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LVDS液晶モニタ用 インターフェイスBOXの制作


CoCoNet液晶工房 A-200K+チューナーユニット

SONY VAIO専用LCDモニタ PCVA-141LAP

 先日PS2PC専用モニタとして、PCVA-141LAPの改造を行いましたが、このLCDモニタに接続出来る外付けのインターフェイスBOXを作成してみました。CoCoNet液晶工房(通販はAitendo's電子工房)のA-200K&チューナーをジャンクなHDDケースに組み込み、PCVA-141LAP(改)をはじめとする我が家のLVDS液晶モニターをテレビ&PC・ビデオモニターとして使えるようにするのが目的です。

 実は市販のLCDモニタの中にも同様の設計をしたものがあって、たとえば三菱のMDT151Xとか、ナナオのGAWINあたりがそれに該当します。いずれも液晶パネルとスピーカーを組み合わせたユニットと、入出力インターフェイスユニットが別々になっていて、ケーブル一本で繋がる構造になってます。要するに同じようなものをジャンク液晶とA-200Kを利用して作ってしまおうということです。

 外付けユニットなので、規格を統一したLCDモニタを作れば繋ぎ替えて使うこともできます。もちろん先日制作したアーム式LCDモニタ2号機も繋がりますし、今後LVDSモニタはすべて同じ規格で制作する予定です。


A-200Kとチューナー基板を内蔵できて、背面に一通りのコネクタを出せる箱ならなんでも良かったのですが、たまたま我が家で死蔵していた古い3.5インチSCSIの外付けHDDユニット(2GB)の箱がサイズ的に丁度良い感じだったので、これを利用しました。

鉄板でできていて、一応通気口も開いているので放熱についてはたぶん大丈夫でしょう。

前面には電源LEDとアクセスLEDが付いているのでこれをそのまま利用します。当初はここにA-200K設定用の押しボタンスイッチを配置しようかと思ったのですが、キット添付のパネルはサイズが大きくて使えず、汎用のスイッチを付けると見た目が汚くなるので、今回はオミットしました。A-200Kはリモコンで全ての操作が可能なので、リモコン受光部のみ組み込めばOKでしょう。

背面の加工

元々SCSIのHDDなので、電源スイッチとSCSI-ID設定スイッチ、SCSIコネクタx2個が搭載されていたわけですが、なるべく元からあった穴を利用しつつ加工してみました。

電源スイッチは元の位置に取り付けて、その横のSCSI-ID設定スイッチの穴はアルミ板をホットボンドで貼り付けて塞いでます。S端子とアンテナ端子の穴は新規に開けてます。

その下にはVGA入力、コンポジットビデオ入力、LVDS出力、スピーカー出力コネクタを取り付けますが、元々開いていたSCSIコネクタの穴を一部拡大して利用してます。

一番下の音声入力端子は元々開いていたアース用の穴をドリルで広げてます。ACケーブルが固定されていた溝はハンドニブラで広げてA-200Kに添付されていたDCコネクタが填るようにしました。

1mm厚のアルミ板で目隠し&固定用のステーを作成しました。

あまり目立たない部分なので、加工精度は結構いいかげんですが、ネジ穴だけはシビアに位置決めしてます(金属板なので少しでもズレるとネジが通らない)。四角い穴はハンドニブラでバキバキやりました。

実際に組み込むとこんな感じ。

できればRCAピンの音声入力端子も付けたかったのですが、スペースの都合でオミットしてます。音声入力はステレオミニプラグだけです。

ちなみにアンテナ用のコネクタはディレクTVのチューナーから部品採りしてます。メインスイッチはジャンクPS2から、ステレオミニジャックはISAバス用の古いサウンドブラスターから採ってます。一見細かい部品ですが、パーツ屋で買うとそれぞれ数百円してしまいますので、できるだけジャンクから再利用してます。

