猫の手2号基板

12月10日に発注した猫の手2号の基板が大晦日の本日到着。ということで、早速イメージ比較。

今回の基板は設計としては2作目。ビアやネジ穴がうまく作れているかどうかが課題だった。ネジ穴はメッキなしで開けられている。ビアドリル径は0.4㎜で製造上の最小穴径0.3㎜より僅かに大きくしてあるが、それでもレジストに埋まってしまうくらい細い。ベタGNDの隙間が目立つが、ケース組み込みの都合でサイズや実装上の制約が厳しいこともあってこれ以上追求しなかった。レジストが若干ズレていて、Dサブの異形パッド周辺が目立つがギリギリ許容範囲。

パターン面だが、トランジスタやタクトスイッチはこちらの面に実装する。R2とR3のシルクはこちら側にプリントしてあるが、実際はICソケットの下の隙間に実装する。これでギリギリケースに組み込みが可能。これ以上部品を増やせないのでPICはPORTCのプルアップ抵抗が不要の16F1823とした。

Vカットの隙間は1㎜以上確保したが、カット誤差でギリギリな感じ。次回からは1.2㎜くらい開けたほうがいいかも。ちなみにタクトスイッチ(SW1/2)の中心位置にメッキ無し穴を開けているが、これはケース加工用のガイド穴。タクトスイッチを実装しない状態でケースにネジ固定し、その状態でガイド穴に1㎜のドリルを挿しこんでタクトスイッチ穴のセンター出しをする。穴を3.2㎜に拡大した後でスイッチを基板に挿しこんで再度ネジ固定し、ガイド穴からタクトスイッチを押し出して高さ調節した状態ではんだ付けする。これで簡単かつ正確にケース穴の位置決めができる仕組み。

10枚面付けを5枚発注したので猫の手2号50個分が手に入ったが、50個もケース加工するのは大変そう…。まぁ、そんなに需要があるかどうかは分からないけど。

3号b基板到着

FusionPCBには5種類の基板を発注したが、それぞれ送料込のキャンペーン価格で申し込んでいるので別便で到着する。12月10日に猫の手2号を、12月11日に猫の手3号b、3号c、1号を発注したが、今回は猫の手3号bが到着した。

早速KiCadのイメージと比較してみる。

今回はレジストの色に黒を指定。FuisonPCBはレジストのカラーを変えても値段は同じだった。黒レジストはパターンが視認しづらくて回路デバッグに難ありと聴いているが、この回路ならデバッグの必要もないかと。例によってスキャナーによる画像なので、パターンが黒ずんで見えるが、実際は半田メッキされている。

目視チェックでは大きな問題は無さそう。VカットのラインでURL表示のシルク印刷が少し削られている個体があったが、コントローラに組み込んでしまうと読めなくなるし、実用上は差支えなし。Trのパターンは足間隔の狭いフットプリントを選んだので実装の際にはブリッジしないように要注意かも。

残り3種類の基板は配送状況を追跡しているが、2号、1号、3号cの順番で到着する見込み。

赤外線リモコン玩具

猫の手リモコンシリーズの量産は年明けに部品を調達しないと進まないので、新しい関連製品を開発してみた。猫の手リモコン送信機を利用してタミヤのリモコン戦車のような2モーターで動くオモチャを動かしてみようというもの。せっかくなので、トリガA/BやSELECT/STARTで他のモーターも駆動できるように汎用性を持たせてある。戦車やショベルドーザーに組み込んで砲塔やアームを駆動しながら走行するようなこともできる。

走行用のモータードライバはTA7291Pを使用。アームや砲塔等のオプション駆動用にはハーフブリッジドライバ(4個入り)のSN754401NEを使ってみた。双方向のモーターを2個、または片方向4個まで駆動できるはず(電源が負荷に耐えられるかどうかは不明)。オプションはトリガA/BとSELECT/STARTボタンで操作可能だが、JP2でSELECTの代わりにEX2(SELECT+START+上コマンド)に割り当てたり、JP3でSTARTの代わりにEX3(SELECT+START+下コマンド)に割り当てることもできる。ちなみにEX1はSELECT+START+左コマンドでon/offがトグルする。

基板サイズは100x100mmの基板に4枚面付けできるよう50x50mmに設定した。固定用のネジ穴間隔は40mmでタミヤのユニバーサルプレート(5mm間隔)に合わせてある。組み立て易さ重視でリードタイプの部品で構成したが、かなりギッチギチな感じ。

