2010年6月アーカイブ

現在ポータブルなICラジオのケースを作っているが、部品の位置決めでしくじってしまい材料を無駄にしてしまった。製作意欲が萎えてしまったので、ちょっと道草食ってオルゴールキットなんぞを作ってみた。材料はワンダーキットのスーパーオルゴールキット「ORG-L436」。共立エレショップで1260円だった。キットはプリント基板に部品を差し込んで半田付けするだけで完成するレベルで、半田付け初心者の練習向けといった感じ。音を鳴らすところまではアッサリ到達するが、「家に着くまでが遠足」であるのと同様に、「箱に入れるまでが工作」。ここが毎回頭を悩ませるところであり、箱入れこそが腕の見せ所とも言える。

箱をゼロから作るのもアリだが、これは進行中のラジオ製作に譲るとして今回は手を抜いてダイソーの100円ケースを使うことにした。ハードカバーの本をモチーフとしたデザインで、材質はMDF(たぶん)。都合の良いことに蝶番で蓋が開閉できるようになっている。組み立て精度や塗装はかなり大雑把だが、大きさは丁度いい感じだった。

soundbox1.jpg

このオルゴール基板にはイルミネーションLEDが載っているので、それを生かすべく中蓋に2mm厚の白いアクリル板を使い、そこから光を透過させることにした。贈り物として使うときにはここがメッセージボードにもなるだろう。LEDはアノードコモンのただの4端子フルカラーLEDだが、オルゴールICによる制御でゆっくりと7色に光る。中蓋のアクリル板は大昔ダイソーで購入したものだ(PS2もどきサーバーのスタンドを作ったときの余り)。この板を15ミリのスペーサーで箱に取り付けて内側を収納スペースとした。

soundbox2.jpg

乾電池ホルダーと基板、スピーカーを入れるとスペースは丁度良い具合だった。蓋の開閉スイッチは、蝶番の近傍に釘で取り付けた。本当はネジで付けたかったがドライバーの入る余地が無かったため。

ちなみにスピーカーの穴はいつものように、ダイソーのアルミパンチングシートをガイドにピンバイスでセンター決めした上でドリルで開けている。こうすると狂いの少ない綺麗な配列で穴を開けられる。スピーカーは裏側からホットボンドで固定した。

soundbox3.jpg

蓋の状態をスイッチに伝えるため、直径3ミリのプラ棒を使った。先端を半田ごてで少しつぶして抜け防止加工もしている。

オルゴール自体の性能だが、これがかなりの高音質。自分が子供の頃に作った電子オルゴールといえば、エンベロープ付きの正弦波の3重和音程度で「高音質」と言われていたが、このオルゴールは「16bit D/Aコンバータによる4和音のメロディ」だそうで、本物のオルゴールの音をサンプリングしたようなリアルな音だ。スピーカーは小型でチープな音質ではあるが、キチンと箱入れすればオルゴールの音を鳴らすには充分。内臓されている曲も36曲と多く、ジャンルごとの再生モードに切り替えることもできるので用途に応じた設定もある程度可能となっている。

なお、搭載されているメロディICはHT3834。データシートはこれ。Wave Table Synthesizer内臓と書かれているのでMIDI音源レベルの音ということだろう。データシートを見た感じだと、電話機の保留音で使うことも想定されているようだが、自分でメロディをプログラムして鳴らすような使い方はできないみたい。

このキット、お値段も比較的安価な部類であり、完成後の満足度も高く、青少年の半田付けの練習には最適。小学校高学年くらいの夏休みの工作ネタとしてもオススメできる。

なお、このオルゴールには姉妹品としてスーパーメロディICキットというのがあって、今回のキットと同じ16bit D/Aコンバータで、同時発音数は最大8和音だそうだ。公開されている動画で音を聞いた感じだと、MIDI音源というよりFM音源サウンドに近い印象。LEDはナイトライダーのように流れるタイプで、PICで制御している模様。いずれ機会があれば作ってみたい。

