カシオデジタルギター

「DG-20」使用レポート


CASIO Digital Guitar 「DG-20」

 ギターを最初に触ったのは高校の頃の音楽の授業でした。ウチの高校はなぜかギターが大量にあり、授業で全員に割り当ててギターの初歩を教えていました。で、やってみると意外と簡単。コードも形をいくつか覚えてしまえば伴奏程度だったらすぐ出来るようになります。それ以上となると結構敷居が高いみたいですがね。

で、面白いのでアコースティックなギターを叔父から貰い受けて自宅で暇なときにポロロォォンと弾いていました。高校の時にMSXのプログラミングとピアノばっかり弾いていた自分は見事に受験に落ちたのですが、浪人時代にギターで「神田川」を弾いて「浸ったり」してました(爆)。

もとよりデジタル指向な私はギターもこれからはデジタルだぜぇ、と意味不明な考えでカシオのデジタルギターなるものが非常に気になる存在でした。


やや迷って購入

94年の8月、秋葉原ラオックスで購入。定価は不明ですが、購入価格は29800円。丁度新モデルが出た後で、在庫処分だったため、値段が下がってました。在庫処分ということに牽かれて買ってしまいました。新モデルより機能は豊富みたいだったし。普通は別売りのケースとACアダプタもセットでお得感がありました。

全体像

サイズはだいたい標準的なエレキギターと同じ。乾電池(単一6本)を入れると結構重量感あります(3.5kg)。それでもエレキギターよりはずっと軽いのですがね。

デザインとしては適当なダサさで、カシオらしいというかなんというか・・・。

普通のギターと同じ6弦。素材はナイロン。調弦不要。単に適当な張力で張っているだけです。振動は本体側にある振動センサーで検知します。弦は普通に使っていたら切れることはまずないでしょう。張力が弱いから。

弦が本当に響いているのかどうかまでは検知せず、普通のギターで弦をはじくときに左手が弦に触れていた場合に鳴る「ペソッ」という音は出ません。単にセンサーに振動が伝われば音を出すだけの単純なメカニズムです。

ネック

前面にゴムが張ってあります。本物では金属であるフレットのとこもゴム。うーん安っぽいなぁ・・。このフレットのゴムの下に接触センサーがあり、押さえているフレットを認識するというメカニズムです。つまり、押さえているポジションと弦の振動という二つの要素で音を出しているわけです。

ゴムなので押さえ感は悪いです。反応もあまりよくなく、押したつもりが押されてないということもしばしば。そのくせ弦をはじくと振動センサーにより否応なく音が鳴るので、まったく予期していない音が出ることがあります。

個人的には弦とフレットを金属にして、電気的に接触を検知したほうが良いのではないかと思うのですが・・・。

コントロールパネル

20種類の音色と12種類のリズムパターンを選択できます。転調もここの設定で簡単に可能。

一応、エフェクトとしてサスティンとリバーブがかけられます。っていうか、リバーブはかけるのがデフォルトですが。

 一応リズムマシーン的な機能もあり、ギター演奏とシンクロスタートさせたり、演奏中にFILL IN させることもできます。ドラム、シンバルボタンが前面に付いており、演奏の合間にマニュアルで鳴らすこともできるようです(やったことないけど)。

拡張端子群(これ重要)

Line IN は無し。単独ではミキシングできません。あと、ピッチ調節が可変抵抗で、なぜかアナログ・・・。

MIDIはOUT端子しかなく、外部音源を繋ぐことはできますが、デジタルギターそのものを外部音源として使用することはできません。一応「打ち込み」にも使えるようにはなっていますが・・・。いかんせん、この楽器は発音のメカニズムが本物のギターと根本的に違うため、演奏感が「ギターに似て非なるもの」という感じであり、普通のギターが弾ければ即弾けるというものでもないです。弾きこなすにはある程度の訓練が必要。まぁ、ギターの流れるような分散和音は普通に打ち込むと骨が折れるので訓練して打ち込みに使っても良いのかも知れません。私はやりませんでしたが。

MIDIのモード切替っていうのは6弦を一つのMIDIチャンネルで送信するか複数のチャンネルで送信するかを切り替えるものであまり使わないような気がします。っていうか私は使ったことありません。


総評

 ギターに似て非なるもの。発音のメカニズムの違いは大きかった。まぁ、慣れれば良いのでしょうが。

 音が貧弱な感じがあり。FM音源チック。っていうか、ひょっとしたらFM音源そのものじゃないのだろうか? リズムはPCMだと謳っていますが、スペック表にメインの音源がFMともPCMとも書いてないところが怪しい。まぁ、音色の問題は外部音源を繋げれば解決するので、なんとかなりますが。

 値段は3万円と楽器にしては安かった。ここら辺はさすがカシオといったところか。

 リズムマシン内蔵なので単独で伴奏マシンとして使える。リズム&コードが一台で出せるので他の楽器とのアンサンブルにはかなり使えます。私はパッヘルベルのカノンのコードをリズム付きでこの楽器(ディストーションギターの音)で鳴らしてヴァイオリン演奏を侍らせ、ニューミュージックなカノンをやったことがありましたが、なかなかイイ感じでした。あくまでも伴奏系のマシンとしての使用であれば実用レベル


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