2010年9月アーカイブ

timer05.jpg

先日製作した金魚の水槽用照明だが、実際使ってみると点けたり消したりするのは意外と面倒であり、消し忘れて深夜まで点灯していることもあった。毎日バラバラの時間に点灯していると生体のリズムも狂うし、消し忘れはコケの発生にも繋がるらしいので当初より構想していた24時間タイマーによる自動化改造をすることにした。

24時間タイマーの回路はPIC関連のサイトを検索してこちらを利用させて頂いた。7セグLED4桁による24時間表示の時計に5つのon/offタイマーが付いているものだ。このタイマー回路の出力は1chでon/offのみ。ここにリレーを接続して直接電源のon/off制御しても良いのだが、先日製作したLED調光回路は設定1から3のボタンを電源ボタン代わりに使うことができるのでこれを利用することにした。こうすると電源offの時間帯に好みの点灯パターンを設定することも可能になる。

このタイマーの出力信号は、onでHレベル、offでLレベルになる仕様。これをLED調光回路に繋げるためには、on/offが切り替わる瞬間を検出して一瞬のパルスを発生させればよい。このための専用ICとしてTC4538(74HC4538でも同じ)を利用した。

TC4538は入出力が2系統ある。片方にタイマー出力がLからHレベルになった瞬間に10msのパルスを発生させるようにして、負論理出力をLED回路の設定1ボタンに接続、もう片方はLレベルになった瞬間にパルス発生させるようにして同様にLED回路の設定2ボタンに接続した。これでon時間帯は設定1のパターンで点灯、off時間帯は設定2のパターンで点灯(消灯)となる。

とりあえず出来上がったのがこれ。タイマーもLED調光回路も1枚の基板(ICB293G)にまとめている。操作性と見た目の美しさも考えてなるべくシンメトリックに部品を配列した。上半分がタイマー回路で下半分がLED調光回路になっている。ケースは共立エレショップで扱っている汎用の透明プラケース。

ちなみに、前回製作時はLEDのスイッチングにトランジスタアレイを使ったが、結構発熱するようなのでFET(2SK2232)に付け替えた。2mm厚のアルミ板を切り出してヒートシンクとし、FET3つをネジ止めしている。電流もMAX150mA流せるように電流制限抵抗の値も見直した。

timer02.jpg

タイマー回路のアップ。タクトスイッチは例によってリベットを介して押せるようにしている。
なお、製作当初4MHzのクリスタルが手に入らなかったのでセラロックを使ってみたのだが、毎日時計が5分以上進んでしまってダメダメであった。1週間に30分も進んでしまっていてはとても実用にならない。適当にジャンク基板を漁ってみたところ、運よく故ディレクTVチューナー基板に載っていたのを発見したのでチップコンデンサとともに発掘して差し替えている。これでほとんど狂うことがなくなった。

timer03.jpg

半田面はこんな感じ。1枚の基板に全部収めるために密度はそれなりに濃くなってしまい、電源ライン以外はほとんどジュンフロン線による空中配線。7セグLEDは秋月電子の特売品を使ったが、ダイナミック点灯用を使えば少しは配線がラクになる。

一応モデラーの端くれなので操作ボタンが分かるように水転写デカールを作成して塗装も行った。デカールはモデラー御用達のALPSのマイクロドライプリンタMD-5000を使って特色ホワイトでプリントしている。最近はインクジェットプリンタでデカールを作るキットもあるようだが、白文字のデカールはこのマイクロドライプリンタでしか作れない(はず)。文字は左右反転して印字して裏張りしている。塗装はガイアカラーのクリアブラックを裏からエアブラシで塗った。クリアブラックは結構厚塗りしたつもりだが、元が薄い塗料なのでこの程度の透明度はある。塗装したことで落ち着いた雰囲気になり、ありがちな自作品ぽさが少し薄まった感じがする。

現在実用しているが、誤動作することはなく毎日確実に決まった時間に点灯してくれている。製作はちょっと面倒ではあったが、見た目も性能も満足の行くレベルに仕上がった。いずれは自動給餌システムにも応用したいと考えている。なお、LEDは性能限界の各色150mAで常用するとそれなりに発熱するが、アルミ板のヒートシンクのおかげで触れる程度で済んでいる。しかし、FETがかなり発熱するようで、ヒートシンクが触れないくらい熱くなる。FETの耐熱限界が150℃なので余裕はあるだろうが、精神衛生上好ましくないので通常は70~80%程度で運用することにした。

timer06.jpg

肝心の水層の中身といえば、先日縁日の金魚すくいの和金が1匹増えて、現在4匹体制となっている。水草の育成も研究中で、液肥として微粉ハイポネックス100倍希釈液+メネデール投与を試行している。

余談だが、24時間のタイマーコンセントは電気屋に行けばデジタル表示付きのものが2000円代で売っているし、機械式のものなら1000円くらいで買えるので、普通の人は普通にタイマーコンセントを買うべきだと思う。

先日フェバリットの恐竜ペイントコンテストで賞を頂いたことはここで書いたが(賞品はこちら)、調子に乗って「第2回ミニダイナソーセット ペイントコンテスト」にも応募してみることにした。ミニダイナソーセットは夏休み期間の恐竜イベント会場などで探したのだが、残念ながら売っているお店が無かったのでamazonで購入した。定価販売(1,680円)であったが、この値段だと送料がかからないのは有難い。ちなみに先日札幌の書店「ジュンク堂」に行ったら新たにフェバリット製品の取り扱いを始めたようで、ミニダイナソーセットのほか、恐竜ビニールモデルも各種入荷していた。

dpaint00.jpg
ミニダイナソーセット(画像はメーカーサイトより引用)

