には専用ICとパスコン用のチップコンデンサしか載ってません。この裏側にはジャンパピンが1本とケーブルだけ。 |
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専用のカスタムICでしょう。各ボタンの入力をパラレルに受けて、それをシリアル変換してSSと通信してます。ピッチは2mm間隔程度かな?ちなみに各ボタンは全てLレベル(GNDと接続)でアクティブになります。 無傷でICを剥がすために、サンハヤトの面実装IC取り外しキットを使いました。これ、定価で4300円と値段は高いですが、使ってみるとかなり便利です。1セット買えばしばらく使えますし、抜き取った部品の再利用で、ある程度は元が取れるので、ジャンカーなら買っておいて損は無いかと。 |
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ガワやボタンと干渉しない位置を考えて、ICはこの位置に張り付けました。足を短く切りそろえて広げ、両面テープで貼り付けて配線してます。 元のUSBパッドは、AボタンだけHレベルでアクティブになる仕様なので、Aボタンのコモン側をミニルーターで削ってGNDから切り離し、ジャンパ線で+5Vに繋いでます。 |
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LR以外の各ボタンの信号は、剥がしたICのパターンを使いました。ピッチが細かいのですが、他に取りやすそうなところが無いもので。半田付けの際に手が震えると隣と簡単にブリッジしますのでポリウレタン線で配線してます。普通の被覆線だとちょっと厳しいと思います。ジュンフロン線なら行けると思いますが、アレは皮剥きが面倒で…(ヘタレ。 ちなみにAボタンは元々10kΩでプルダウンされてましたので、抵抗も移植しています。 |
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USBケーブルも移植しますが、元のケーブルが付いていた穴の未使用ピンの部分などをテキトーに利用してます。 中央にいくつか穴が並んでますが、これはワイヤーを表裏に引き回すつもりで開けた穴です。結局ほとんど使いませんでしたが。 |
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ということで、ケースを被せて完成。USBケーブルが透明なのが違和感ありまくりです。ワイヤーの色も揃えたかったですが、480円ジャンクから取ったものなので贅沢は言えませんな。 制作費たったの580円ナリ。3000円で買うよりは安いのですが…。 |
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幸いケーブルの付け根の形状はほとんど同じだったので、無加工でそのまま填りました。特にグラつくこともなく綺麗に固定できてます。 |
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て余ったエレコムのPADですが、XBOXのコントローラみたいに無駄にアメリカンサイズです。ボタンを押した感じもヘコヘコしていてへなちょこな感じ。安物なので贅沢は言えませんが、もう少しなんとかならんものでしょうかね。 部品を採った残骸など、普通ならゴミ箱行きですが、地球に優しいサイトを目指すにがHPでは、使えるものを捨てたりしません(貧乏性ともいう)。ここは敢えてサターンPADとして復活させてやりましょう。 |
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ということで、SSコントローラの改造と同じ手法でICを移植しました。AボタンはLレベルでアクティブになるようにパターンカット&ショートしています。それ以外はほとんどICの足とICが載っていたパターンをワイヤーで結線するだけです。 |
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拡大すると判りますが、結構細かい配線です。ICの足の間隔が狭いのでやっぱりポリウレタン線使いました。SSコントローラの改造よりワイヤーの本数が多くて面倒くささ倍増です。 尚、ケーブルのコネクタは、基板の真ん中の開いているスペースにルーターで穴を開けて裏から差し込んでます。そのほうが綺麗に配線できるので。 |
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ケーブルはSSコントローラ同様に綺麗に填りました。SSに繋いで動作確認したところ、問題なく使える模様。 苦労して配線して改造しましたが、冷静に考えるとこれ、100円の価値もないです。SS専用コントローラが欲しかったらハードオフでもう一個100円で買ってきたほうがまだマシです。面倒くさかった割に報われない作業でした。 |
総評 てなわけで目的のUSB仕様のSSPADと、どーでもいい副産物が1個できちゃいました。総工費580円ですが、掛かった時間、解析&改造(2つぶん)で5時間くらい。5時間もあれば最低賃金のアルバイトでも3000円以上は手に入ります。同じ時間使うならバイトでもして3000円の完成品買った方がオトクということが判明してしまいました。
一般人の感覚をお持ちの方には、こんな下らない改造しないで普通に製品版を購入されることをお勧めします。私みたいに敢えて「ネタ」として改造するというのなら止めませんが…。
copyright (C) 2005 Niga.