3D表示で部品を実装したイメージを見ると一部3Dデータの無い部品が表示されないが、案外無難に納まっているような感じもする。トリガA/BはインジケータLED付き。前方のLEDはヘッドライト用で電源投入時は常時点灯する(スイッチ消し忘れ防止の意味あり)。半固定抵抗は走行用モーターの速度調節用。

パターン面はこんな具合。実装密度が高そうに見えて、意外とあっさりパターンが引けてしまった。両面2層でICの足の隙間にパターンを這わせることができるのは基板製作の大きなメリットと感じた次第。一応ビアなしでも配線できるが、やたら遠回りになってしまう1箇所だけビアを使った。

今から発注しても学校の冬休みには間に合わないが、来年の夏休みの工作のネタにいいかも。

 

初基板

ようやく最初に発注した猫の手4号基板が到着。12月5日に発注し、24日に到着したので20日を要したことになる。

7.9$キャンペーン価格でのオーダーは自動的にSingapore Postでの発送となっていたが、一応書留扱いなのでFusionPCBのOrder historyでTracking numberを調べて、こちらのサイトから追跡することができた。

http://www.17track.net/ja

追跡中のスクリーンショットがコチラ。

12月5日に発注したものが12日に出荷され、19日にシンガポールの国際交換局から発送、22日に日本の交換局に到着したらしい。シンガポールで1週間ほど足止めを食らっていたようだが、これで普通なんだとか。

国内に入ってからは日本郵便で追跡可能。

https://trackings.post.japanpost.jp/services/srv/search/input

日本に到着した日の朝に通関処理され、通常の郵便と同様の日数で配達された。後からオーダーした1号~3号基板も順次出荷されているようだが、ほぼ同時に発注した1号、3号b、3号cの出荷日が前後していたり、国際交換局に到着した順が入れ替わっていたりしていて、発注から到着までの日数はかなりバラつきがありそう。

さて、到着した4号基板を検証。KiCadで作った3Dイメージと現物のスキャン画像を並べてみる。まずは部品面から。

現物スキャンイメージではレジストのかかっていないPAD部分が黒っぽく見えるが、実際は半田メッキされており、銀色に光っている。次はパターン面。

細かく見ると僅かなキズや汚れはあるものの、仕上がりが心配だった自作フットプリントのDサブ端子のスルーホールは問題なく、パターンとホールがズレていたりシルクがパターンにかかるような致命的なエラーも無さそう。シルク印刷は少しガタガタしているが、性能には影響しないし値段を考えたら全然問題ないと思う。サイトURLの部分はKiCadで0.1mmで線を引いてしまったが、FusionPCBではシルク幅は0.15mm以上になるので出来上がったものは少し太くなっている。Vカットも指定通り3x4で加工されていて、若干ズレがあるが表裏の溝は一致しており許容範囲。これを追加料金無しでやってくれるのは有難い。

組み立てるためには部品を発注しないとならないが、年明けになる見込み。部品点数は少ないが、FCのDサブ15pもどきの加工が面倒くさいんだよなぁ…。

猫の手シリーズの基板設計

食わず嫌いのKiCadであったが、慣れてしまうとどうということはなく、猫の手シリーズの基板くらいの規模だと一日1枚出来上がるようになった。

猫の手3号c

3号c(PS PAD送信機)は既にM.A.D.社の試作品があるが、HOSIDEN版のPADに対応できていなかったので、今回の基板でMITSUMI、HOSIDEN両対応にした。KiCadにはショートランドのパターンが入っていなかったので、適当にフットプリントをでっち上げた。MISUMIとHOSIDENの基板はケーブル接続に同じピッチの7pのコネクタを使っているくせにアサインが異なるのがイヤラシイのだが、PICの初期化プログラムでJP1を調べてピンアサインを変更する仕組みとした。自動対応も検討したが無理だった。HOSIDENの基板を改造するときにはあらかじめJP1をショートしておく。

PAD内部スペースの都合でICソケットが使えないので、ファームの書き換えができるようにICSPパターンも用意した。秋月のスルーホール用ジャンパワイヤーが差し込めるように穴経は0.8mmに設定。とはいえ、バグでもない限りは使わないような気がする。JP2は通常CLOSEで運用し、ICSP時はパターンカットしてOPENにする。

