子供の頃、札幌の雪祭りといえば憧れのイベントだった。開催時期は毎年この時期の1週間。冬休みでもなんでもない時期であるため、関東に住んでいた自分は、学校をサボって飛行機にでも乗らない限り決して行けるようなイベントではなかった。今はどうだか分からないが、当時は「学校をサボる」などということは身内の不幸でもない限りありえないことだったし、北海道までの旅費だって簡単に親にねだれるものではなく、毎年ニュースで報じられる度に「どうしてこんな時期に!しかもたった1週間しかやらないのだろう!」と恨めしく思ったものだ。
自分が北海道に来たのはバブル経済が崩壊し、景気が悪化傾向にある頃だった。学生の頃は大通り公園の近くの賃貸マンションに住んでいたので開催時期には徒歩で気軽に行けるようになり、毎年散歩がてら見に行っていた。その頃の自分には雪祭りに対して子供の頃ほどの憧れはもうなくなっていたが、細部まで緻密に作り込まれた雪像はなかなか見所のあるものだった。大学を卒業する年には部活の後輩たちと市民雪像作りにも参加した。でも、残念ながら景気の悪化とともに出来のよい大雪像の数は少なくなってしまったように思う。大きな雪像にはスポンサーが必要なので致し方ないことだとは思うが。
あいにく今年は土日と祭日に仕事が入ってしまっていた。それでも子供に雪像を見せてやりたかったので平日の夜に仕事を終えてから行ってきた。夜は寒いという難点があるものの雪像がライトアップされており、昼間よりも立体感が強調されてよく見えるというメリットもある。この日は夜にしては比較的暖かい方ではあったのだが、子供には堪える寒さだったようで、終始鼻水を垂らして不機嫌モード。会場には屋台がたくさん出ており、熱いカニ汁だとか甘酒などで温まることができ、それが楽しみの一つでもあるのだが、子供は極端な猫舌なのでそれができず、寒くてたまらなかったようだ。
地下鉄大通駅で降りて、西2丁目から地上に上がり西方面へ歩いた。これは途中の動物園雪像。旭川の旭山動物園と札幌の円山動物園のイメージらしい。毛並みなどがなかなか細かく作りこまれている。近くに両動物園の出店があり、白いお焼きを売っていたのでみんなで食べた。
東京デゼニーランドのイメージのようだ。三月磨臼の背景にシンデレラ城らしきものが見える。子供対象のカラオケ大会みたいなのをやっていた。
氷の建造物。こういうのは、氷のブロックを積み上げて削って作るらしい。雪と違って大量に氷を作る必要があるからそれなりに手間もかかりそうだが、透過光を利用して美しいライトアップが可能となっている。
ドイツのどこだかの建物を再現したものらしい。今回の雪像で最大のものらしいが、細部までは作りこまれておらず大雑把な印象だった。
寒くて子供がぐずるので、西6丁目くらいまで歩いて引き返すことにした。どーでもいいが、帰りに通りがかった初音ミク雪像の前にはカメラを構えた人だかりが出来ていた。人気者のようだ。
帰ってきてから子供(3歳児)に「楽しかった? それとも行かない方がよかった?」と聞いたら「行かない方がよかった」といわれてガッカリ。
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