SONY PlayStation 2 Linux kit
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まずはPS2LinuxのDVDをPCのDVDドライブに入れて中を見てみます。これだけのディレクトリとファイルが入っており、全容量は1.32GB。当然800MBのCD−R一枚では入りきらないので、ブートに必要そうなファイルのみ抽出します。 | |
約5分検討を重ねた結果、ブートに必要そうなディレクトリはこんなところかな? と考えてとりあえずこれで作ってみます。bootディレクトリはいかにも必要そうですが、modulesは本当に必要かどうか分かりません。まぁ容量小さい(506kB)ので入れても大したことないです。これら全部でたったの5.75MB。 |
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次に、B's Recorder GOLDでディスクイメージを作成します。上記で選択したファイル、およびディレクトリをドロップして、トラックのプロパティを設定します。その際、MODE2 XA、ボリウムラベル無し、ファイル名はISO規格に準拠、とします。正しく設定できればだいたい上の画面みたいになるはずです。 トラックのプロパティが設定できたら、ツール→イメージ作成で、ISO9660のディスクイメージを作成します。適当な名前を付けて保存したら次はこのディスクイメージにパッチを当てましょう。 |
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パッチにはASA Patcherというソフトを使います。ASAさんのサイトで入手。Boot Disc Image Fileのところに自分の手持ちの適当なユーティリティディスクのバージョンを選択し、Game Disc Image Fileのところで、先ほど作成したイメージファイルを指定。Select Patcherの項目でSwap Trick Patcherを選択してPATCHボタンを押下。これでPS2規格のCDイメージとしてパッチが当てられたはずです。 |
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パッチが当たったイメージファイルをB's Recorder GOLDにて、ディスクアットワンスで焼きます。これで、スワップトリック用のLinux起動用CD-Rが焼けたはずです。 では早速テストしてみましょう。まずはMODチップを搭載したSCPH-10000でテスト。こいつにはスワップトリック用として一般的な「puceps2.hex」を使ったMODチップが取り付けてあり、PS2正規ライセンスのCDを入れてブートすると、ディスクが回転したまま強制イジェクトされ、トレイが閉じるまでの約2秒の間にバックアップCDに入れ替えて起動するというデンジャラスな仕様となっています。ディスクが回ったままイジェクトされるので、あんまりやりすぎるとブート用のCDがキズだらけになります。 私はブートイメージとしてユーティリティディスク ver1.00を選択しましたので、まずはこれでPS2を起動。おもむろにトレイ高速にイジェクトされるので作成したブートCDに入れ替えました。 |
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割とアッサリと成功。DVDを一切読まずにPS2Linuxの起動画面を拝むことができました。これも素晴らしいパッチソフトを作成されているASAさんのお陰ですね。自力だけではどうにもならなかったと思います。感謝感謝。 早速GALAXIES.jpのよしさんに報告しました。よしさんはSCPH-10000で運営されていたはずなので、puceps2.hexのMODチップさえ付ければ行けるはずなので。 |
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さて、SCPH-10000での起動が成功したので、次はSCPH-30000で起動する方法を探ります。SCPH-30000では、設計変更によりpuceps2.hexのMODチップを使ったスワップトリックが出来ないようになっているため、代わりにUSB-MODと言われるUSB端子に接続するタイプのMODチップが使えるらしいです。本体側の配線は前回の記事で書いていますがたったの1本です(ただし細かい作業が必要)。hexファイルにはNeokey.hexを使いました。とりあえず材料はこんな感じ。 USBケーブルはジャンク100円のやつ。あとはパスコン用セラミックコンデンサ(0.1μF)、電解コンデンサ(1μF)、PICマイコン(12C508A)、ICソケット、LED、220Ω抵抗、ってなところ。当初、切り離し用のスイッチも用意したのですが、配線が面倒なので使いませんでした。信号を切り離す時にはUSBケーブルを引っこ抜けば済むはずなのでスイッチは付けなくてもOKでしょう。制作費は500円くらいかな? まぁPICライターなどの設備投資は必要ですけど。 |
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適当に配置して配線。回路図はソレ系の海外サイトを参照のこと。Neokey.hexの配布サイトに載ってます。ここでは敢えてリンクしません。ちなみにLEDと抵抗は別になくても動作しますので省略可能。面倒ならパスコンなんか無くても動くと思います。要するに最小限、電源ラインと信号ラインだけ配線すれば動きます。 最後にPICライターでNeokey.hexを焼いてICソケットに載せて完成。 |
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完成品はこんな感じ。面倒なのでケース無しです。まぁ、Linuxの起動に使えれば良いという程度の使い道ですからテキトーです。ケーブルはもっと短い方が良かったかも…。 とりあえずテストとして、PS1用のゲームをCD-Rでバックアップしたものをやってみましたところ、実にアッサリ起動してくれました。キチンとUSB-MODが機能しているわけです。問題はPS2のバックアップが動くかどうか、です。 |
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そのスジの情報によると、PS2のバックアップを動作させるためにはプロアクションリプレイ(PAR)が必要らしい。そこで、通販ショップを探していたら、ちょうどPARはバージョンが上がるために入荷待ちとなっているそうな。バージョンアップ後の「PAR2」ではDVDプレーヤーのRGB出力機能があったり、いろいろと使いやすくなっているということなので、PAR2を通販で予約して購入してみました。 にしてもPAR2って結構高いです。定価7800円。送料入れたら8600円もしやがります。ピックアップユニットの部品代より高いんじゃなかろうか…。いや、どうせピックアップなんて売って貰えないんですけど。 |
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材料が揃ったので前回修理したDVDが読めないSCPH-30000とPAR2+USB-MODでテストしてみます。情報によると、CD-Rで焼いたPS2バックアップの起動には、PARを起動後に、ゲームスタート>コード使わないを選択してバックアップに入れ替えるだけ、とされていますのでその方法で試してみました。 しかし、何度試してみても起動できず。ディスクの回転が止まってハングアップ、または画面がブラックアウトしてディスクが高速に回転したまんまになってしまいます。試しに他のPS2ゲームのバックアップCDで試してみたところ、これはちゃんと起動できました。CDで供給されているPS2ソフトのバックアップの起動は問題ないようです。 うーん、もしかすると、DVDをCDに変換したソフトでは上手く行かないのかも…。あるいはPARがPAR2にバージョンアップしたために上手く行かなくなってしまったとか…。 |
噂によると、PAR2では、DVDソフトのバックアップがうまく起動できなくなっているとかなんとか…。PS2Linuxは元々DVDのソフトなので直前バージョンのPAR 1.6Jなら上手く行くかも…。 と、考えているうちに気付いたらヤフオクで落札していました(バカ)。あぁ、さらなる散財を…。しかしここで引き下がってはソニィタイマーに負けたことになる。手段がなくなるまで諦めませんよ、私は。 |
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で、試してみたんですが、PAR 1.6Jでも、USB-MOD を利用した起動はできないようでした。せっかくPAR1.6Jまで買ったのに…。
しかし、さらに情報を集めたところ、最近ではDVDのバックアップ起動には、MODチップを使わずに強制イジェクトスイッチなるものを使ってディスクスワップする手段が一般的なんだそうです。その方法を調べて試したところ、なんと起動できちゃいました。しかもMODチップも改造も不要でした。わざわざ苦労してUSB-MOD作る必要無かったような…。
次回はその方法をレポートします。次回へ!
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