今回も何か受賞できればいいなと思い、セット賞も狙えるように5体テーマを決めて塗装をすることにした。「動物園」というテーマも考えたが、これまでの応募作品で動物を模したものは既に何度かあったようなので、今回は「熱帯の恐竜」と称して熱帯魚のようなメタリックベースの煌びやかなカラーリングを目指すことにした。

dpaint01.jpg

この手の型抜きフィギュアは表面に離型剤が残っていることがあり、そのまま塗装すると塗膜が剥がれる恐れがあるため、全体を歯ブラシと台所洗剤で洗浄した。、充分に乾燥させた後、サフ(クレオスのMr.サーフェイサー1000)を吹いた。

pros_mk1.jpg
プロスプレーMk.1

ちなみに自分はサフ吹き専用としてクレオスのプロスプレーMk.1を使用している。プロスプレーシリーズは「エアブラシ」としてはイマイチな性能で、2chのエアブラシスレあたりでは「ゴミ」呼ばわりする人が目立つが、塗料ビンにサフを入れっぱなしにしてサフ専用にしてしまえば面倒な洗浄をする必要がなく、缶サフより入り組んだところに吹きやすいというメリットもある。名前の通り「エアブラシ」ではなく「スプレー」だと思えば結構使えるので、サフ缶のコスト負担や、サフ吹き後のハンドピース洗浄に耐えられない人にはオススメできる。

dpaint02.jpg

一晩乾燥させた後、ガイアカラーのEX-シルバーで全体をベタ塗りしたところ、まるで金属の鋳物みたいな質感になった。

pros_mk4.jpg
プロスプレーMk.4

なお、自分はメタリックシルバー、ベースグレー、トップコート(クリアー)の塗装にはプロスプレーMk.4を使っている。Mk.4もMk.1同様に2chでは「ウンコ」呼ばわりされている製品だが、Mk.4はノズル一体型の塗料ビンが交換可能になっていて、これに頻繁に使う色を入れておけば洗浄不要でいつでも使えるメリットがある。難点はノズルが詰まりやすく、2~3分以上使わないときには針金をノズルに刺しておく必要があることだが、エアブラシの洗浄の手間を考えればそれくらいは我慢できる。ほとんど手入れの必要がなく、半年間塗料を入れっぱなしにして放置しておいてもほぼ問題なかった。良く使うベースグレーのベタ塗りやトップコート用には最適だと思う。

dpaint03.jpg

今回使った塗料はこちら。シルバーの上に染料系のクリアカラーを重ねると綺麗なメタリックカラーとなる。最近は原色(マゼンタ、シアン、イエロー)も売られるようになったが、従来のクリアーレッド、クリアーブルー、クリアイエローでも似たようなものだと思う。赤+黄=オレンジ、赤+青=紫、黄+青=緑という具合に発色するので大概の色はこの3色あれば作れる。ちなみに赤+青+黄を全部混ぜるとクリアーブラックになる。

dpaint04.jpg

クリアカラーを調色しながら塗ったらこうなった。0.2mmノズルのエアブラシ(プロコンBOY FWA)でエア圧を低圧にして細吹きした。なお、クリアカラーは塗り重ねるとどんどん色が濃くなるので、塗り過ぎて濃くなったものは修正ができない。気に入らない色合いになったものは「ドボン(溶剤に漬けて塗料を全て剥がすこと)」してやり直したりもした。ステゴサウルスは虹をイメージして、赤橙黄緑青藍紫のグラデーションにしたが、なんとなくやりすぎたような気もする...。

dpaint_ste.jpg

メタリックカラーのままだと金属光沢が激しくて生物としてありえない色合いだが、スミ入れとウエザリングを施し、目、ツメなどの細部の塗装を施したところソレっぽい仕上がりになった。スミ入れはエナメル塗料を使うのが定石だが、敢えてセットに付属の水性アクリル塗料を使った。ウエザリングも同様にサンドイエローを作ってドライブラシしている。

dpaint05.jpg

個人的にお気に入りのアロサウルス(とティラノサウルス)。アロサウルスはイエローからターコイズブルーのグラデーションにレッドブラウンで縞模様を塗ってみた。腹側のギトギトしたメタリックレッドがアクセントとなって肉食恐竜らしい凶暴な感じが出せたと思う。

なお、台座は付属の塗料を使い、岩石をダークグレーで塗って、地面にはグレーとサンドイエローを混ぜながら自然なムラが出るように筆塗りした。ダークグレーでウォッシングした後、明るめのサンドイエローでドライブラシして仕上げている。

dpaint_kekka.jpg
※画像はメーカーサイトより引用

コンテストの応募は9月5日に締め切られ、15日に結果が発表された。夏休み明けの締め切りとあって、応募総数は前回よりも多かったようだが、なんと、最優秀賞を頂いてしまった! 年少の方の応募も目立ち、カミさんには「オトナ気ない、少しは遠慮しなさい」などと言われてしまったが、作品を評価して貰えるのは大変嬉しいことだ。賞品はフェバリット最高峰の「ティラノサウルス スケルトンモデル」ということで、大変楽しみである。トリケラトプスのスケルトンモデルもスゴいものだったが、ティラノサウルスはそれよりも20cmも長い全長65cmとなっている。ここまでデカいと我が家のコレクションキャビネットには入らないので置き場を考えておかねば。

にがHP(母屋)

このアーカイブについて

このページには、2010年9月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2010年8月です。

次のアーカイブは2010年10月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

ウェブページ

Powered by Movable Type 5.04