週末に財政破綻で有名になってしまった夕張に行ってきた。目的はホテルマウントレースイ2階のレストランで開催している夕張メロンバイキングだ。夕張メロン収穫期の6月~8月のみの開催で、料金は大人 2,310円 / 子供 1,155円 / 幼児(4歳~) 525円となっている.。メロンが地元の市場価格の1個800円だと仮定すると大人が3個食べると元が取れる計算。
メロンばっかり食べようと勇んで出かけたのだが、実際食べてみると他の料理もなかなか美味しくて、メロンばかりとは行かなくなってしまった。洋風カレーが意外においしくて、子供と一緒に食べてしまったし、カミさんはメロンよりもむしろステーキ肉ばっかり食べていた。
メロンコーナーはこんな感じで、およそ八つ切りサイズのメロンが並んでいた。時期によっては夕張メロン以外のものも使われるそうだが、この日は黄色い皮が特徴の夕張メロン100%。自由にお皿に盛っていくスタイルで、無くなってもすぐ補充されるのでキープしておく必要は無し。ガツガツしている人もおらず、本当に好きな時に好きなだけ食べられる雰囲気だった。
気になるメロンの味はそれなりに美味であったものの甘みは最高、というほどではなかった。一般にメロンやスイカは昼夜の寒暖差が激しいほど甘みが出るらしい。夕張メロンは収穫後数日で食べごろに熟すので、1~2週間前くらいの気候が味となって現れるのだろうと思う。ここ最近は北海道でも結構な暑さが続いたので期待していたが、蝦夷梅雨といわれる雨も多かったのでその点が不利になったのかもしれない。
で、結局大人2名と幼児2名で16切れ食べて終了。これで2玉分くらいだと思うが、元が大きいメロンのようなのでそれなりの量。メロン代だけで1600円相当と考えると微妙なコストパフォーマンスだが、料理も結構美味しかったのでヨシとしよう。
ちなみに最近夕張にあの花畑牧場の工場が作られたのだが、それに関連して生キャラメルフォンデュのコーナーがあった。具はフランスパン、缶詰フルーツ、マシュマロで、確かに生キャラメルっぽい味だったのだが、なぜか子供には不評だった。
帰りがけに「ゆうばり化石のいろいろ展示館」に寄ってきた。建物はこじんまりとしたもので、展示されている化石も地元で採れるアンモナイト主体の地味めのもの。恐竜は骨の一部分のみの展示で全身骨格標本はないが、首長竜のロボットが動いていて、それなりのインパクトはあった。
この一帯はかつて「石炭の歴史村(1980年~2006年)」という総合レジャー施設だった。化石のいろいろ展示館は2000年に集客アップを狙ってゲームセンターを改修したものだそうで、現在は無料で見学することができる。今ではここと石炭博物館と、炭鉱生活館しか稼動していないが、昔はこの他にロボット館、剥製館、SL館、昭和レトロ館、キネマ館、遊園地までもがあった。入園パスポートを購入してスタンプラリーしながら園内を回るスタイルで、じっくり見ていたら一日で全部回ることが難しいくらいの規模だった。
石炭の歴史村には昭和の時代に親戚との北海道旅行で一度訪れたことがある。当時は大変賑わっており、なんといってもその旅行中で一番楽しかったのがこの歴史村だった。その思い出を引きずって今から7年ほど前にカミさんと2回目の来園を果たしているが、その頃はまだほとんどの施設が稼動していたものの、来客数と職員数が同じくらいであり、この業態でいつまで持つのか心配になるような有様であった。実際夕張市が相当税金を投入していたようで、ここの赤字経営が夕張市の財政破綻の一因となってしまったようだ。一昨年民間のリゾート会社に経営が引き継がれ、規模は相当縮小されてしまったがこれも時代の流れとして致し方のないことなのだろう。
個人的には石炭博物館の懐古的な雰囲気は好きなのだが、薄暗い坑道で炭鉱夫の人形が動いたり喋っている展示は子供が怖がるので今回は入場を見送った。子供が大きくなったらまた来ようと思うが、それまでは営業を続けて欲しいものだ。
SL館。画像はこちらから引用。バスと比べると大きさが分かる。
石炭の歴史村の展示館のひとつであるSL館は一昨年はまだオープンしていたが、昨年より休館となってしまった。巨大なSLを模した建物で、館内にはSLや客車が数両保管されている他、昔の駅やホーム、乗客や駅員(人形)まで再現されている。昨年9月にはSL夕張応援号の運行に合わせて2日だけ臨時開館されたので行ってきたが、建物は既に電気が止まっており、自家発電機による薄暗い照明下での見学だった。館内の車両の保存状態は良好だが、SLが地盤の緩みにより傾いており、このまま放置すると横転の恐れもあるらしい。修復するお金がないため存続が危ぶまれており、現在地元の有志(三菱大夕張鉄道保存会)による保存活動が行われているそうだ。
SL館は広大な敷地の外れに位置し、隣接する遊園地を訪れるついでに見学するような立地であった。かつては園内のミニ鉄道で村の中心部からSL館まで移動することができたが、鉄道が撤去された今、SL館は行くだけでも難儀な場所になってしまっている。一方、化石館は駐車場と石炭博物館の間に位置するため博物館を見学するついでに訪れやすく、立地の幸運で生き延びた施設と言えるかも知れない。
できることならば、「あの頃」の石炭の歴史村に子供を連れてもう一度行ってみたい...。