北海道内の動態保存SL

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週末に丸瀬布で運転されているSL「雨宮21号」に乗ってきた。SLに乗りに行くだけにしては丸瀬布は遠すぎるので、一応滝上公園の芝桜を見るついでということにした。芝桜は見ごろを過ぎてしまったようで、色が薄くなってしまっていたが、部分的にはまだ綺麗なところも残っていた。あと1週間早ければよかった。

丸瀬布への道のりは意外とよく札幌方面からは道央自動車道で旭川を経由し、比布JCTからそのまま無料の「旭川紋別自動車道」へ接続されており、丸瀬布インターまで直通で高速道路が使える。現時点ではまだ紋別まで開通しておらず、終点は丸瀬布になっているが、ここまで全線開通したのが2010年3月28日だそうだから、かなり最近の話。丸瀬布インターからSLが運行されている「いこいの森」までは10km程度の一般道があるが、田舎道なので10分程度で到着。現在SLは土日祝日30分から1時間間隔で運行されており、夏休み期間は毎日運転するらしい。SLはかつで森林鉄道として木材運搬で活躍したものらしいが、小型でとてもかわいらしいものだった。乗車料金は大人500円、小児は250円。公園内を10分程度走行する。駅を出発して公園内の遊具ゾーンの周りでループし、出発時とは逆向きに駅に侵入。そのまま通過し、もう一度ループして方向を転換して駅に戻るという行程になっていた。もともと森林鉄道なだけあって、乗客を乗せて走るようにはつくられておらず、乗り心地は少々荒々しい。ガタガタゆれるし、金属のこすれるキコキコ音が耳に付くが、これもまた風情というものだろう。小さくても本物のSLなので汽笛はそれなりに迫力があった。

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SLの駅の近くの郷土資料館は大変こじんまりとしており、北海道開拓時のレトロな家財道具や林業にまつわる道具や資料が展示されていた。雨宮21号の古い写真などもあり、ポスターが過去のものを含めて「ご自由にお持ちください」となっていたが、非常にサイズが大きかったので貰うのはやめておいた。ほとんど入場する人はいないようだったが、せっかくここまできたのならば入場料150円は寄付するつもりで入場しておくべきだと思う。

もう一つ近くに「昆虫生態館」という施設があり、こちらはカブトムシやクワガタをはじめとする昆虫や魚類、両生類などが展示されていた。日本のカブトムシを触れるコーナーがあり、ウチの4歳児が釘付けになっていた。蝶が放し飼いになっている温室もあり、そこでは1年中蝶が飛んでいるらしい。

近くのマウレ山荘で食事を摂った後にマウレメモリアルミュージアムにも寄ってきた。ここは数年前に閉校した学校を改造した施設らしく、ノスタルジックな趣がある。蝶の標本が大変充実しており、これまで図鑑でしか見たことがないような珍しい蝶を見ることができた。中でも印象的だったのは「ヤママユガ」で、羽を広げたサイズは大人の手のひらより大きかった。これはヘルマン・ヘッセの「少年の日の思い出」という作品に出てくる蛾で、国語の教科書で読んだ人も多いと思う。他には恐竜の骨格模型(ほとんど木彫りであるということに驚かされる)や化石が展示されており、ゆっくり見たかったが、とても暑かったので早めに切り上げた。ここの管理人さん(?)のお子さんが遊びにきていて、同い年のウチの子と仲良く遊んでくれていた。帰り際に名残惜しそうに「またあそぼうねー!」と言ってお別れしたが、また会えるといいね。

なお、北海道の動態保存SLは他に、小樽博物館の「アイアンホース号」、三笠鉄道村の「S-304」、JR北海道のC11-207とC11-171があり、それぞれ1回以上は乗ってきたのでこれで道内動態SLは制覇したことになった。JR北海道ではかつてC62-3も運行されていたが1995年に現役を退いており、現在は苗穂工場で静態保存中。鉄道の日のイベントではDLに押されて巨大な動輪が回る様子を見ることができるが、残念ながら動力走行している姿は見られない。

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小樽市総合博物館アイアンホース号。これは1909年製造のSLだそうで、西部開拓列車といった趣で、実際にアメリカ西部で活躍していたものらしい。引退後はしばらくテーマパークで運用された後、1993年に日本に輸入されたんだそうだ。製造後100年経過しているが、年代を感じさせないほど大変綺麗に整備されていた。乗車料は無料(博物館入館料は必要)で、博物館敷地を1往復するが、両端にターンテーブルがあり、機関車の切り離しと転車の様子も見学できる。この博物館は他にも車内に立ち入れる車両を多数置いているので、「鉄」な人にはオススメ。

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三笠鉄道村のS-304。もともと製鉄会社で入れ替え用として使われていたもので、日本では最後まで現役で活躍したSLなんだそうだ。現在は鉄道村の敷地の短い区間を1往復するだけだが、講習を受ければ運転体験もできるらしい。ここにも多数の車両展示がるのだが、車両が錆びたまま放置気味なところが残念。

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JR北海道のC11-207号機。これは2008年にSL夕張応援号として運用されたときのもの。この蒸機は2000年まで静内町の公園で静態保存されていたものを復活させたものだそうだ。「カニ目」と呼ばれる2灯のヘッドライトが特徴。

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同じくC11-171号機。標茶町の公園で1998年まで静態保存されていたものを復活させたそうだ。画像は2009年にSL夕張応援号として運行されたときのもの。上の207号機とともに北海道内のイベントSL列車として活躍中で、冬季は「SL冬の湿原号」として道東を走り、春と夏は「SL函館大沼号」、秋は「SLニセコ号」、「SL夕張応援号」として道内各地で忙しく運用されている。

ちなみに夕張応援号は9月の週末2日のみの運行だが、短い区間を往復するため、同じ日に乗車体験と、走っている姿(景観のよい山間部多し)を沿道から見たりするのことができるので、SL好きには地味にオススメだったりする。運行区間はカーブも多いので、客車内の窓から顔を出して走るSLの姿を見れるのもポイント高し。

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このページは、にがが2010年6月15日 19:11に書いたブログ記事です。

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