今回は26pコネクタだけ部品屋で買ってます。630円もしますが…。

LVDSコネクタへの配線

バックパネルの内側ですが、結構密集してます。LVDS信号は例によって26pハーフピッチアンフェノールコネクタからA-200Kへ中継ケーブルを介して接続するわけですが、今回は特にシールドされていないフラットケーブルを使ってみました。ケーブル長はおよそ15センチ。2p置きにGNDを挟んでいるお陰か、特にノイズが載ることなく綺麗に表示できています。

ちなみにフラットケーブルのA-200K側は、千石電商で入手した2mmピッチのピンヘッダメスコネクタに半田付けしてA-200Kに着脱出来るようにしてます。

26pハーフピッチアンフェノール

1
GND 14 LVDS A0-

2
LVDS A0-GND 15 LVDS A0+

3
LED 緑 16 LED 橙

4
LVDS A1- 17 LVDS A1-GND

5
LVDS A1+ 18 8pへジャンパ

6
LVDS A2- 19 LVDS A2-GND

7
LVDS A2+ 20 GND

8
18pへジャンパ 21 LED 赤

9
バックライト on/off 22 LVDS CLK-

10
LVDS CLK-GND 23 LVDS CLK+

11
Vcc(+12V) 24 Vcc(+12V)

12
Audio-Rch 25 A-GND

13
Audio-Lch 26 GND

既にPS2PC用のLCD改造記事で記載してますが、コネクタの配列はこんな具合です。LED信号と謎のジャンパピンは必要ないので、3,8,16,18,21pは未接続です。

バックライトon/offの制御信号(9p)ですが、これはA-200KのLCD用電源(+3.3V)から取りました。最初A-200Kのバックライト用の電源制御信号を取ってみたのですが、うまく動作しなかったためです(電流不足?)。

音声出力については、チューナーユニットのスピーカー用出力端子からステレオミニジャック(外部スピーカー出力端子)に繋ぎ、そこから横取りしてLRそれぞれ220Ωを噛ませて12,13,25pに接続しました。スイッチ内蔵のステレオミニジャックを使い、外部スピーカー端子にプラグが刺さると、LCDモニタへの音声出力がカットされる仕組みにしてます。

音声入力は元々チューナーユニットにコネクタが付いているのでが、レイアウト上そのまま利用できないので、シールド線で引き回して背面のステレオミニジャック(音声入力端子)へ誘導してます。

+12V(11,12p)/GND(1,20,26p)の電源ラインについては、インターフェイスBOXのメインスイッチのところから分配するようにしてます。これで、ACアダプタ1個でインターフェイスBOX、LCDモニタ両方に電源を供給できます(その際、モニタ側のDCジャックは未接続にする)。それなりの容量のACアダプタが必要(たぶん2Aでは足りない)になりますが、ACアダプタが1個で済むし、配線の引き回しもシンプルになります。


A-200K基板の固定

元々3.5インチのHDDが入っていた筐体なので、ソレ用のネジ穴が開いているわけですが、その穴を利用してA-200Kを固定するためのステーを作成しました。1mm厚のアルミ板を金鋸とハンドニブラで加工して、穴を開けたものです。

A-200Kはちょうど3.5インチドライブの幅を少し狭めたようなサイズなので、こんな感じにステーを付けるとピッタリと固定できます。

A-200Kをワッシャーを噛ましてステーに固定しました。

チューナーユニットは、2階建てにしてネジ穴2カ所で固定しています。片方はA-200K+ステーと共締めにするようにスペーサーを噛ましてます。もう一方はネジ穴の真下にA-200K基板が来てしまうので、アルミのアングルでブリッジしてからスペーサーでステーに固定しました。

