A1Fのシステムソフトウエアは1Mb(128kB)28pのマスクROMに入っている。同容量のEPROMとはピン数が異なるので変換が必要であるが、各々のピンアサインは上図のように共通点が多い。EPROMのVppと/Pは書き込み時に使う信号なので無視して構わない。メインボードには32pのICソケットを実装することになるが、EPROMの1,2,31,32pの場所にスルーホールはないので、不使用の1,31pはソケットのピンを引っこ抜いておく。2p(A16),32p(VDD)はソケットの足がメインボードに接触しないように加工しつつ、ワイヤーで当該パターンに接続。24p(/OE)もメインボードに接触させずにVDDに接続する。 |
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元のROMがどのようにシステムにマッピングされているか調べるために、ROMライターで読んでみた。マスクROMはライターが非対応なのでEPROMとピン互換になるように足を加工した。
ちなみにこのROMをEPROMソケットに挿せば元のBIOSで動作可能。
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A1F MSX2 システムROM
ROMの実アドレス
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内容
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容量
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SLOT
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PAGE
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00000h-07FFFh |
BASIC MAIN
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32kB |
#0
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P0,P1
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08000h-0BFFFh |
BASIC SUB
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16kB |
#3-1 |
P0
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0C000h-0FFFFh |
DISK ROM
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16kB |
#3-2 |
P1
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10000h-13FFFh |
単漢字変換
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16kB |
#3-1 |
P1
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14000h-17FFFh
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不明
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16kB
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#3-1
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P2
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18000h-1FFFFh |
内蔵ソフト
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32kB |
#3-3 |
P1,P2
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マスクROMの内容とスロットマップを照合した結果がコチラ。
これを元にMSX2+実機から吸い出したシステムROMのバイナリを結合して新しいROMイメージを作成する。
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改造用MSX2+ システムROM
ROMの実アドレス
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内容
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容量
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SLOT
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PAGE
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00000h-07FFFh |
BASIC MAIN (A1FX)
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32kB |
#0
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P0,P1
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08000h-0BFFFh |
BASIC SUB (A1FX)
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16kB |
#3-1 |
P0
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0C000h-0FFFFh |
DISK ROM (A1FX)
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16kB |
#3-2 |
P1
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10000h-17FFFh |
漢字BASIC (A1FX)
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32kB |
#3-1 |
P1,P2
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18000h-1BFFFh
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FMBIOS (A1WX)
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16kB
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#3-3
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P1
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1C000h-1FFFFh |
不使用 (FFh埋め)
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32kB |
#3-3 |
P2
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DISKROMはFDCに依存するが、A1FもA1FXもTC8566F搭載機なので、バージョンの新しいA1FXのものに差し替えた(相違点は不明)。ハードウエア構成の異なるFDDのDISKROMは使えないので注意。
FMBIOSは内蔵ソフト領域を利用するので、以後内蔵ソフトは使えなくなる。元に戻したい場合は外したマスクROMを併設するか、2Mb以上のEPROMを使って切替られるようにすればよいだろう。なお、内蔵ソフトはDELキー押下でスキップできるが、ついつい忘れて鬱陶しいコックピットが起動してしまい、イラっとする人は内蔵ソフトにパッチを当てることをお勧めする。具体的にはROMの5D9Bh(ROM実アドレスで19D9Bh)のC8hをC0hに書き換える。これで通常は内蔵ソフトはスキップされ、逆にDEL起動でコックピットが起動する。
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EPROMをソケットに実装。この時点ではF4レジスタは非実装であるが、松下のMSX2+BIOSではF4レジスタがなくても電源投入時のMSX2+起動ロゴは表示される(SONY系BIOSではソフトウエアリセットとみなされ、ロゴがスキップされる)。
なお、メモリは1990年代に128kBに増設してある。たった64kBの追加だがDOS2が使えるメリットは大きかった。自分にとって初めての改造で、当時は装備も貧弱であったためスルーホールに埋まった半田を抜くのにやたら苦労した。安物の半田コテと吸い取り線でスルーホールに挑むのはやめておいた方がよい。
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定番のTINY野郎さんのSLOT CHECKERによる表示。内蔵ソフトが削除されてFMBIOSに置き換わっている。
この時点ではFM音源(YM2413)を実装していないので音は出ない。
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TINY SLOT CHEKERはROM版が提供されているので適当なゲーム基板を利用してEPROMを焼いておくと便利。ROM版はPage3のチェックもできるし、ディスクドライブの無い機体でもすぐに使える。
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