ヤマハデジタルピアノ

「CVP-103」使用レポート


YAMAHA Digital Piano CVP-103

 もう10年も前の話になりますか、私は高校の時に突然にピアノを始めたのですが、最初我が家(実家)にピアノが無く、ヤマハのキーボード(近所の家電店にて29800円で購入、音はFM音源の安っちぃ奴)から入りました。当時から目標だけは何故か高く、ズバリ、「ショパンの幻想即興曲を弾くこと!」。周りの誰もが「無謀だ」とか言いましたが、そんなことはやってみなきゃ分からんので、無視。 しかし49鍵しか無かった当時のキーボードで確かにショパンが弾けるわきゃぁなく、親に泣きついてカワイの電子ピアノを買って貰ったのでした。親に泣きついてモノ買ってもらうなんて初めてしましたよ、ホント(ガキの時代の「ダダこね」は除くが)。

 当時のカワイの電子ピアノはさすがに10年前のモデルだけあって、タッチはかなり悪かったです。その頃はハンマーアクション内蔵の電子ピアノが出始めた時代で、買ったのは旧モデルの処分品だったのでそんなものはありません。まぁ、それまでキーボードを弾いていた自分にとってそれでもある程度「固い」タッチであったので当初は不満無かったです。本物のピアノのタッチも知らなかったし。

 首尾良くデジタルピアノをゲットした私は、生来の凝り性も手伝って、練習しすぎで指先から流血したりセロテープで指を補強したりして(マジで)、目標は一年半くらいで達成。その後しばらくピアノをあまり弾かない人生を続けていました。まぁ、カワイの古い電子ピアノではタッチと音が悪すぎてなんか弾く気になれん、というのが正直な所でした。

 そんな悶々とした時代(ウソ)を過ごしていた99年の冬、ヨドバシカメラに展示してあったヤマハクラビノーバを何気なく試し弾きしたのですよ。「こ、これは!」 見事に私は物欲を刺激されてしまったのであります(笑)。


速攻で購入(爆)

99年の11月10日、ヨドバシカメラ札幌店にて購入。定価は28万円。高ぇ! ヨドバシでは税込みで252000円。ヨドバシのくせに一割しか値引きしないでやんの、チッ(笑)。でもポイントバックが一割あるからまぁいいや。どうでも良いけど、カメラ屋でピアノ買うってのは不思議な感じですね。どこをどう間違うとカメラとピアノが結びつくのだろう・・・まぁいいや(こればっか)。ちなみに店から知人の車で運んで帰ろうと思ったのですが、店には在庫を置かないようにしており、メーカーから直接届くということでした。まぁ確かにこんなデカいものをいくつも在庫させてたら倉庫がいくつあっても足りませんな。

全体像

幅はモノホンと同じ88鍵盤。重量はかなり重い。屈強な若者が3人でエッチラオッチラ我が狭いアパート(三階エレベータ無し)まで運んできました。うむ、ご苦労ご苦労(偉そう)。購入時の巨大な段ボール箱には本体の他、土台、イスまで入っており、マジ死ぬほど重いっす。

運んできたのは委託された運送屋だったので組み立てはどうもしてくれないみたいで、自分一人でやりました。土台の組み立てまでは良いのですが、本体(56kg)を土台に載せるので腰が死にました(うぐぅ)。

正面

いろんな機能があるらしく、ボタンの数は前使っていたカワイの奴よりはるかに多い。音色も675+12ドラムと豊富。ワンフィンガーコード機能とか、リズム付き自動伴奏とか、鍵盤上部のLEDを使ったガイド機能等々、シンセ系のキーボードチックな機能も一通り揃っている。

 とまぁ、いろんな機能が乗っかっているようですが、自分にとって一番大事なのは、タッチと音といった基本性能。これに尽きます。自動伴奏とか音色数とかおまけの機能がいくら充実しててもタッチや基本のピアノ音が悪かったら話になりません。

