とあるblogで科学教材社のヤフーショッピングサイトが採り上げられており、8石スーパーラジオキットを購入したとの記述があったため、懐かしくなって子供の頃に作ったAceの8石スーパーラジオを引っ張り出してみた。
これは、自分が小4の頃に小学校の近くの文具店で購入したものだ。確か、誕生日のプレゼントとして親にねだって買って貰ったものだったと思う。その文具店は昔はよくあったホビー関係の商品も扱う店で、放課後に友達と入り浸ってはプラモや工作キットなどを品定めしていたものだ。ここで買ったプラモも数多く、思い入れのある店であったが、残念ながら既に閉店、現在は更地になっている。
あの頃は、エース電気(Ace)、 HOMERといったメーカーがラジオなどのキットを何種類か出しており、こちらのサイトにいくつか画像付きで解説されている。ラジオのデザインはAceの方が格好良く見え、兄が先行してAceの1石ラジオ、4石ラジオを作っていた。HOMERの製品は自分がゲルマラジオ、兄が1石ラジオを作った。ゲルマラジオはバリコン同調、1石ラジオはコイル同調で単三電池で動作するものだったが、いずれも一番近い地方局の放送がイヤホンでかすかに聞こえる程度の性能だった。
キットはプリント基板に部品を半田付けするだけのものであったが、さすがに小学生の自分には荷が重かったので、中学生だった兄に作ってもらった。しかし、完成したはずのラジオはスイッチを入れても「プーーー!!」と騒々しい発振音が聞こえるのみ。「8石ブザー」などと馬鹿にされ大変悔しい思いをしたのだが、その後自分で半田スキルを身につけ、不良な箇所を発見し、修復したのだった。原因はありがちな「半田付け不良」であった。
購入当時、既にトランジスタは樹脂モールドされたシリコントランジスタが流通していたが、このキットに付いていたのは金属パッケージのゲルマニウムトランジスタ。この手の商品は小学生対象の文具店ではあまり売れないようで、しばらく店頭に置かれていたのだろう。紙箱のパッケージもなんとなく古くさかった。
電源は006P電池で、取り付けてスイッチを入れたところ、一応鳴るようではあった。しかし音が割れた感じがする。さすがに25年以上経過しているので、電解コンデンサが劣化しているのかも知れない。ついでに、イヤホンジャックがなくなっているので、これもいつか治してやりたい。
さて、科学教材社といえば、東京神田にある電子工作教材の老舗である。既に休刊となった「初歩のラジオ」、「ラジオの製作」といった雑誌に数々のオリジナルキットの広告が掲載されており、子供の頃に一度だけ母と行ったことがある。そこで買ったのが、この電子ビックリ箱と、ベビー蛍光灯キットだった。電子ビックリ箱は006P電池の9Vを昇圧させ、高電圧を人体に流してビリビリさせるもので、学校に持っていって5人くらいで手を繋いで輪になり、みんなで一斉にビリビリさせたりして遊んだ覚えがある。
して、このビックリ箱、実は2007年に兄に神田の店舗で買ってきて貰ったものだ。当時の製品は、自分がバカやって壊してしまい(ネオン管をAC100Vに差し込んで粉々にした)、既に失われていたのだがマニュアルだけは保管していて、これを新たに買った物と比較してみたら、まったく同一だった。、当時の在庫がまだあるのか、それとも今でも新しくキットを用意しているのかは判らないが、恐るべきタイムカプセルぶりである。他にもいくつかのキットが昭和時代のまま売られているらしい。
キットは森永のHi-CROWNチョコレートの箱に最適化されており、この箱を調達できるのか心配であったが、なんと今でもほぼ同じデザインで100円ショップで売っていた。当時の物と比べてなんとなく箱が小さくなったような気もしないではないが、基板や電池が問題なく収納できるのでOKだろう。ビリビリの接点には、昔アルミフォイルを糊で貼り付けたような記憶があるが、今回は雨樋修復などで使うアルミの粘着テープを使った。ネジもなるべく出っ張らないように低頭ネジを採用。
中では何故かネオン管が光るようになっており、高電圧が生成されていることが分かる。中学生の頃「高電圧で光るんなら、AC100Vに差し込んでも光るんじゃね?」等とバカなことを考えて、実行に移したことが悔やまれる。
「初歩のラジオ」や「ラジオの製作」はもうないが、ラ製の電波新聞社が「電子工作マガジン」を4ヶ月に1号のペースで刊行中だ。紙面の構成が当時のままで、眺めるだけでとても懐かしい感じがする。昔ながらのラジオの製作記事もあるが、マイコンやPCを使った現在の事情に即した記事もあり、いつか作ってみたいと思い2号から講読中。
ちなみに「初歩のラジオ」は苫小牧の青少年科学館のアマチュア無線コーナーにかなりの巻数が保管されている。
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