水層照明の製作

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先日、近所のイベントで金魚すくいをやってきた。当初やるつもりは無かったのだが、子供が興味を示した上に無料だったのでついやってしまった。ポイは薄紙が張ってあるやつで、結構破れにくいものを使っているのか、初心者の自分でも10匹くらいすくえた。うちの4歳児は破けない網を借りてすくいまくり、合計20匹くらい貰ってきた。飼育環境は用意してなかったが、幸い貰い物の41センチ水層(濾過装置付き)が物置にあったので、これを利用することにした。金魚をとりあえず水層に放流して取り急ぎホームセンターでフィルター、砂、流木、エサ、水草など必要なもの一式を買ってきた。なんだかんだと4000円くらいかかってしまい、「タダより高いものはない」を実感した次第...水質の安定しない最初の1週間で多くの犠牲を出してしまったが、最終的に丈夫な個体3匹(和金2、出目金1)が生き残った。一時白点病が蔓延したが、塩(0.3%)と鷹の爪投入で乗り越え、毎日元気に泳いでいる。

照明はホームセンターでこれ(GEXフラットビームオーロラ)を見かけて、惹かれるものがあったのだが、お値段(売価5000円弱)を見て買うのはやめた。タダで貰った金魚におごってやるにはちょっと高い。自作ならもっと安価にできるのでは...などと安易に考えて製作することにした。

自作品も色味を自由に設定できる仕様にしたいのでフルカラーLEDを使い、そこそこ明るい照明にしたいと考えた。LEDの調光はPWM制御で行うのが一般的。以前鉄道模型用にPWM回路を作ったことがあるが、可変抵抗で3色調整するとなると結構装置が大きくなってしまう。PIC等のワンチップマイコンでPWM制御できれば理想的だが、自分にはPICプログラムのノウハウが無い。何か使えるプログラムは落ちてないかと検索してみると、ここの方(十川氏)がヤフオクに出品しているプログラム済みPICにヒットした。商品説明を見ると、RGBボタンとup/downボタンの組み合わせで任意の色を作成でき、作った色を3つまで登録可能。電源を切っても設定を忘れず、電源投入時は「設定1」で点灯し、消灯状態を記憶させて見た目の電源off代わりにもできるとのこと。タクトスイッチ付きでお値段800円と安価で、将来的に24時間タイマー制御するときにも対応できそうなので、これを使うことにした。

LEDは秋月のハイパワーのフルカラーLEDを採用。1Wタイプと3Wタイプがあるが、3Wだと2灯、1Wなら4灯くらいが適切か。製作は3Wx2灯がラクだが、光を横に分散させたかったので1Wx4灯とした。このLEDはそこそこ発熱するようで、放熱基板に付けられた状態で売っている。放熱を妨げないように筐体を設計する必要あり。

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LEDは2mm厚のアルミ板に並べて固定した。ネジを使うつもりだったが、そうするとネジとLEDの端子が干渉することが判明したので、リベットで固定した。固まるシリコングリスで接着しても良かろうが、手持ちのものはチューブ内で固まってしまって使い物にならなかった。これ、結構なお値段がする上に、使い切る前に固まってしまうのでは改めて買う気になれず...。

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筐体は以前にテレビボードを作ったときの扉材の余り(19mm厚パイン集成材)を使った。これを水層の幅にぴったりあわせて切断。LEDを貼り付けたアルミ板をはめこむ深さ2mmの溝をトリマーで掘り込み、カドはノミで加工した。LED取り付け部分は22mmのフォスナービットで穴を開け、開口部はトリマーですり鉢状に面取り。配線を通す溝もトリマーで掘った。

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LEDと制御装置は適当なUSBケーブルの切れ端で接続することにした。このケーブルを筐体に通すわけだが、ここは正確に板に平行に穴を開ける必要あり。結構な深さがあるので普通に手作業でやるとまず失敗する。やり方としては、ワークベンチに水準器を用いて垂直に板を固定、さらに水準器を取り付けたドリルで垂直下に穴を開ければよい。このように正確にケーブルを通す穴を開けられた。水準器付きドリルはここのサイトを見て自分で加工したものだ。使ってみると大変便利で、水準器無しのドリルなんてあり得ないと思うようになる。商品化されていても良さそうなものだと思うが、売っているものは見たことがない。

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制御装置はユニバーサル基板で組み上げてダイソーのクリップが入っていたケースに入れた。タクトスイッチはリベットを介して押せるようになっている。当初LEDのスイッチング用にFETを使おうかと思ったが、十川氏のお勧めもあり、今回はトランジスタアレイを使った。フルパワーで点灯させると触れないくらいの熱を持つのでちょっと不安になるが、壊れたらFETに取り替えるつもり。

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筐体はワシンペイントの水性サンディングシーラー→軽く400番ペーパー→水性ウレタンニス(ツヤあり)→400番ペーパー→水性ウレタンニス(ツヤ無し)の3回塗りで仕上げ、出来上がったのがこれ。端材利用したので、制作費は3000円くらいか。製品を買うよりは安いが、製作にかかった手間や時間を考えると普通の人は普通に製品を買ったほうがいいと思う。

制御装置の使い勝手だが、これが実に良い。RGBボタンとup/downボタンで色を弄るときに最大照度になったところで点滅して教えてくれたり、設定を記憶させると一度フラッシュして教えてくれたりとキチンとエコーバックがある。電源を落としても設定を忘れないのも重要なポイント。PICなので部品点数も少ないし、手軽にフルカラーLEDを制御するにはオススメできる。

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水草の育成には光をあてる必要があるわけだが、光合成に必要なのは主に赤色で、青色もある程度必要なんだそうだ。日中はフルパワー点灯、夜間はほんのりと赤く点灯させて運用することにした。労力の割にコスト面では微妙だったが、とりあえずアクアリウムを美しく見せる目的は果たすことができたと思う。

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このページは、にがが2010年8月26日 20:11に書いたブログ記事です。

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