週末に丸瀬布で運転されているSL「雨宮21号」に乗ってきた。SLに乗りに行くだけにしては丸瀬布は遠すぎるので、一応滝上公園の芝桜を見るついでということにした。芝桜は見ごろを過ぎてしまったようで、色が薄くなってしまっていたが、部分的にはまだ綺麗なところも残っていた。あと1週間早ければよかった。

丸瀬布への道のりは意外とよく札幌方面からは道央自動車道で旭川を経由し、比布JCTからそのまま無料の「旭川紋別自動車道」へ接続されており、丸瀬布インターまで直通で高速道路が使える。現時点ではまだ紋別まで開通しておらず、終点は丸瀬布になっているが、ここまで全線開通したのが2010年3月28日だそうだから、かなり最近の話。丸瀬布インターからSLが運行されている「いこいの森」までは10km程度の一般道があるが、田舎道なので10分程度で到着。現在SLは土日祝日30分から1時間間隔で運行されており、夏休み期間は毎日運転するらしい。SLはかつで森林鉄道として木材運搬で活躍したものらしいが、小型でとてもかわいらしいものだった。乗車料金は大人500円、小児は250円。公園内を10分程度走行する。駅を出発して公園内の遊具ゾーンの周りでループし、出発時とは逆向きに駅に侵入。そのまま通過し、もう一度ループして方向を転換して駅に戻るという行程になっていた。もともと森林鉄道なだけあって、乗客を乗せて走るようにはつくられておらず、乗り心地は少々荒々しい。ガタガタゆれるし、金属のこすれるキコキコ音が耳に付くが、これもまた風情というものだろう。小さくても本物のSLなので汽笛はそれなりに迫力があった。

am21.jpg

SLの駅の近くの郷土資料館は大変こじんまりとしており、北海道開拓時のレトロな家財道具や林業にまつわる道具や資料が展示されていた。雨宮21号の古い写真などもあり、ポスターが過去のものを含めて「ご自由にお持ちください」となっていたが、非常にサイズが大きかったので貰うのはやめておいた。ほとんど入場する人はいないようだったが、せっかくここまできたのならば入場料150円は寄付するつもりで入場しておくべきだと思う。

もう一つ近くに「昆虫生態館」という施設があり、こちらはカブトムシやクワガタをはじめとする昆虫や魚類、両生類などが展示されていた。日本のカブトムシを触れるコーナーがあり、ウチの4歳児が釘付けになっていた。蝶が放し飼いになっている温室もあり、そこでは1年中蝶が飛んでいるらしい。

近くのマウレ山荘で食事を摂った後にマウレメモリアルミュージアムにも寄ってきた。ここは数年前に閉校した学校を改造した施設らしく、ノスタルジックな趣がある。蝶の標本が大変充実しており、これまで図鑑でしか見たことがないような珍しい蝶を見ることができた。中でも印象的だったのは「ヤママユガ」で、羽を広げたサイズは大人の手のひらより大きかった。これはヘルマン・ヘッセの「少年の日の思い出」という作品に出てくる蛾で、国語の教科書で読んだ人も多いと思う。他には恐竜の骨格模型(ほとんど木彫りであるということに驚かされる)や化石が展示されており、ゆっくり見たかったが、とても暑かったので早めに切り上げた。ここの管理人さん(?)のお子さんが遊びにきていて、同い年のウチの子と仲良く遊んでくれていた。帰り際に名残惜しそうに「またあそぼうねー!」と言ってお別れしたが、また会えるといいね。

なお、北海道の動態保存SLは他に、小樽博物館の「アイアンホース号」、三笠鉄道村の「S-304」、JR北海道のC11-207とC11-171があり、それぞれ1回以上は乗ってきたのでこれで道内動態SLは制覇したことになった。JR北海道ではかつてC62-3も運行されていたが1995年に現役を退いており、現在は苗穂工場で静態保存中。鉄道の日のイベントではDLに押されて巨大な動輪が回る様子を見ることができるが、残念ながら動力走行している姿は見られない。