 お店でいくつか弾き比べてみましたが、カシオ、コルグ等と比べ、このモデルは鍵盤重めでより本物に近い感じがありました(値段も高かったが・・)。どうも一般に電子ピアノってのはタッチが軽めに作ってあるような気がしてなりません。現在のアコースティックピアノは昔のものよりタッチが重く作られています。これと同じくらいの重さと考えるとこのモデルが一番近い感じで重かったです。ピアノ音と音対タッチのバランスについても割と良い方。っていうか、音対タッチのバランスは良すぎて弾きやす過ぎる感じがあるくらいです。まぁ、厳密に本物のピアノと比べてしまうと、いずれもまったく同じって訳にはいかないんですが。でもこのくらいのレベルだと、クラビノーバが弾けて本物が弾けないという事態にはならないでしょう。前に使っていたカワイの旧モデルだと、タッチがヘコヘコすぎて、これが弾けても本物ではタッチが重くて弾けないなぁって感じでしたから。あ、断っておきますが、カワイのピアノ全部が悪いという訳じゃないですよ、あくまでも当時のものとの比較ですから。

 当然ハンマーアクションは内蔵です。低音の鍵盤はタッチが重く、高音の鍵盤は軽めに設定されていてイイ感じ。でも鍵盤戻りの音が大きいため、ヘッドフォン付けて弾いていてもハンマーの音が階下に伝わってしまうかも。

液晶表示と各種ロゴ

FDD装備!

MS−DOSフォーマットのディスク(1.44MBもOK)が読み書き出来ます。パソコンとリンクさせて使いたい自分には実に有り難い機能です。標準MIDIファイルをブチ込んだFDを入れると速攻で認識されてプレイ待機状態になります。MIDIファイルプレーヤーとしても実に使えます。音源はXG(GM対応)ですのでXGスコアの再生には最適。ローランド系のGSはあまり得意じゃないみたいですが、SC−88があるからまぁいいや。ちなみに同時発音数64で、16パートのXG音源です。

もちろん自分の演奏をデータとしてディスクに書き出したりもできますが、自分はあまり使わないです。ちなみにFDDの本来のアクセスランプのLEDはなぜか点きっぱなし。その横に本当のアクセスランプがありますが。

なんか、ここまで高機能だと、これだけでひとつのコンピュータって感じですね。

ペダル

 3本足です。未だにビニール被ってますが(笑)。設定でそれぞれにいろんな機能を割り当てられるようです。しかし、位置が高すぎてこのまんま使うと足がつります(マジでつった)。仕方ないので床に4センチくらいの台を置いて踏んでいます。

拡張端子群

(写真なし。っていうか、背面なので撮影不可・・・面倒で)

拡張端子はおきまりのLine IN/OUT と、MIDI IN/OUT/THRU の他、RS-232Cのコンピュータ端子が装備されています。これでPCと一本のケーブルで直接繋げます。PCにドライバを入れれば、PCの外部XG音源として動作。その気になれば「打ち込み」用キーボードとしても使えるわけです。


総評

 さて、いろんな機能を試してみましたが、タッチ、ピアノ音といった「ピアノ」としての基本性能は十分満足の行くレベル。おまけ機能もなかなか凝っていて面白いモデルです。昔のヤマハのキーボードでワンフィンガーコード等やっていた自分は、このピアノの伴奏機能とか速攻で使いこなすことができました(余談ですが、ヤマハ系とカシオ系ってワンフィンガーコードの仕様が違うんですよね。統一して欲しいもんです。ヤマハ方式に(爆))。「オモチャ」としてもかなり使えます(高いけど)。インテリ指向のご両親がおこちゃまに買い与えるピアノとしてもズバリお勧めできますね。邪道とか言われるかも知れませんが、いいんです。おこちゃまには十分すぎる性能ですよ、ハイ。値段もアコースティックピアノよりは安いですし。ヤマハはアコースティックピアノにサイレント機能を付けた「サイレントピアノ」も作っていますが、こっち(デジタルピアノ)の方が拡張性があって100倍面白いと思いますね。

 デジタルピアノ全般に言えることですが、音をほぼ完全にサイレントに出来るため、いわゆる「コソ練」に最適です。「ピアノを始めたいけど、この年にもなって「たどたどしい演奏」をご近所に聴かれるのがどうも・・」と思っているオジサマにもお勧めです。どうっすか?老後の趣味にでも一つ(笑)。

不満な点といえば、あまり大きなものは今のところないです。ペダルの位置が高いのが困ること、ヘッドフォンアンプの出力が弱いことくらいかな。

これは、ズバリ、買い!


ご意見、ご感想、ご質問はにがBBSまで!

Top pageへ戻る

copyright (C) 2000 Niga.