いまさらMIDIとSSD

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自分は高校の頃から10年くらいピアノを独学でやっていたのだが、きっかけは友人がゲームミュージックをキーボードで弾いていたのを真似したくて、ヤマハのキーボードPSR-12を小遣い貯めて購入したことだった。家電店の展示品を29,800円で購入したと記憶している。タッチセンサーやMIDI端子も持たない安物のキーボードで、今聞いたらショボいFM音源サウンドなんだが、ゲームミュージックを弾くには丁度良かった。これでスペースハリアーやハングオンなんかを弾いていたのだが、そのうちにピアノの曲を弾きたくなって幼稚園の頃に途中で投げ出した「こどものバイエル(上巻)」(同じものが今でも売っている)を引っ張り出して習得し、「エリーゼのために」に挑戦。しかしキーボードの49鍵では全然足りなくて、親に泣きついてKAWAIのデジタルピアノPW250を買ってもらったのであった。滅多に物を買ってくれるような親ではなかったのだが、デジタルピアノはさすがに小遣いで買える値段ではなく、真面目に練習しているところを見せたところ認めてくれたのだった。PW250はKAWAIのWEBサイトによると、1986年発売で定価は21万円だったそうだ。デジタルピアノ黎明期の製品であり、ハンマーアクションのないヘコヘコな鍵盤と貧弱な音源ではあったが、MIDI端子が付いていたので外付け音源Roland SC-33を繋げて大学卒業まで使っていた。SC-33は音色数が少なめでPCに繋ぐ音源としては力不足ではあったが、音色選択ボタンが使いやすく、リアルタイム演奏に使うには最適だった。

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その後就職し、貯めた給料を投じて1999年に購入したのがクラビノーバCVP-103だった。10年落ちとなった今、このモデルは中古で6万円程度で取引されているようだが、買った当時は26万円くらいした。ハンマーアクション鍵盤やリアルな音源、FDDによるMIDIデータの読み込みや演奏データの保存など、デジタルピアノはもうこれ以上は進化しないところまで来たと考えて購入したのだった。FDDは時代遅れになってしまったが、鍵盤のタッチや音は練習用としてなら今でも十分に使えると思う。なお、不要になったPW250は後輩のK君に音源付きであげてしまった(押し付けたともいう)。ここ数年はすっかりピアノもご無沙汰になってしまい、部屋の片隅でホコリをかぶっていたのだが、子供がピアノを習い始めたため活用されることになった。CVPシリーズのクラビノーバは自動伴奏などのキーボード的なお遊びもできるデジタルピアノで、XG音源やMIDI鍵盤としても使える。せっかくなので余っているノートPCを接続してMIDIプレーヤーとして使えるようにしてみた。

今回のPCは大昔DO-夢で購入した富士通のMFノート645MF6C/W。Tridentのビデオチップを使ったもので、マザーは以前にネズミーPCで使ったものとほぼ同じ。CPUはセレロン450MHz、メモリはPC100のSO-DIMMなのでせいぜい128MB。今となっては非力なマシンだが、Windows MeをインストールしてMIDI専用機にするには十分だろう。ただ、いくつか不満点が出たので改造することにした。

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不満点としてはまず、液晶がSVGAの800x600ドットで狭く感じられる点。ちょうどお絵かきPCでマザーを抜き取ったMF8/Xの12インチXGAパネルが余っていたのでこれを入れることにした。元々付いていたのは鳥取三洋のTM121SV-02L04C。入れ替えに使うのは日立のTX31D73VC1CAA。幸い外形寸法とネジ位置は同じだったが、コネクタの位置と形状が異なるので手配線を行った。Peterさんのサイトを参考にしたが、やったことはほぼ一緒。

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まず、フレキについていたJAE20pコネクタを取り外し、LCDパネルについていたフレキをハサミで切断したものに手配線した。フレキに直接半田は載らないので、適当な部分をアートナイフで削って銅箔を露出させた上で半田付けしている。LVDS 1ch 6bitの配線だが、差動信号はワイヤーを等長とし、ツイストペアで配線した。

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このようにLCDのコネクタ位置に合うようにワイヤーを引き回したのだが、コネクタの接触が甘いようなので、直接LCDの制御基板に半田付けしたほうが良かったかも...。ちなみにこれだけではマザーがXGA信号を出してくれないのだがPeterさんのサイトに記載されているようにフレキのマスキングとパターンカットを行ったところうまくいった。

次に、思ったよりHDDの回転音が気になるのでソリッドステート化することにした。以前にお絵かきPCに使ったときにプチフリーズ問題が多発し、実用性に難ありのEeePC用のMLC 8GBのSSDを取り外して流用することにした。これにWindows MeをインストールしてヤマハのシリアルMIDIドライバや、プレーヤをインストールして、ポートリプリケータのシリアルポートから自作のケーブルを介してクラビノーバと接続した。CVP-103にはミニDIN8pのPC端子が付いているので、ケーブル1本で双方向通信が可能だ。

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ヤマハのMIDIデータ販売サイトで一曲あたり1分30秒の試聴が可能なのでいろいろ聴いてみた。有料なだけあって出来のよいデータが揃っているのだが、1曲210~315円は割高に感じる...。かつてNIFTY-SERVEのFMIDIDATフォーラムでJASRAC管理曲は1曲あたり数円の接続料で合法的にダウンロードできたことを考えるとなぁ...。あそこにアップされていたのはアマチュアの作品だったが当時はMIDI文化も盛んで、出来の良いデータも一杯あったのだが。

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面白いのはヤマハの「ひいチャオプレーヤ」。MIDIデータを読み込ませると楽譜にしてくれて、それをなぞるように再生される。鍵盤を叩くとPC画面に反映され、カラオケのようにどれだけ元データに近い演奏ができたか採点をすることもできる。表示される楽譜を綺麗なピアノ譜にするためにはソレ用の決まりごとを守ったMIDIデータを用意する必要があるようだが。

ちなみにこのようにMIDIデータ再生機として使ってみると実用上問題になるようなプチフリーズは発生していない。MIDIデータなんてのはせいぜい数10kB程度なので低速なSSDでもこういう使い方なら意外と行けるのかも。とりあえずしばらくMIDI専用機として使ってみるつもりだが、できれば譜面台そのものをLCDモニタ化して、「クラビノーバPC」を作ってみたいような気もする。そのためにはコンパクトでSVGA以上のLCDパネルが必要だが、気が向いたら探してみよう。

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なお、お絵かきPCには新たにBUFFALOのEeePC専用SLC 16GBのSSD「SHD-EP9S16G」を2.5インチIDE化して内蔵させた。ヤフオクで比較的安かったので購入したものだ。今時のSSDに比べると容量も小さく、アクセス速度は遅いのだが、一応メモリチップがSLCなのでプチフリーズ問題は大分マシになっているらしい。

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配線は前回同様にジュンフロン線でチマチマやっている。IDEなのでワイヤーは等長が基本。そのせいでスパゲッティ化しているが、このように配線すると応力が半田付け部位に集中しにくくなるので断線の予防には効果的、などともっともらしく言ってみたり。電源は3.3Vのレギュレータをピンヘッダコネクタに取り付けている。消費電力も低そうなのでヒートシンクは使っていない。

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Windows Xpをインストールしてベンチマークを取ってみた結果がこちら。SLCチップを使っている割には4kBの細かいファイルの書き込みは想像以上に遅く、前回プチフリが多発したMLC 4GBの3倍弱でしかないのだが、意外とプチフリはあまり気にならないレベルだった。

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このページは、にがが2010年11月24日 00:11に書いたブログ記事です。

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