いまさらポケコン

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先日JR-100を弄っている内に思い出したのだが、自分が初めて弄ったコンピュータはカシオのポケコンFX-702Pであった。これは兄が中学生の頃に買ったのだが、小学生だった自分もベーマガに掲載されているゲームで遊ばせて貰ったりした。

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その後輸送中の事故で故障し、メモリを多く使うプログラムを打ち込むと暴走してメモリが飛ぶ状況になってしまったが、自分が高校の時には学校に持ち込んで簡単なゲームを作って遊んだりしていた。故障は半田割れが原因と推測されたので、先日修復を試みたのだが、残念ながら治らなかった。後日頭を冷やしてもう一度チャレンジ予定。

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パッケージのBASICの文字がヤケに誇らしげである。当時はソフトは買うものではなく「打ち込む」または「作る」ものだったので、「BASICプログラムが走る」というのがウリだったのだ。カセットインターフェイスもあるし、昔打ち込んだベーマガのゲームを記録したテープもあるのに、本体が動かないのが残念だ。

それとは別に手元にシャープのPC-E550というポケコンがある。2002年頃に入手したものだが、当時の自分はゲーム機の修理・改造に勤しんでおり、毎週のように獲物を求めてハードオフを巡回していた。そんな折ジャンク扱いで本体のみ1,000円くらいで転がっていたところを発見したものだ。スルーするかどうか迷ったが、これの大学生協モデル(PC-1480U)を兄が持っていたので懐かしくなって捕獲してしまった。マニュアルも無かったのでプログラムを組むこともなく、電卓として使った後は放置されていたのだが、今回思い出して電池を入れてみたところ動作はOKだった。

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何か面白い使い方はできないものかと、ネットでこの機種の情報を調べたら、このシリーズはポケコン末期の息の長かった製品のようで、関連サイトも多いようだ。ゲームプログラムなども多くアップロードされているし、接続ケーブルを自作すればPCからファイルを転送できることも分かった。せっかくなのでネットで手に入るゲームで遊んでみることにした。

PCとの接続はシリアルポート経由で、接続ケーブルの作り方はここのサイトに指南があったので作ってみた。材料はジャンク箱に転がっていたケーブルと抵抗とダイオード。コネクタは「入手困難」とされているが、以前に千石電商で入手してストックしていた1.27mmピッチのピンヘッダコネクタがピッタリだった。

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できあがったケーブルがこれ。ケースはどこかの作例で「フリスク」のものが使えると書かれていたので、安いトップバリュのパチモンを買ってきて使った。確かに程よい薄さで扱いやすいケースだ。

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ここで販売している製品に倣って、逆挿し防止&接点保護の目的で0.4mmの薄い透明プラ版でコネクタをサンドイッチにしてホットボンドで固めている。

PCとの連携は、基本的にTeratarm等の通信ソフトを使ってBASICプログラムでのやりとりとなる(PLINKは今回導入しなかった)。テキストベースの通信しかできないので機械語のバイナリファイルはUUSFXで一旦BASICプログラムに変換してから転送し、ポケコンでバイナリに戻すといった手順が必要。Windows付属のハイパーターミナルは文字化けしたりするので使わない方が良い。転送速度は9600bpsのシリアル通信なので、ハッキリ言って遅く、パソコン通信の時代に逆戻りした気分だが、転送するプログラムも3kBほどの小さいものばかりなのでそんなに苦にはならなかった。

一応覚え書きとして、シリアル転送時は事前にポケコンで下記コマンドを実行。
 POKE &BFD35,0,255,0,80
 OPEN "9600,N,8,1,A,L,&1A,X,S":CLOSE

PCの通信ソフトの設定は下記のようにする。
端末の設定:改行コードはCR+LF、 ローカルエコーあり、 漢字コードはSJIS
シリアルポート:9600ボー、データ8bit、パリティなし、ストップ1bit、フローXon/Xoff、送信遅延は5msecくらい

設定が済んだらポケコンでLOADコマンドを実行し、PCの通信ソフトからテキストデータを送信。Teratermの場合は画面上で送信完了となっても、バッファーに蓄えられたデータが送信完了するまで多少時間を要するので30秒ほど待つ。終了したらポケコンでbreakしてリストを確認し、最後の行まで転送できていれば完了。

あちこちのサイトからアクションゲームやパズルゲームをダウンロードして遊んでみたが、意外と遊べる。もちろん今時の携帯ゲーム機のゲームなんかと比べてはいけないが、ちょっとした暇つぶしにはなるだろう。