ironhourse.jpg
小樽市総合博物館アイアンホース号。これは1909年製造のSLだそうで、西部開拓列車といった趣で、実際にアメリカ西部で活躍していたものらしい。引退後はしばらくテーマパークで運用された後、1993年に日本に輸入されたんだそうだ。製造後100年経過しているが、年代を感じさせないほど大変綺麗に整備されていた。乗車料は無料(博物館入館料は必要)で、博物館敷地を1往復するが、両端にターンテーブルがあり、機関車の切り離しと転車の様子も見学できる。この博物館は他にも車内に立ち入れる車両を多数置いているので、「鉄」な人にはオススメ。

s304.jpg
三笠鉄道村のS-304。もともと製鉄会社で入れ替え用として使われていたもので、日本では最後まで現役で活躍したSLなんだそうだ。現在は鉄道村の敷地の短い区間を1往復するだけだが、講習を受ければ運転体験もできるらしい。ここにも多数の車両展示がるのだが、車両が錆びたまま放置気味なところが残念。

c11207.jpg
JR北海道のC11-207号機。これは2008年にSL夕張応援号として運用されたときのもの。この蒸機は2000年まで静内町の公園で静態保存されていたものを復活させたものだそうだ。「カニ目」と呼ばれる2灯のヘッドライトが特徴。

c11171.jpg
同じくC11-171号機。標茶町の公園で1998年まで静態保存されていたものを復活させたそうだ。画像は2009年にSL夕張応援号として運行されたときのもの。上の207号機とともに北海道内のイベントSL列車として活躍中で、冬季は「SL冬の湿原号」として道東を走り、春と夏は「SL函館大沼号」、秋は「SLニセコ号」、「SL夕張応援号」として道内各地で忙しく運用されている。

ちなみに夕張応援号は9月の週末2日のみの運行だが、短い区間を往復するため、同じ日に乗車体験と、走っている姿(景観のよい山間部多し)を沿道から見たりするのことができるので、SL好きには地味にオススメだったりする。運行区間はカーブも多いので、客車内の窓から顔を出して走るSLの姿を見れるのもポイント高し。

ラジオの製作

| コメント(0)

bbradio02.jpg

昭和のラジオを直したり、電子工作マガジンを眺めている内に、自分でもラジオの回路を作ってみたくなり、材料を入手してやってみた。今時のICを使ってなるべく部品点数の少ないシンプルなものをブレッドボード上に組み立てた。

bbradio01.jpg

ラジオ用ICとしてはメジャーなミツミのLMF501Tを使った。これは高周波増幅3段と検波を1つの石でやってくれる優れもの。同じことをトランジスタでやろうとしても発振しちゃって難しいと思う。1個200円程度。

アンプICは定番のLM386でも良いのだが、これは電源電圧4V以上必要なので乾電池2個で使えないのが弱点。006p電池なら動作OKだがコストパフォーマンスが悪い。ということで、2Vでも動作できるTA7368Pを使った。これならエネループ2本(定格2.4V)でも使える。1個100円程度。

バーアンテナは科学教材社で買ったストレートラジオ用の中間タップ付きのものを使った。フェライトバーが大きめで高感度が期待できそうな感じ。バリコンは260pFの単連。

bbradio03.jpg

回路図はこんな感じ。当初電子工作マガジンの2号の作例と同等に作ったが、発振したり音が歪んだりしてイマイチな感じがした。このサイト(ブレッドボードラジオ)を参考にして上記のようにしたところ、聴きやすくなった。こうやって回路を変更して検証できるのがブレッドボードの強み。VRは20kΩ程度のほうが良かったが、手に入らなかったので仕方なく50kΩ。これだとちょっとボリウムを上げただけで割れるくらいの音量になってしまうので要変更。

使ってみた感じでは、ストレート方式なこともあり選択度は低く、当地の4つのローカル局はよく聞こえるが、それ以外は混信で無理っぽい。テスト用にharman kardonのジャンクスピーカー繋げてみたところこれがなかかなの音質。先日修理したAce8石ラジオは音がキンキンして聴いていて疲れるが、このラジオなら実用しても良さそうな感じだ。

最大の問題は入れ物だが、普通のプラケースやタッパーでは面白くない。工芸品ぽく仕上げる方法を思案中。

にがHP(母屋)

このアーカイブについて

このページには、2010年6月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2010年5月です。

次のアーカイブは2010年7月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

ウェブページ

Powered by Movable Type 5.04