 

PS PADの基板に実装してしまうと見えなくなってしまう裏面。ICSP時のJP2の扱いはこちらの面にしか書いていないが、表面に余裕がないので致し方なし。

猫の手3号b

引き続き3号b(SFC PAD送信機)を設計。これはM.A.D.社設計のものと機能的には同じ。コピーした訳ではないが、PICやコネクタのアサインやPAD内部のスペースの制約から必然的に似たようなレイアウトになる。

赤外線LEDは斜め方向にリードを曲げて実装する関係で、斜めのフットプリントを作ってみた。この基板は配線数も少ないので設計も簡単だった。

配線しやすいようにPICのピンを割り当てていたのでビアは不使用。M.A.D.社のものとは異なり、面実装タイプの部品には非対応。PICのピンに余裕がないためICSPには非対応であり、ファームを書き換える場合はSFCコントローラ基板から取り外す必要がある。

猫の手1号

最後に猫の手1号送信機。M.A.D.社で既に商品化されているが、一応自分なりに作ってみた。

猫の手1号は処理速度を優先してプログラムを書いてしまったため、PICが基板実装しやすいピンアサインになっていない。数本の信号はビアを通して引きまわしたが、なるべくビアは少なくなるように、ベタGND領域が広くなるように配慮したつもり。

この基板はDサブコネクタとJP1を利用してICSPができる仕組みになっているため、ICソケット不使用でも問題なし。コンパクトに作れるようにJP1は2㎜ピッチのピンヘッダにしてみた。ちなみに猫の手4号(FC送信機)も同様の仕組みでICSP可能。

一度実寸でプリントして干渉等の問題がないことを確認し、FusionPCBに発注しようと思う。5枚で7.9$のキャンペーン中にやってしまいたいところ。

重い腰上げてKiCad

昨年より開発していたレトロゲーム機用赤外線コントローラ「猫の手リモコン」シリーズは趣味の範囲でM.A.D.社に製造・販売をお願いしていたが、M.A.D.社の本業が忙しいらしく、今後基板の新造や量産をお願いするのが難しくなってきた。個人的には製品としての量産とか収益とかは興味の対象外ではあったが、このまま埋もれてしまうのも忍びなく、自分でやれる範囲で作って「家電のKENちゃん」さんを通じて委託販売してみることにした(双方にコンタクトを取って了解済み)。

とりあえず猫の手1号(MSX受信機)と3号b(SFC-PAD内蔵)、3号c(PS-PAD内蔵)の基板はM.A.D.社設計のものがあるが、2号(MSX/MD-PAD送信機)と4号(SFC受信機)の基板設計が手付かずだったので、重い腰を上げて基板設計をやってみた。KiCadはトラ技で2回(2016.7月、2017.10月)特集が組まれていて、これに収録されているチュートリアルの動画で一通りの手順は覚えた。概念とフローが分かってしまえば、特別難しいものではなく、約1週間で「猫の手4号」の設計と発注が完了した。

基板製造業者はElecrowとFusionPCBで検討したが、Vカットが追加料金不要らしいFusionPCBの方にしてみた。基板の配列は、pcbnewを単独で起動し、表示をOpenGL(3D)に切り替え、ファイル>ボードを追加で適当なところに置き、右クリックで「配列の作成」を選択して基板サイズの間隔で並べればOK。Vカットの指示は基板外形のレイヤーに書き込めば良いとのことで、適当に線を引っ張って矢印と文字を作成した。

この状態のガーバーデータを出力して、FusionPCBにアップロード。その場でイメージを確認したのがコチラ。FusionPCBは2017.12月現在SALE中らしく、10x10cm以下の基板5枚で7.9$(しかも送料込み)とバカみたいに安い。1枚の基板に3×4で面付けしたので、60個分の基板で1000円以下。初めての発注なので何かやらかしていなければ良いが、失敗しても大した痛手でないのは有難い。

引き続き、猫の手2号の基板も設計。コチラはほぼ1日でできた。仕上がりのイメージを3Dビューで確認できるのが素敵。

コチラの基板は10x10cmに5×2で面付けできるから、50個分で1000円以下。こんなにお手軽で安く基板が作れるのなら、チマチマ配線する人もいなくなるよなぁ…。