固定位置

立体的は位置関係はこんな感じ。左側はステー、A-200Kのネジ穴にスペーサーを噛ましてます。右側はアングルでブリッジしてスペーサーでステーに固定。


リモコン受光部

前面のパネルにリモコン受光部を組み込みます。ちょうどアイオーデータのメーカーロゴみたいなのが填っていたので、これを剥がして穴を開けて仕込むことにしました。

受光素子は敢えてCoCoNet純正品を使わず、秋月電子で購入したものを使ってます(PL−IRM0101(38kHz)シールド付110円)。受光部だけ買ってそれぞれに仕込んでおけば全てのA-100K/A-200Kで同じリモコンが使えるわけです。リモコンなんて一家に一個あれば十分ですもんね。

目隠しの黒いプラスチックの板はジャンクなビデオリモコンから切り出したものです。

裏側から受光素子をホットボンドで貼り付けて、表側からは目隠し板を両面テープで貼り付けました。


組み込み完了

各コネクタの配線を行い、組み込み完了した状態です。A-200Kに添付されているコネクタ付きケーブルを使わずに半田付けしてワイヤーを引き回した部分は結構多いです。

音声信号やS映像、コンポジットビデオ信号は適当なシールド線で引き回してA-200Kやチューナー基板に直接半田付け。アンテナ線はシールド線で引き回してます。

裏側

裏はこんな感じ。S映像、コンポジットビデオ信号とリモコン受光素子、LED信号は裏側から取り出してワイヤーで引き回しました。

リモコン受光素子の信号と、LED信号取っている部分。

ガワに元々電源LED=緑アクセスLED=赤が載っていたので、そこに繋いでます。

映像信号は以前にキット添付のケーブルでノイズが載った経験があるので、今回もシールド線で手配線しました。

背面端子群

背面端子の配列はこんな感じです。スペースが狭いのでゴチャゴチャしてしまいましたが、最低限必要な物は一通り組み込めたと思います。

前面は至ってシンプル。改造前後での見た目の違いはリモコン受光部のみ。知らない人が見たらHDDにしか見えないでしょうね。

電源スイッチくらいは付けて置いた方が便利かも…。


総評

 製作期間およそ1週間で完成。このユニットを使うことで、PS2PC専用に改造したPCVA-141LAPが汎用モニタ&テレビとして使えるようになりました。試しにPS2をS端子を介して繋いでみましたが、バッチリ映ってます。コネクタの仕様をPCVA-141LAPとほぼ同じにしているので、無改造のPCVA-141LAPを繋いでも映るし、音も出るはずです(モニタ側のLEDは点灯しませんが、数本配線を加えれば点灯も可能)。

先日制作したアームモニタ2号機に繋いでみましたが、こちらも問題なく表示できました。スピーカーが貧弱なので音質はアレですが、アーム式液晶テレビとして使えてなかなかイイ感じかも。音質が欲しい時には外部スピーカー端子を使えば問題ありません。

では、お約束の制作コストを計算します。

品目

価格

備考
A-200K

7800円

LVDSケーブル、インバータ無しの価格
チューナー

5800円

サービス価格
リモコン

0円

サービス品
筐体

0円

ジャンク
リモコン受光部

110円

秋月で購入
コネクタ、ネジ等

約900円

合計14610円

やっぱりA-200Kを使っているだけあってそれなりにコストが掛かってしまいますね。ていうか、トータルコストのほとんどがA-200K+チューナーの値段ですが。A-200Kはともかく、チューナーは載っている部品を見た感じだと、もっと安くてもよさそうな気がします。

とはいえ、比較的安価に制作、改造可能なLVDS液晶と組み合わせられるこのユニットの利用価値は結構大きいです。外付けユニットなので、将来的に写りの良いLVDSパネルが手に入ったの乗り換えも容易ですし。

今後の制作予定ですが、以前にDO-夢で捕獲した15インチのLVDS液晶パネル(ガワ付き¥2980)があるので、それを同じLVDSコネクタの仕様で制作して壁掛けテレビにでもしようかと考えています。

ということで、LCDネタは今後もまだまだ続きます…。


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