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いろいろ検索している内にPC-E500シリーズには「HEAVY METAL」という名作シューティングゲームがあると聴き、探してみたら海外のサイトに落ちているのを発見。ダウンロードして遊んでみた。オールマシン語で組まれており、滑らかな動きで、難易度もなかなかのものだが、液晶の残像のせいで画面は見づらい。ハードウエアの性能だから致し方ないところだが。同じサイトに続編のHEAVY METAL2も登録されているが、これはプログラムのバイナリファイルがuuecodeされた形式となっている。自分は一旦uudecodeしてバイナリに戻した後UUSFXでBASICプログラムに変換してから転送したところうまくいった。

なお、PC-E550は8bit機ながらメインメモリを64kB搭載しており、一部をRAMDISKとして使えるようになっている。メモリはバッテリバックアップがされるので、とりあえず32kBをRAMDISKに割り当ててゲームをセーブしていたのだが、あっという間に埋まってしまった。これでは不便なのでメモリを増設したくなってきた。

ネットの改造記事を見るとSRAMには628128/628512が使えるらしい。これらの石なら昔MSXの似非RAM製作で随分世話になった。628512を2個使えば最大1MBまで拡張できるそうだが、全容量を使いこなすにはメモリドライバが必要だったりとちょっと敷居が高い。そこまでの容量を必要としているわけでもないし、プライマリメモリは256kBまでという制約もあるようなので今回は628128を2個使って256kB化することにした。必要な石はネットオークションで入手した。

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PC-E550を開けてみたところこんな感じになっていた。どうやら前モデルPC-E500(RAM32KB)にフレキ基板でパッチを当てただけの造りのようだ。このフレキ上にアドレスデコーダ回路と32kBのSRAMが2個載っていた。松下のMSXみたいに最初からRAM増設できるように基板を設計していたら良かったのに。

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今回はこの32kBのSRAMを剥がして128kBのSRAMに載せ替える作業となる。まずはSRAM剥がしであるが、元のパターンを剥がすと厄介なのでヒヨってサンハヤトの面実装IC取り外しキットを使った。このキットは高価なのが難点だが、気持ちいいくらいにヌルっとIC が外れてくれた。ちなみに取り外しキットの高価な半田は、要らない0.5mmピッチのICの足などで吸い取って保管しておくとある程度使いまわしが利く。

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次に128kBのSRAMを乗せて半田付けするわけだが、1pは未使用だし隣のICと干渉するので根元でカットする。2p(A16),31p(A15),32p(Vcc)は横に広げ、残りのピンは内側に曲げて32kBのSRAMの載っていたパターンに載せて半田付けする。2p,31pに関してはここにSRAMとCPUのピンアサインが載っているので、これを参考にした。フレキ上のアドレスデコーダはアドレス線A15を2つの/CS信号に変換する回路だが、これはそのまま弄らずに活用した。通常は最上位のアドレス線(今回の場合A17)でチップセレクト信号(/CS)を作るのが一般的であり、そのメリットとしては2つのSRAMの1個が壊れても半分の容量でコンピュータが動作することだが、2つのSRAMが同一の条件で正常に動くという前提ならばA17とA15が入れ替わって配線されていてもCPUから見たら全く違いはない。よって元のA15から/CSを作る回路構成はそのままに、SRAMのA15,A16はそれぞれCPUのA16,A17に繋げばOKだろう。実際のA16,A17の取り出しポイントだが、CPUは足のピッチが極小なので、隣の256kBのROMから取り出すこととした。

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テスターで調べたところ、ROM(LH532A)のこの位置にA16,A17が来ているようなので、ここにポリウレタン線を半田付けし、SRAMのA15,A16(2個とも)に配線した。

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出来上がったところ。2個のSRAMの2p同士、31p同士を接続し、それぞれROMのA16,A17に接続している。また、SRAMの電源ピン(32p)はSRAMの30pに繋げても良いが、近くのチップコンデンサから取り出したほうが簡単。

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動作チェックしたところ、257976 bytes認識しているので成功のようだ。とりあえず INIT"E:192K" コマンドで192kBのRAMDISKを作ってプログラムをセーブしてみたが、動作も問題なし。上述のHEAVY METAL(2)もRAMDISKからLOADしていつでも遊べるようになった。

というわけで、MSX以来久々の半田付けでのメモリ増設ネタで楽しませてもらった。

コメント(2)

老眼の入った私の目には神業にしかみえません。
I have a Sharp PC-1490u for many years, but unfortunately today is damaged. I can fix, but I need the schematic diagram. Please could you tell me where I can find the schematic? can be of E500,E550 or E650. excuse my bad English

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にがHP(母屋)

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このページは、にがが2010年8月 8日 12:53に書いたブログ記事です。

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